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マンガとプロダクトプレイスメント第3章  後半

第3章後半 マンガでプロダクトプレイスメントは現実に使われているの?

前回はプロダクトプレイスメントについて説明した。

では、映画・アニメ・ドラマ等では度々活用されているプロダクトプレイスメントだが、マンガではどうか?

調べた結果、出てきた事例は以下のとおり。

キン肉マン(ゆでたまご・1979-1987・集英社)

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キン肉マンの作者であるゆでたまごの自叙伝である「ゆでたまごのリアル超人伝説」には次のとおりプロダクトプレイスメントを行っていた旨の記載がある。

話は唐突に変わるが、ポテロングというお菓子をご存知だろうか?森永製菓から長年にわたり出されているスナック菓子だが、ボクたちは作品中で何度もこのポテロングをキャラクターたちに食べさせた。森永のココアを出したこともある。これを出していたのには理由があった。
~中略~
森永製菓の重役さんがボクたちの『キン肉マン』を気に入ってくれて、作中に一コマ出すだけで、1週につき、5万円を出してくれることになったのだ。
つまり、森永製菓が『キン肉マン』のスポンサーになってくれたのだ。
引用:ゆでたまご 2014年 「ゆでたまごのリアル超人伝説」宝島社 P.63-64


メジャー(満田拓也・1994-2010・小学館)
2004年から2010年にかけ、プロダクトプレイスメントを行っており 、ミズノは登場キャラクターをモデルとしたグローブなどのタイアップ商品を販売している。
作中では主人公の五郎がミズノの製品を使用している。

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ダイヤのエース(寺嶋裕二・2006-・講談社)
2013年よりダイヤのAのアニメシリーズが放送されており、ミズノはスポンサーとして参加し、登場キャラクターをモデルとしたグローブなどのタイアップ商品を販売している。
作中では、主要キャラクターがミズノ製品を使用している。

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プロダクトプレイスメントだと確認できたのは以上だ。

このほかにも、プロダクトプレイスメントでは?と思われるものがいくつかあった。

・BECK(ハロルド作石・1999-2008・講談社)
カロリーメイトが登場している。

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・ピンポン(松本大洋・1996-1997・小学館)
湖池屋カラムーチョが登場している。

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・吉野家兄弟(漫画:秋鹿ユギリ 原作:ヨコオタロウ・2019-・LINE)

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う~ん。少ない。
もっと活用されてもいいマネタイズ手法ではないかと個人的には思うのだが、
マンガではプロダクトプレイスメントはあまり活用されていないようだ。

考えられる理由としては、
・読者から反発を買う
・今の売上で出版社的には満足
・著作権 が作者にあるので、承諾や交渉、打合せが面倒くさい
・ノウハウがない

とまぁやらない理由は色々想定できるが、マンガ家の厳しい懐事情を解決するために、やる価値は十分あると直感で思う。

しかし、直感だけでは説得力がない。
なので、マンガにおけるプロダクトプレイスメントの実現可能性についてリサーチしていこうと思う。

第4章へ続く

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