マンチェスター・ユナイテッド今季を大展望しようかと思ったけど時間がないから少しだけ展望します。

　さあミスター無計画ことユナイタクトです。ほんとは木金土で三本立てしたかったんですが無理でした。ユナイテッドの開幕節は今夜20:30K.O.ということで、簡単に読めるように短めに今季の戦力分析、戦い方、開幕節プレビューと行きたいと思います。開幕節終わっても見れる内容なので、ぜひ。

⑴ユナイテッドの今季の戦力を整理してみる

現状スカッド

　現時点での戦力はこんな感じ。見やすさなども考慮して、それぞれのポジションのスタメンと2番手をピッチ上に、長期離脱のラッシュフォード＋3番手以降の選手はピッチの脇に表示してみました。ちなみにガーナー、メンジなどユース組は他にもいますが、Siraidaさんをもとにつくったのでその辺は悪しからず。

個人的な意見も含めて、戦力を整理してみると以上のようになります。

[放出候補？]

ニュースなどを見ているとデヘアやPJ本人は残留していく気持ちの方が強そうですが、特にデヘアに関しては年俸面、ヘンダーソンの移籍の懸念を考えると、(相手が見つかれば)放出もやむ無しかもしれません。

[レンタルの薦め]

ウィリアムズとディアロに関しては、正直今のチームではほとんど出場機会をもらえないですが、他チームに行けば即戦力と考えられるため、2部やプレミアの他チームにレンタルした方が良いと個人的には思います。「SBの5番手」って難しいところですが、ウィリアムズ本人のことを考えても、怪我人続出でも最悪、下部組(バーナードやメンジ)を使うっていうかたちでいいのではないかと思います。(ディアロは背番号変わったし、レンタルなしなのかも)

[下部でプレーしながら]

彼らに関してはまだ若いですし、他チームでどれだけ需要があるかわかりませんし、かつてのグリーンウッドやラッシュフォードのようなブレイクへの期待を込めて、このような設定がちょうどいいのではないかと思います。

移籍の噂

①キーラン・トリッピアー

②デクラン・ライス

③レオン・ゴレツカ

④エドゥアルド・カマヴィンガ

⑤サウール・ニゲス

こんな感じかな。他の選手もいるかもしれないですが、大きく名前が挙がっているのはこの辺になると。ManUnited情報さんのツイートを見るに、最も加熱していたトリッピアー獲得はなさそう。自分もそれに賛成で、AWBの競争相手としてダロトが仕事をしてくれると思います。

ゴレツカはかなり可能性が薄そうであるし、カマヴィンガはPSGやスペインの二強、サウールはバルセロナと本命があるので、あんまり期待しない方が良いと考えられます。ただ、我らがOGSは「あと一人獲りたい」的なことも発言しているので、中盤の補強が今後あるかもしれませんね。

私見

　マルシャル残留濃厚、その他のデヘア、PJも含めて残留しそうなのでユナイテッドの補強はこれで終戦しそうだし、してもよいというのが私の意見です。各ポジションには当初から代表クラスが揃っていますし、そこにピンポイントでサンチョ＆ヴァランを獲得できただけでも最高の夏だったと思います。中盤に関して物足りなさがあるという意見もありますが、そこはVDBやガーナー、ペレイラの覚醒に期待しましょう。フレッジやマクトミネイがそうであったように。

　特に自分はペレイラにめちゃくちゃ期待していて、レンタルや放出の噂もありますが、残留してほしいです。ロングフィードなどのパススキルに加えて近年はフレッジ程とはいえませんが、なかなかに粘り強い守備を見せるようになっていて、インテリジェンスの部分の向上も含めてジョルジーニョさんみたいにならないかなと思っています。ということで、結論は「今のままでいこう」なんですが、あとはスールシャールの課題である、ローテーションや選手交代の部分によってこのスカッドが最大限に生きる形になると考えてます。

⑵今季の戦い方(戦術)

ツイートもしましたが、プレシーズンの2試合を見たところ今季も戦い方に相違はないようです。

ユナイテッドのビルドアップは昨シーズンから取り組んでいるサイドでのひし形形成で、リンデレフを経由してAWBにボールを渡し、そこに対して3＋α(カバーニやブルーノ、フレッジ)のパスコースを与えます。グリーンウッドやマクトミネイは選手にマークされていますが、持ち前のプレス回避能力でレイオフなどのワンタッチプレーをまぜながら、相手が収縮している同サイドから逆サイドへのサイドチェンジを試みます。4対2のとりかごをやっているようなかたちです。

相手が撤退してブロックを固めて、ユナイテッドが定位置攻撃のフェーズに入ると、というよりCBが時間をスペースを得た状態でボールを持つと、SB、CH、SHは「移動」を始めます。両SBが高い位置をとり、両SHはハーフスペースに侵入、SBが列を上げたことによってできるスペースはボランチが使います。基本的にはマグワイアが左に張り出し、右のボランチが3バックの一角のような立ち位置をとりますが、ボールと同時に人も移動するので、左のボランチがマグワイアの脇に下りたり、マティッチの場合はCB間に落ちたりもします。

この両SBが列を上げて形成するダイヤ型3-4-3のかたち以外にも、左のWGの特性(ジェームズやラッシュフォードの場合はワイドに張ることが多い)によってショーの立ち位置も変化し、そのショーの立ち位置によって(ライン間にボールを供給する)ビルドアップ隊も3-2のかたちになったり2-3のかたちになったりします。基本はダイヤ型3-4-3ということです。

ユナイテッドの非保持時のフォーメーションは4-2-3-1といえます。もちろん、撤退したり、状況に対応したりするときには4-4-2、4-4-1-1のかたちになりますが、プレッシングは基本的にはブルーノとカバーニは縦関係からスタートする4-2-3-1のかたちです。ワントップでCB間のパスコースを切り、2列目の3人でボランチや中央へのパスコースも消すことで、相手のSBにボールを誘導、そこでSHの横スライド、間に合わないときはSBの縦スライドやダブルボランチの横スライドでプレッシャーを一気にかけ、ボールを奪ったり、ロングボールを蹴らせるのが狙いです。このプレッシングはかなり相手に圧力をかけますが、その分リスクも大きく、ボランチ脇のスペースやSBのスライドに合わせてCB含むDF全体がスライドすることによって空いてしまうCBの裏や逆サイド大外の攻めに対するケアが重要になります。だからこそのフレッジ、マクトミネイですし、だからこそのヴァランです。リンデレフが悪いというわけではないですが、ヴァランの裏対応を含むディフェンス面のスキルはリンデレフより一回り上だといえるので、彼が今シーズンフィットすれば、チェルシーのような激しいプレッシングと固い守備が両立できるはずです。

⑶開幕節プレビュー

初戦はリーズ。昨季の対戦成績は1勝1分となっており、特に第1戦は6-2の大勝だったので、「相性いいから大丈夫やろ」と思われるかもしれませんが、わたくしはそれは危険だと思ってます。実際に第2戦はリーズのマンツーマンに苦しみ、ポグバ途中投入も相手の4-2-3-1の変更によって終始攻め手に欠けてのドローという試合でした。

(SofaScore"Manchester United - Leeds United"より転載)

両チームの予想スタメンはこんな感じ。ユナイテッドはテレス、ラッシュ、ヘンダーソン、リンガードが"Out"、リーズはジョレンテが"Out"らしいです。リーズは新加入フィルポがスタメンなのであればアリオスキの穴を埋めて余りある活躍がみれるかに注目ですね。ただ、私はSofaScoreさんのスタメン予想に疑問を呈したいです。昨季のリーズ戦もそうでしたが、この試合は激しい中盤の攻防がカギを握るため、ポグバ-マティッチのダブルボランチコンビではなく、スールシャールは(状態次第ですが)フレッジ-マクトミネイのダブルボランチコンビを採用するのではないかと思います。

ということで、この試合のカギはダブルボランチといえますが、その他に3人挙げるとするとAWB、ジェームズ、マルシャルです。

AWBはリーズ得意のサイド攻撃への対応はもちろんのこと、リーズの激しいプレッシングに対する正確なビルドアップが求められます。個人的にはAWBのビルドアップ能力はかなり高い方だと思っているので、その活躍に期待です。

そして、ジェームズです。ダブルボランチフレ-マクなら、ポグバ左SHにしろよっていう意見も聞こえますが、この試合は絶対ジェームズです。昨季のリーズ戦2試合とも先発していて、第1戦は1ゴール、第2戦も献身的な守備で無失点に貢献していました。第1戦は怪我人の影響もありましたが、第2戦は完全に戦略的意図をもっての起用だったと考えられるため、この試合も先発濃厚だと思われます。

最後はマルシャル。私自身もそうでしたが、彼の守備意識に関して批判的な意見が多く、昨シーズンは結果も出せなかったため「ファンが選ぶ放出候補第1位」的な感じになっています。ただ、スールシャールも構想内に入っていると明言し、まさに今シーズンが正念場。気のせいかもしれませんが、プレシーズンのエヴァートン戦でも(プレッシングは微妙でしたが、)攻⇒守の切り替えの良さは出ていて、この試合でどのような守備意識を見せるのか、得点を取って波に乗れるのかという点は注目ですし、この2つの要素はこの試合を左右するものにもなりそうです。

OGS、ビエルサ、両監督の采配、詰め合いにも注目の試合は今日20:30K.O.です!!僕もウキウキで待ちます！。では。

タイトル画像:dullhunk"Manchester United Football Club"

なおこの画像はCC BY 2.0の下で利用されています。