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色覚多様性わくわくタイムズ

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色覚異常というバンドのメンバーが10年に3回ほど更新する共有ブログです。
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#私小説

20200301 無題

 先日、今年の初詣をようやっと済ませた。僕の住む街には中々に大きな天満宮が山の上に建立さ…

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20200219 シガレット・ホメオパシー

 紙巻煙草というものが禁葷食の一部に属していたとして、それのどこが可笑しいのか。それらは…

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20200205 冬将軍到来!

 夜半、ニュース番組の芸能コーナーで、冬将軍が東経135度の極東へ来訪したと報道されていた…

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20200204 ロマプロ

 今日の就業中にふと思い出したことがある。  それは、小学校低学年時代の僕が詩人であった…

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20200201 キタクヴ・アーベント

 高等学校という学び舎には、青春の爽やかな香りが漂っていた。  泥塗れになりながら白球を…

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20200131 お婆と僕は堤防で

 ここ最近、僕は通勤途中に決まったお婆と擦れ違う。それも、“必ず”が過言ではない頻度で。…

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20200129 大寒の候

 嘆かわしいことに、僕は地軸気取りの人畜有害・ペダンティック・ペデストリアンである。  気の合わない誰それらについて、 「彼奴らは木偶の坊削り出しの木端人間だ! くそ煮込み愚鈍だ! キェェイ! 往来のロマンチカ共に粛清を喰らわしてやる!」  と、謗ったり、負け惜しんだりに興じることでしか愉悦(に自嘲気味な悲愴を伴っている)に浸り得ない。お労しや。  僕という矮小の蘊奥にて仁王立つ陶酔団亀成年は、余所者を貶めることを唯一の手段にして、凡夫と一線を画す存在であろうと思い込みたいの

20200126 レンタルビデオショップ奮戦記 その弐

 時は戦国末期。  天下布武の旗印が、野望完遂を目と鼻の先にしながらも、衆道愛しの蘭丸を…

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20200125 無題

 くたばり損ないのお膝元へと、またしても休日が巡って来やがった。どうしてこうも性懲りもな…

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20200125 レンタルビデオショップ奮戦記

 これはそう、巨大なる桃を子宮代わりにしていたという珍妙奇天烈な誕生秘話を持つ正義の使者…

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20200124 無題

 いやはや、僕は驚愕している。顎関節が外れてしまって閉口ままならんのだ。収益と見合わない…

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20200122 安部公房ちゃんは難解が過ぎる

 僕が益荒男の風上にも置けないような、へなちょこ・ナラティブ・クライベイビーに成り腐って…

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20200118 初恋とカフェイン

 初恋というものを思い返すと、ぐにゅぐにゅとした不定形の感情が踊り始める。僕にとってのそ…

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20200120 無題

 一昨日に新年会があった。焼き鳥と少々のお酒を慈しんだ。そこで色々の経緯を経て、僕は「文化消耗者」という栄誉ある称号を得た。紫綬勲章やオスカー像を送られた有象無象とは段違いだ。唯一無二の称号を恣にして、消費社会の中での優位から人々を見上げていこうと思う。これからは僕のスーツの左胸に誇らしく勲章を飾り着けておこう。そして、今も文化の消耗をしながらこれを認めている。  粗雑な街にいる客はどれも粗雑だった。入店と同時に、「ここは焼き鳥か? 焼き鳥?」と尋ね続けた客がいて、後に酩酊し