南仏プロヴァンスの旅|mao

2020年6月〜2021年11月南仏プロヴァンス在住。 プロヴァンスでの旅ブログを、オ…

南仏プロヴァンスの旅|mao

2020年6月〜2021年11月南仏プロヴァンス在住。 プロヴァンスでの旅ブログを、オンラインサロン「Like! Provence」にて連載しています。 https://likeprovence.fr

最近の記事

ラベンダー畑へ:②セナンク修道院エリア編

「セナンク修道院」は、キリスト教カトリックの「シトー会」の修道院です。 シトー会って何?シトー会は、12世紀にブルゴーニュで設立された修道会で、戒律を厳密に守り、質素な生活を送ることを信条としています。 清貧を貫くシトー会の修道士たちは、その服装も質素で、染色しない白い修道服を着ていることから「白衣の修道士」とも呼ばれています。 彼らは学問と労働を重んじていて、自ら農業を行います。 かつては開墾や農法の普及を行い、ブルゴーニュのワイン作りをはじめ、フランス国内に大きな影

    • ラベンダー畑へ:①ヴァランソル高原エリア編

      「ラベンダー街道」をゆくプロヴァンスの風景といえば、ラベンダー畑を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。 プロヴァンスには広大なラベンダー畑が広がっていて、毎年6月下旬から7月にかけて大地が紫色に染まります。 ラベンダー畑は至るところにあり、それらを巡るルートは「ラベンダー街道」と呼ばれています。ドライブやサイクリングにもってこいです。 ただ、このラベンダー街道は全長1,000km近くと、なかなか制覇できる距離ではありません。 ここでは、ラベンダー街道で通る3つのエリア

      • ノストラダムスが予言書を書いたまち「サロン・ド・プロヴァンス」

        ノストラダムスがいたまち サロン・ド・プロヴァンスは、人口4万人ほどのまちで、ノストラダムスがいたことで知られています。 また、空軍基地や空軍士官学校があり、たまたま車で通りがかったときに、アクロバット飛行をしている戦闘機を見たこともありました。 16世紀にはすでにあったという「La Fontaine Moussue」は、見てのとおり「苔むした噴水」という意味。サロン・ド・プロヴァンスの名所のひとつ。日差しの強いプロヴァンスでは、噴水の周りで涼む人をよく見ます。 時計塔

        • スリルと景勝!「ヴェルドン渓谷」をドライブ

          「ヴェルドン渓谷(gorges de Verdon)」は、188,000ヘクタールの広大な自然が広がる「ヴェルドン地域自然公園」にあります。長さ約25km、深さは最大700mにも及び、谷底にはヴェルドン川が流れています。 ジェットコースターより怖いドライブコースヴェルドン川が流れつく「サント・クロワ湖(Lac de Sainte-Croix)」です。今回は、渓谷を一周して、この湖のほとりに戻ってくるコースをドライブします。 まずは切り立った岩山の間を登っていきます。このコ

        ラベンダー畑へ:②セナンク修道院エリア編

          ヨーロッパで最も美しいビーチがある「ポルクロル島」

          日本人がいない穴場の島 ポルクロル島(Il de Porquerolles)は、<歴史、花、海、ダンス!?「イエール」の盛り沢山な一日>で紹介したイエールから、船で約20分のところにある島です。 イエールにはポルクロル島、ポール・クロ島、ルヴァン島の3つの島があり、ポルクロル島はイエールから最も近くて、大きくて、人気のある島。春から秋にかけてのシーズン中はたくさんの観光客が訪れます。 私は8月に日帰りで行きましたが、日本人はおろか東洋人を一人も見かけませんでした。ヨーロッパ

          ヨーロッパで最も美しいビーチがある「ポルクロル島」

          歴史、花、海、ダンス!?「イエール」の盛り沢山な一日

          イエール(Hyères)は、地中海に飛び出ている半島があるまちで、「黄金の島々」と呼ばれる3つの島を有しています。 まちに7000本のヤシの木が植わっていることから、イエール=レ=パルミエ(Hyères-les-Palmiers、ヤシの木のイエール)とも呼ばれています。 中世に形成された、要人たちの保養地イエールの歴史は古く、紀元前からギリシャ人たちが定住していたといいます。 中世には商業や貿易、貴族の影響によってまちが形成され、11世紀には城が築かれています。イエールの

          歴史、花、海、ダンス!?「イエール」の盛り沢山な一日

          「サン・トロペ」後編:セレブの街をそぞろ歩き

          ここはセレブの街サン・トロペ。 エルメス、シャネル、グッチ、ヴィトン・・・歩いているとハイブランドのブティックが次々と目に飛び込んできます。 ふいに目の前にオープンカーが止まり、モデルのようにきれいな女性が男性にエスコートされ、颯爽とブティックへと入っていきました。 ディオールのレストランでランチレストランが併設されたディオールを発見しました。 メニューを見ると、3つ星レストランほど高くないし、カジュアルな雰囲気だったので、話題づくりに入ってみることに。 アジアンテイスト

          「サン・トロペ」後編:セレブの街をそぞろ歩き

          「サン・トロペ」前編:ブリジット・バルドーが愛した港町

          小悪魔なブリジット・バルドー60年代に一世を風靡したブリジット・バルドーをご存じですか? パリ出身の女優でありモデル、歌手でもある彼女は、そのセクシーかつ野生的な魅力で人々を虜にしました。 「ヨーロッパのマリリンモンロー」と称されるセックスシンボルです。 ブリジット・バルドーを一躍有名にした映画が、1956年に制作された「素直な悪女」、原題「Et Dieu… créa la femme(そして神は…女を創造された)」です。 漁村のサン・トロペを舞台に、ブリジット・バルドー

          「サン・トロペ」前編:ブリジット・バルドーが愛した港町

          夏を彩る、街中の演奏会

          街中に音楽ありエクス・アン・プロヴァンスに住んでいると、生演奏を聴く機会がたくさんあります。 例えばある夏の夕方、街の目抜き通りであるミラボー通りを歩いていたら、中世の王族ルネ・ダンジュー像の前に設営されていたステージで、ピアノの演奏が始まりました。 ほかにも、毎週マーケットが開催される通りや、バカンスシーズンで賑わっている広場などで、どこからともなく流しの奏者が現れ、人々の時間にBGMをつけてくれます。 それからエクスでは、毎年7月にヨーロッパ有数の音楽祭「エクス・アン

          夏を彩る、街中の演奏会

          「マルセイユ」旧市街編:聖母マリア信仰

          2600年の歴史がある港街マルセイユはフランスでパリに次いで2番目に大きい都市。 港があり、活気に溢れ、日本でいうと大阪に近いかもしれません。 さらにマルセイユはフランス最古の都市でもあります。紀元前600年にギリシアのフォカイア人が港を開いて建設した「マッサリア」が始まりといわれています。古くから交易が盛んで、移民の多い国際都市です。 ちなみに、フランスの国歌は『マルセイユの歌(ラ・マルセイエーズ La Marseillaise)』という題名なんですよ。 丘の上のやさ

          「マルセイユ」旧市街編:聖母マリア信仰

          コルビュジエとアイリーンの作品群「キャップ・モデルヌ」見学

          ル・コルビュジエの休暇小屋 モナコよりも少しイタリア寄りにある岬「カップ・マルタン」には、近代建築の貴重な作品群があります。 「キャップ・モデルヌ(Cap Moderne)」と名付けられたその一帯は保護されていて、ガイドつきツアーでのみ見学できます。 ル・コルビュジエはス言わずと知れた近代建築の巨匠です。 近代建築の5原則(ピロティ、屋上庭園、自由な平面、自由な立面、水平連続窓)を提唱したり「ドミノシステム」という建築方法を発案したりしました。 コルビジェよって、建築はこれ

          コルビュジエとアイリーンの作品群「キャップ・モデルヌ」見学

          四季折々、花があふれる「ボルム・レ・ミモザ」

          探検したくなる村 ボルム・レ・ミモザは、海から山へと斜面に張りつくようにある村です。 村がいまの姿になったのは12世紀、外敵の襲来に備えて、あえて不便な場所につくられたそう。 こういう防衛のために高い場所につくられた村は、フランス全土にあります。ボルム・レ・ミモザもそうですが、高い場所にある村は山に沿っていため、坂や石段が多く、時々建物の下をトンネルのようにくぐる入り組んだつくりをしています。 これがなんとも冒険心をくすぐるんです。 いつも花々が出迎えてくれるボルム・レ・

          四季折々、花があふれる「ボルム・レ・ミモザ」

          おしゃれな港町「カシ」の広大な景色

          プロヴァンスに住んでいる友人知人におすすめの観光地を聞くと、よく「カシ」という答えが返ってきます。カシはマルセイユから南東へ約30kmのところにある、小さな港町です。 「カランク(入り江)」巡りの出発点マルセイユとカシの間には「カランク」という約20kmの入江があります。このカランクを巡るハイキングやクルージングが人気だというので、立ち寄っても。カシはカランク巡りの出発地点です。 景勝ポイント「カランク・ド・ポール・ミュウ(Calanque de Port-MiouCal

          おしゃれな港町「カシ」の広大な景色

          マルセイユ港編:魚市場とブイヤベース

          活気に溢れる魚市場19世紀まで貿易の中心地として栄えていたというマルセイユの旧港。 そこにある「ベルジュ河岸(quai des Berges)」では、毎日午前中に魚市場がたちます。 カモメが空中を旋回する下で威勢のいい掛け声が飛び交い、活気に溢れています。 魚市場の後ろは海! 漁師たちが船と陸をまたいで行き来しています。 見慣れない深海魚からマグロまで、その場で魚を捌いています。ワイルド! 親子でしょうか、くわえタバコがサマになってますね。 かなり高齢の方も、買い物に

          マルセイユ港編:魚市場とブイヤベース

          幻想的な湿地帯「カマルグ」を白馬に乗って歩く

          独特な地形の湿地帯カマルグは、ヨーロッパ最大規模の湿地帯です。 グラン・ローヌ川とプティ・ローヌ川、地中海に囲まれた3角のエリアで、カマルグ地域自然公園にあります。ローヌ川が何千年にもわたって運んだ土砂が土壌となり、独特の景色が広がっています。 地図で見ると、湖や池が点々としていて、いまにも地中海に沈みそう(沈みません)。海の側の塩田は、ほんのりピンク色。フランスで唯一の水田もあります。 フラミンゴをはじめ数百種類の野鳥、黒牛、白い馬など、カマルグならではの生き物が生息して

          幻想的な湿地帯「カマルグ」を白馬に乗って歩く

          ゴッホが描いた「アルル」では、ローマ遺跡が現役だった

          アルルは小さいまちなので歩くだけなら一日あれば十分ですが、見所が多く何度も訪れたいこところです。 古代ローマ時代を物語る「円形闘技場」アルルは紀元前6世紀頃にギリシア人が開拓した後、紀元前1世紀にローマの植民地となりました。アルルは地中海へ続くローヌ川沿いに位置しているため、ローマ人は運河を建設し、アルルを地中海交易の要所としました。 そうしてアルルは「小ローマ」と言われるほど繁栄します。 現在、その形跡であるローマ時代の遺跡がいくつもあり、それらは世界遺産に登録されてい

          ゴッホが描いた「アルル」では、ローマ遺跡が現役だった