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マンガとプロダクトプレイスメント第5章 前編

第5章前編:プロダクトプレイスメントの手法による効果の違い~調査内容~

第4章のアンケート結果から、マンガアプリで頻繫に用いられるWEB広告よりもプロダクトプレイスメントの方が読者に対して受けが良いということが分かった。

今回は、さらに読者目線でプロダクトプレイスメントのフィージビリティスタディを行う。

プロダクトプレイスメントと一口に言っても、その手法は一様ではない。
主人公が商品を使用したり、その商品について感想を述べていたり、背景看板にブランドロゴが表示されていたり…

第3章後半でマンガにおけるプロダクトプレイスメントの事例について調査したが、マンガにおけるプロダクトプレイスメントの手法は次の4つに分類することができる。

① 小道具:実際の製品を小道具として作中に登場させる

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② 背景:背景看板などに企業ロゴ等をプレイスメントする

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③ 場面:舞台や場面として実際の店舗等を使用する

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④ セリフ:セリフの中に企業や製品の名称・感想を入れる

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これら4つの手法の中で、より効果的なものはどれか?効果に差があるのか?
これが明らかになれば、いざプロダクトプレイスメントを実践する際に役に立つだろう。

というわけで、さっそく第2のアンケート調査を行ってみた。

本調査を実施するにあたり、1話完結の新規のマンガを制作した。そして、プロダクトプレイスメントの手法ごとに計4種類のマンガを準備した。なお、各マンガにはプロダクトプレイスメントの手法は1つだけしか使用しておらず、各マンガともストーリーやコマ割りは同一である。

また、プロダクトプレイスメントを行うに際しては、なるべく自然で違和感を与えないように配慮している。

本マンガでは、プレイスメントするブランドの認知の差が結果に影響しないよう、日本では全国的に著名なスポーツ用品メーカーであるミズノのブランドロゴ、製品、店舗及び名称をプレイスメントしている 。

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本調査は、マンガアプリ利用者が多い10代から40代を対象にしている 。プロダクトプレイスメントの手法ごとにアンケートを作成しており、

小道具のアンケートの回答者:108名
背景のアンケートの回答者 :112名
場面のアンケートの回答者 :108名
セリフのアンケートの回答者:110名

合計で438名の方にご回答いただいた。

なお、各アンケートで回答者が重複しないようにスクリーニングをかけている。

回答者には、まず準備したマンガを読んでもらったうえで、質問に回答してもらった。

質問の内容は次のとおりである。

Q1ブランド想起:あなたが知っているスポーツブランドまたはスポーツ用品メーカーをすべて教えてください。(記述式)

Q2気づきやすさ:この漫画の中に実在する商品ないしブランドが描かれていたことに気づきましたか?

Q3阻害度:Q2で「気づいた」と回答した方に伺います。
実在するスポーツ用品メーカーの商品やロゴマーク等が作中に描かれたことによって、漫画を読む気持ちにどのような影響がありましたか?

Q4自然さ:Q2で「気づいた」と回答した方に伺います。
この漫画における実在するスポーツ用品メーカーの商品やロゴマーク等の登場の仕方について、どのように感じましたか?

Q5興味:Q2で「気づいた」と回答した方に伺います。
この漫画を読んで、作中に登場したスポーツ用品メーカー及びブランドまたは商品(シューズやウェア)にどのくらい興味を持ちましたか?

Q6印象:漫画を読む上で、あなたはプロダクトプレイスメントについてどのように思いますか?(自由記述)

今回の記事で分析結果まで見せた方がビュー数は伸びるって?

だが、断る

To be continued…

→第5章後編

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