Mao Yoshida

ライター・編集者。編プロを経てフリーランス13年目。書籍やWeb、雑誌、広報誌で執筆し…

Mao Yoshida

ライター・編集者。編プロを経てフリーランス13年目。書籍やWeb、雑誌、広報誌で執筆しています。最近は旅、まちづくり、占い、暮らし、民藝など。noteはアーカイブや個人メモ用に。

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  • 南仏プロヴァンスの旅

    2020年6月から2021年11月まで、南仏プロヴァンスに住んでいたときの旅ブログ。 オンラインサロン「Like! Provence」にて連載。

最近の記事

プロヴァンスワインを買いに、シャトーへ行こう!

フランスワインといえば、ほとんどの人はボルドーやブルゴーニュを思い浮かべますが、プロヴァンスも有名なワインの生産地です。車を走らせていると、至るところにぶどう畑やシャトーを見かけます。 実は、プロヴァンスはフランス国内で最も早くブドウ栽培が始まった場所です。紀元前 600 年頃に古代ギリシャ人がブドウを持ち込んで、紀元前200年頃には、定住していたローマ人がブドウを栽培していたと言われています。 プロヴァンスワインといえば、フレッシュなロゼ 現在プロヴァンス地方で生産さ

    • デニムの発祥地「ニーム」のまちなかはローマ遺跡だらけ

      まちなかにローマ遺跡が点在 ニームは「フランスのローマ」といわれるほど、たくさんのローマ遺跡があります。 古代ローマ時代、前回紹介したポン・デュ・ガ-ルを通り、ユゼスから水を引いていたまちです。 また、ニームは「デニム」生地の発祥地でもあります。 今回は写真を多めに使ってニーム散策の様子を紹介します! TGVも停まるニーム駅を降りると、まっすぐな並木道「Avenue Feuchères」がのびています。道の脇には用水路があり、市民が憩うベンチやテーブルが並んでいます。

      • 旧石器時代から続く山村「セーニョン」で、特別な岩に登る

        プロヴァンスの山間には、可愛らしい村がいくつもあります。人口1000人程度のセーニョンもそのひとつ。 セーニョンに人が住み始めたのは遥か昔、中期旧石器時代(20万年〜3万5千年前)だとか。ネアンデルタール人とかクロマニヨン人の時代です。外敵から隠れやすい地形だったようです。 天文台になったり、城になったり 村の北側にある高さ約30メートルの岩「Le Rocher de Bellevue」は、「美しい眺めの岩」という意味。天文台として使われたほか、信号を送る場所だっただろ

        • 2000年前にローマ人が建設した水道橋「ポン・デュ・ガール」

          ニーム近郊オクシタニー地方にあるポン・デュ・ガール(Pont du Gard)は、ガール川にかかる巨大な水道橋です。 この水道橋は、古代ローマ時代の紀元前19年から5年かけて建設されたそうです ※年代については諸説あり。 当時、人口が増えて水不足になったローマの都市ネマウスス(現ニーム)へ、50km離れた水源地ユゼスから水を引くためにつくられた導水路の一部です。 ポン・デュ・ガールは約600年間、飲料水を運ぶために使われていました。 水道橋の上はどうなっているの? ポン

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        • 南仏プロヴァンスの旅
          26本

        記事

          ラベンダー畑へ:③ソーエリア編

          真正ラベンダーとラバンジンひとくちにラベンダーといっても、いくつも種類があるのをご存知ですか? スパイクラベンダーとかイングリッシュラベンダーとか、調べるといろいろあるのですが、プロヴァンスのラベンダーを見に行くにあたって、代表的な2種類「真正ラベンダー」と「ラバンジン」を押さえておくと良いと思います。 一言でいうと真正ラベンダーはラベンダーの原種、ラバンジンが亜種です。 【真正ラベンダー(Lavande fine)】 ラベンダーのなかで最も高品質とされています。標高60

          ラベンダー畑へ:③ソーエリア編

          ラベンダー畑へ:②セナンク修道院エリア編

          「セナンク修道院」は、キリスト教カトリックの「シトー会」の修道院です。 シトー会って何?シトー会は、12世紀にブルゴーニュで設立された修道会で、戒律を厳密に守り、質素な生活を送ることを信条としています。 清貧を貫くシトー会の修道士たちは、その服装も質素で、染色しない白い修道服を着ていることから「白衣の修道士」とも呼ばれています。 彼らは学問と労働を重んじていて、自ら農業を行います。 かつては開墾や農法の普及を行い、ブルゴーニュのワイン作りをはじめ、フランス国内に大きな影

          ラベンダー畑へ:②セナンク修道院エリア編

          ラベンダー畑へ:①ヴァランソル高原エリア編

          「ラベンダー街道」をゆくプロヴァンスの風景といえば、ラベンダー畑を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。 プロヴァンスには広大なラベンダー畑が広がっていて、毎年6月下旬から7月にかけて大地が紫色に染まります。 ラベンダー畑は至るところにあり、それらを巡るルートは「ラベンダー街道」と呼ばれています。ドライブやサイクリングにもってこいです。 ただ、このラベンダー街道は全長1,000km近くと、なかなか制覇できる距離ではありません。 ここでは、ラベンダー街道で通る3つのエリア

          ラベンダー畑へ:①ヴァランソル高原エリア編

          ノストラダムスが予言書を書いたまち「サロン・ド・プロヴァンス」

          ノストラダムスがいたまち サロン・ド・プロヴァンスは、人口4万人ほどのまちで、ノストラダムスがいたことで知られています。 また、空軍基地や空軍士官学校があり、たまたま車で通りがかったときに、アクロバット飛行をしている戦闘機を見たこともありました。 16世紀にはすでにあったという「La Fontaine Moussue」は、見てのとおり「苔むした噴水」という意味。サロン・ド・プロヴァンスの名所のひとつ。日差しの強いプロヴァンスでは、噴水の周りで涼む人をよく見ます。 時計塔

          ノストラダムスが予言書を書いたまち「サロン・ド・プロヴァンス」

          スリルと景勝!「ヴェルドン渓谷」をドライブ

          「ヴェルドン渓谷(gorges de Verdon)」は、188,000ヘクタールの広大な自然が広がる「ヴェルドン地域自然公園」にあります。長さ約25km、深さは最大700mにも及び、谷底にはヴェルドン川が流れています。 ジェットコースターより怖いドライブコースヴェルドン川が流れつく「サント・クロワ湖(Lac de Sainte-Croix)」です。今回は、渓谷を一周して、この湖のほとりに戻ってくるコースをドライブします。 まずは切り立った岩山の間を登っていきます。このコ

          スリルと景勝!「ヴェルドン渓谷」をドライブ

          ヨーロッパで最も美しいビーチがある「ポルクロル島」

          日本人がいない穴場の島 ポルクロル島(Il de Porquerolles)は、<歴史、花、海、ダンス!?「イエール」の盛り沢山な一日>で紹介したイエールから、船で約20分のところにある島です。 イエールにはポルクロル島、ポール・クロ島、ルヴァン島の3つの島があり、ポルクロル島はイエールから最も近くて、大きくて、人気のある島。春から秋にかけてのシーズン中はたくさんの観光客が訪れます。 私は8月に日帰りで行きましたが、日本人はおろか東洋人を一人も見かけませんでした。ヨーロッパ

          ヨーロッパで最も美しいビーチがある「ポルクロル島」

          歴史、花、海、ダンス!?「イエール」の盛り沢山な一日

          イエール(Hyères)は、地中海に飛び出ている半島があるまちで、「黄金の島々」と呼ばれる3つの島を有しています。 まちに7000本のヤシの木が植わっていることから、イエール=レ=パルミエ(Hyères-les-Palmiers、ヤシの木のイエール)とも呼ばれています。 中世に形成された、要人たちの保養地イエールの歴史は古く、紀元前からギリシャ人たちが定住していたといいます。 中世には商業や貿易、貴族の影響によってまちが形成され、11世紀には城が築かれています。イエールの

          歴史、花、海、ダンス!?「イエール」の盛り沢山な一日

          「サン・トロペ」後編:セレブの街をそぞろ歩き

          ここはセレブの街サン・トロペ。 エルメス、シャネル、グッチ、ヴィトン・・・歩いているとハイブランドのブティックが次々と目に飛び込んできます。 ふいに目の前にオープンカーが止まり、モデルのようにきれいな女性が男性にエスコートされ、颯爽とブティックへと入っていきました。 ディオールのレストランでランチレストランが併設されたディオールを発見しました。 メニューを見ると、3つ星レストランほど高くないし、カジュアルな雰囲気だったので、話題づくりに入ってみることに。 アジアンテイスト

          「サン・トロペ」後編:セレブの街をそぞろ歩き

          「サン・トロペ」前編:ブリジット・バルドーが愛した港町

          小悪魔なブリジット・バルドー60年代に一世を風靡したブリジット・バルドーをご存じですか? パリ出身の女優でありモデル、歌手でもある彼女は、そのセクシーかつ野生的な魅力で人々を虜にしました。 「ヨーロッパのマリリンモンロー」と称されるセックスシンボルです。 ブリジット・バルドーを一躍有名にした映画が、1956年に制作された「素直な悪女」、原題「Et Dieu… créa la femme(そして神は…女を創造された)」です。 漁村のサン・トロペを舞台に、ブリジット・バルドー

          「サン・トロペ」前編:ブリジット・バルドーが愛した港町

          夏を彩る、街中の演奏会

          街中に音楽ありエクス・アン・プロヴァンスに住んでいると、生演奏を聴く機会がたくさんあります。 例えばある夏の夕方、街の目抜き通りであるミラボー通りを歩いていたら、中世の王族ルネ・ダンジュー像の前に設営されていたステージで、ピアノの演奏が始まりました。 ほかにも、毎週マーケットが開催される通りや、バカンスシーズンで賑わっている広場などで、どこからともなく流しの奏者が現れ、人々の時間にBGMをつけてくれます。 それからエクスでは、毎年7月にヨーロッパ有数の音楽祭「エクス・アン

          夏を彩る、街中の演奏会

          「マルセイユ」旧市街編:聖母マリア信仰

          2600年の歴史がある港街マルセイユはフランスでパリに次いで2番目に大きい都市。 港があり、活気に溢れ、日本でいうと大阪に近いかもしれません。 さらにマルセイユはフランス最古の都市でもあります。紀元前600年にギリシアのフォカイア人が港を開いて建設した「マッサリア」が始まりといわれています。古くから交易が盛んで、移民の多い国際都市です。 ちなみに、フランスの国歌は『マルセイユの歌(ラ・マルセイエーズ La Marseillaise)』という題名なんですよ。 丘の上のやさ

          「マルセイユ」旧市街編:聖母マリア信仰

          コルビュジエとアイリーンの作品群「キャップ・モデルヌ」見学

          ル・コルビュジエの休暇小屋 モナコよりも少しイタリア寄りにある岬「カップ・マルタン」には、近代建築の貴重な作品群があります。 「キャップ・モデルヌ(Cap Moderne)」と名付けられたその一帯は保護されていて、ガイドつきツアーでのみ見学できます。 ル・コルビュジエはス言わずと知れた近代建築の巨匠です。 近代建築の5原則(ピロティ、屋上庭園、自由な平面、自由な立面、水平連続窓)を提唱したり「ドミノシステム」という建築方法を発案したりしました。 コルビジェよって、建築はこれ

          コルビュジエとアイリーンの作品群「キャップ・モデルヌ」見学