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プロジェクトマネージメント特性比較 シミュレーション比較 Part1

 この章では、Vensim によるフローのビジュアライズを用いてアジャイル型と ウォーターフォール型の開発効率、開発速度効率の比較を繰り返しシミュレーションで行った。開発プロジェクトのモデル化とその評価については、 [満行, 後藤, 稗方, Bryan, 2017] [塩浜, 坂本, 久保, 鷲崎, 深澤, 2019] [吉田 木野, アジャイル開発の見積もり方法の考察, 2013] [G.Karner, 1993]を参考にした。

プロジェクトモデルの構成と構成要素

 Vensim モデルを作成するにあたり簡略化したモデルを作成し、それぞれのモデルの構成ステップを Vensim で表現するため、出来上がるシステムを各ステップでの成果物単位で表した (Flow Diagram 6) 。つまり、プロジェクトモデルでは、要求、分析・要求設計、システム設計、開発・実装、テストというステップがあるが、それぞれ、Request、Functional Specification、Arc Spec、Functions、Test という成果物で表した。また、各システム開発の成果物を Systems とした。

 Flow Diagram 7 を元にアジャイル型の Vensim モデルを作成すると各イテレーション毎には流れがあるが、システム全体からすると要件定義、設計、実装テストを同時に行う事になる。要件設計、システム設計、開発実装が並行して進むので結果としてシミュレーションモデルは Flow Diagram 9 のようになる。混合アジャイルであれば、ウォーターフォール型に近づく [満行, 後藤, 稗方, Bryan, 2017]、また反復型フェーズであれば、また違ったアプローチになる [岡 三宅, 2018]が、このモデルを採用しFlow Diagram 10 の Vensim モデルを作成した。

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 ウォーターフォール型を表す Flow Diagram 11 を元にモデルを作成するとFlow Diagram 13になる。このモデルに全ての要求から設計を終わらせ実装してテストを行う。それぞれのリスクがそれぞれの段階で現れ、そのリスクは、各チームメートのレベルによって決定すると想定しVensim モデルを組み立てた (Flow Diagram 14)。

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 次回以降、設定と結果を説明する。乞うご期待。

参考文献

[1] 満行泰河, 後藤拓矢, 稗方和夫, BryanMoser. (2017). 要求変更による手戻りを考慮した 混合アジャイル開発プロジェクトの設計に関する研究. March.

[2] 塩浜龍志, 坂本一憲, 久保秋, 鷲崎弘宜, 深澤良彰. (2019). アジャイル開発における適切なイテレーション期間の シミュレーションによる推定

[3] G.Karner. (1993). Use Case Points – Research Estimation for Objectory Projects.

[4] 岡大勝, 三宅和之. (2018). 本当に使える開発プロセス.

[5] 吉田知加, 木野泰伸. (2013). アジャイル開発の見積もり方法の考察.

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