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スーパーでコーヒーを買う時の3つのポイント

「レギュラーコーヒー(RC)」とは焙煎したコーヒー豆、或いはそれを挽いた状態の物を指す言葉で、姿形もさまざまです。自家焙煎店やコーヒーショップなどの豆粉の秤売り、既に袋に入っている豆・粉袋入、ドリップバッグと呼ばれる一杯簡易抽出型、Nespressoのようなカプセルタイプなどなど。

豆、粉の秤売りは自家焙煎専門店がシェアを伸ばしているものの、RCの主戦場はスーパーやデパートの食品売り場という事はご存知だったでしょうか。少し古い統計ですが2014年のシェア率はスーパーでRC全体の46.8%、デパートで16%と全体の6割を占めています。ドラッグストアやディスカウントストアも含めると更に大きなシェアとなります。

「どうせ大して美味しいコーヒー置いてないんでしょ?」と聞こえてきそうですが、昨今のコーヒーブームもあり、シングルオリジンの豆が置いてあったりします。(写真のコーヒーは静岡の老舗ロースター・チモトコーヒーのシングルオリジンシリーズ)

今回はそんなスーパーでコスパの良いコーヒーを購入する際のポイントを解説していきたいと思います。

1.豆の状態の物を選ぶ

スーパーにも豆と粉の2種類が存在していますが、粉は豆に比べて劣化が早い為、「開封したばかりなのに香りが無い」なんて事になりかねません。購入するなら必ず豆の状態の物を選びましょう。

また、写真の様にグラインダーが置いてある事もあり、家にグラインダーが無い方でも、挽きたてのコーヒーを購入する事も可能です。

2.鮮度の良いものを選ぶ



「コーヒーは生鮮食品です」と誰かが言っていた気がしますが、あながち間違っておらず、焙煎した直後から劣化が始まります。

常温保管で美味しく飲める期間は概ね1ヶ月。粉だと1週間保てば良い方でしょう。(個人的な感想)

ただし、これは一般の場合で、スーパーで販売しているレギュラーコーヒーは基本的に窒素充填されており、残存酸素率が1%を下回るような状態なので、劣化のスピードが著しく低下しております。(ポテチなども窒素充填されてるからシナシナにならないのと同じです。)豆で買えば常温で3ヶ月経った物でも美味しく飲めます。(未開封の状態です。開封後はなるべく早めにお召し上がりください)

さて、賞味期限から読み解く製造日。上記の写真では賞味期限が2021.04.26とあります。この手の商品の場合、豆であれ粉であれ賞味期限を1年間で打つ事が多いので、製造日は2020年4月26日と推測出来ます。

このような方法で製造日を割り出し、なるべく製造日から日が浅い商品を選んでください。おつとめ品で半額になっているようなコーヒーは味も香りも最悪なので、手を出さない方が良いでしょう。

3.生豆生産国から選ぶ(ロブを避ける)

食品表示基準により、原材料の欄に「生豆生産国名」を表示しなくてはなりません。ただし食品表示のトリックといいますか、生豆生産国の背景も少し理解しておかないと、なかなか美味しいコーヒーにはたどり着けません。コモディティコーヒーの多いスーパーではアラビカ100%のコーヒーをまず飲んでみるのがオススメです。

先ずは代表的なuccゴールドスペシャルのスペシャルブレンド。通称「ゴスペ」

裏面を見てみると

(生豆生産国名:ブラジル、コロンビア他)となっています。

これは「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」で生豆生産国が3つ以上ブレンドされているコーヒーは、使用している割合が多い上位2カ国を表示しなくてはならないという規約に則った表示になっております。ゴスペの場合はブラジルとコロンビアがベースのブレンドという事がわかります。

しかし「他」の部分が分からないままです。この手の場合、安価なロブスタ種(ロブ)を使用している場合が多く、風味的には劣る傾向にあります。

次にこちらもよく見るMJBのアーミーグリーン。

こちらも裏面を見てみましょう。

こちらは(生豆生産国名:ベトナム、ブラジル)と記載があり、2カ国のブレンドです。

ただし、ベトナムはロブスタ種の生産量が世界一位の国なので、相当ロブ臭いコーヒーである事は袋を開けずとも分かります。余談ですが、インドネシアはマンデリン のイメージが強いのですが、ロブの方が遥かに多く生産しており、この価格帯で「インドネシア」と記載がある場合はほぼ間違いなくロブでしょう。(マンデリンは大体表面に「マンデリン 」と記載がある)

最後に小川珈琲の小川プレミアムブレンド。こちらは表面に生豆生産国と配合の割合、焙煎度合まで記載されています。この場合裏面には(生豆生産国名:ブラジル、メキシコ、コロンビア、エチオピア)と記載されます。これは生産国からアラビカ100%であると推測出来ます。

以上の例から考察すると「生豆生産国名」にロブの生産地がメインのブレンドではない物、或いはその疑いのある様な表示(その他、他)と記載がある物は風味が優れない可能性が高いということです。

最後におさらいとして、

1.豆の状態で

2.製造日が新しく

3.生豆生産国名からアラビカ100%だと思われるコーヒー

を選んでみると、思ったより美味しいコーヒーと出会えるはずです。

ちなみに僕のオススメはOlympicのPB製品「Grain Coffee Roaster」シリーズ。首都圏限定ですが店舗内に焙煎機を導入し、自家焙煎している変わったスーパーです。原料の割にかなり安く、サービスパックが¥990/400gとコスパがおかしいです。僕の調べたところ、同じ原料、もしくは同クラスの豆の中では世界一安いです。

なおブレンドの原料は僕が選定して、焙煎のプロファイルも全て見直しました。2年前の話なので現在どうなっているのかは分かりませんが、お近くの方は是非手にとってみてください。


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