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マンガとプロダクトプレイスメント 最終章

長きにわたりお送りしてきた本シリーズも今回で最終回です。本当です。

では、最後にアンケート1と2の結果をまとめます。

アンケート1及びアンケート2の結果を総合すると、
プロダクトプレイスメントは、読者にとって、ポップアップ広告やバナー広告などのWEB広告よりも印象が良く、その手法の如何を問わず読書体験を阻害しない、つまりはマンガというコンテンツの価値を毀損しない有効なブランディングまたはプロモーションの手法であるといえる。

また、アンケート2のQ6(印象)では、プロダクトプレイスメントに対して明らかにネガティブな意見は全体の4%に過ぎず、各手法とも読者にとってはネガティブな印象ではなく、マンガにプロダクトプレイスメントを施す際には、どの手法を用いたとしても差し支えはない。
様々なコマでプロダクトプレイスメントを用いることが可能であり、連載するマンガにプロダクトプレイスメントを用いることを想定した場合、プレイスメントできる機会が多くなり、広告媒体としてのマンガの価値は高まるだろう。さらに、ブランドの認知を上げることを意図した場合にはセリフを用い、製品のPRを意図するならば小道具を用いるといった使い分けも可能である。

しかし、アンケート2のQ6(印象)で自然さに言及する回答が多かったことから分かるように、読者にとって重要なのはプレイスメントの自然さであり、露骨なプレイスメントやあまりに多くのプレイスメントを施すことは、マンガ及びブランド等の価値を下げる結果になりかねないことには注意する必要がある。
また、自然なプレイスメントをするには、マンガのテーマや世界観との兼ね合いも重要になってくるだろう。異世界が舞台となっているファンタジーものに、現代社会にあるブランドや製品が登場するのは明らかに不自然である。プロダクトプレイスメントとの相性を考えた、作品選び及び作品作りが必要になるということも考慮しなければならない。


正直なところ、プロダクトプレイスメントで本当に漫画家が儲かるようになるのかは疑問ではある。
しかし、プロダクトプレイスメントに可能性を感じているのは本心だ。
マンガというコンテンツそのものを広告媒体にすることができれば、マンガの価値は今よりも高まると思うし、マンガのストーリーの中で自社のブランドが登場するということは、読者(消費者)の心に深く突き刺さる広告になると思っている。

後はビジネスモデル次第である。それ次第で、漫画家の暮らし向きを少しでも良くすることができると思っている。

では、マンガとプロダクトプレイスメントでどのようなビジネスを創造するのか?
恥ずかしながら、それはまだ思案中である。

ご意見のある方や、興味を持たれた方はぜひお声がけ頂きたい。特に、漫画家の方や出版社の方に意見を聞いてみたいところだ。よろしくお願いいたします。

これにて、「マンガとプロダクトプレイスメント」の連載は終了です。

しかし、筆者の野望はまだまだ道半ばである。

俺たちの戦いはこれからだ!


ご愛読ありがとうございました。
作者の次回作にご期待ください。

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