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【美容室経営ノウハウ】美容室経営において、社員に認知させたい『お金』について【後編】

こんにちは。「マノ経営大学」講師の杉田 誠です。このnoteでは、美容室経営のノウハウやヒントをお届けしていきます。美容室経営に悩む、経営者の皆さんの助けになれば嬉しいです。

今回も、前回に引き続き「美容室経営において、社員に認知させたい『お金』について」がテーマです。経営において、社員に「知っておいてほしい」お金についてまとめました。

①サロンが儲かっているかについて
②何にいくら掛かっているか
③利益計画(売上目標)はどこから来るのか
④給与体系について
⑤会社の財務体質について
⑥お金の使い方について

後編の今回は、④〜⑥の内容を解説します。
※①〜③についてご紹介している【前編】はこちらから。


それでは、1つずつ見ていきましょう。

④給与体系について

これはまさしく社員にとって一番興味のあるところですよね。

ここで大切なのは、利益を圧迫するような好待遇を打ち出すことではありません。経営者が決めた給与体系についての妥当性や根拠を示すことが大切です。

それとともに「人件費は目的」だという方針を強く打ち出すことが重要です。
「〇〇費」と聞くと、なんだかカットした方が良いようなイメージをもちます。しかし、人件費に関してはあくまでも「目的」だと理解してもらえれば、その「人件費」を多くするためにはどうしていこうかという話ができます。

こちらはMaNOの「経営計画書」に記載されている内容です。

ここでは、全体会議などでよく使われる用語を定義しています。
社員とひとつの言葉について同じイメージを持っておくために提示しています。よく使われる言葉や用語のイメージが違ってしまうと、そもそも話したい事が180度逆の方向に捉えられてしまうことがあるためです。

・給与体系について明確にしておくこと
・よく使う用語を社内で定義しておくこと

これらをまとめておくと、社員にお金まわりの理解をしてもらいやすくなるので便利です。


⑤会社の財務体質について

会社の財務体質の話を社員にする理由は、自分(社員)が乗っている船(会社)がどんな船なのか?を知ってもらうことです。

木でできた「イカダ」なのか?鉄でできた「大型船」なのか?もちろん船に良いか悪いかはありませんが、どちらが頑丈かは想像できるはずです。

頑丈な船の中にいるほうが、人は大きな挑戦もできます。チャンスが多いということです。自分たちが本業を頑張っていくと、船が「イカダ」から「豪華客船」になるというイメージを持ってもらうのが最大の狙いです。

これは、MaNOの「経営計画書」で【経営姿勢】について書かれたページです。

①「人を大切にする経営」
②「年輪経営」
③「理念経営」
④「BS経営」

この4つの【経営姿勢】を貫くには、「会社の懐事情」が大きく関係してきます。つまり、会社の懐事情を厚くしないと、経営者がやりたい経営ができないということです。

そういった意味で、「短期的にどれくらい儲かっているか」よりも「どれくらい借金を減らして現金を蓄えているか」が大切な指標なのです。

例えば個人レベルでも同じ事が言えると思います。

A.年収1000万で、そのほとんどのお金を使っている家庭
B.年収500万で、毎年1割は貯金に回している家庭

この2つの家庭で、20年後に子供のチャレンジのために使えるお金を比較すると、

A.0円
B.1000万円

となります。(少し極端な例ではありますがこのような状況は十分にあり得ます)

ここで僕がお伝えしたいのは、「AとBで貯金の差が1000万もあるんです。だから一生懸命貯金しましょう!」ということではなく、「子供のチャレンジにはお金が必要であり、そのチャレンジが頓挫してもびくともしない状況(懐事情)を作っておくことが大切。そうしないと子供は伸び伸びチャレンジできないのです!」ということです。


--- ここでちょっと脱線 ---

こうして会社の財務体質(懐事情)のことを考えていると、実はお金の問題だけでなく、サロンの活性化や社員のやりがいというところにつながってくるのです。「社員がやる気を出してくれない…」という経営者の嘆きは、時代や業種関係なくいつでもありますよね。

ここの根本に対する唯一の解決は、会社の財務体質を良くしていくということに尽きると僕は考えています。社員の気持ちは経営者自身には操作できませんが、会社の財務体質は経営者の意思で操作できます。

そりゃそうですよね、経営者も人間です。現金残高が50万円の時と、1億円の時とで経営判断が同じはずがありません。大袈裟ではありますが、1億円があるのであれば多少の失敗も笑っていられます。
ところが50万円の状況での失敗は引きずってしまいます。経営者のお金まわりの少しのゆとりが、社員に必ず伝わります。

「夢を語りたければ、同時に財務体質を良くしろ」と、僕も自分に言い聞かせています。


⑥お金の使い方について

会社のお金(=利益)がどこにどれくらい使われるかも、社員にとっては気になるところです。

経営者からすると「余計なお金など一切使っていないよ!」と思うかも知れませんが、社員は経営者になったことがないので、お店を運営するのにどれくらいのお金が掛かるのかを知らないのが当然です。

知らせなくても良いことも多々あることは事実だと思いますが、②「何にいくら掛かっているか」でもご説明した通り、これからの時代は経営情報をフルオープンにした「説明経営」が必要になってくると思います。

MaNOでは、経営計画書の中で「決算賞与」と「理想的経費バランス」を明確にしています。こうして、お金の使い方や、事業を行う上で掛かるお金を見えるようにしておくと、社員の「ナチュラルな経営者視点」を育てられるというメリットがあります。

また、経営情報をフルオープンにすることにより、余計な憶測を立てさせずに本業に集中してもらうという利点もあります。


まとめ

今回は、社員に認知させたい『お金』6項目をご紹介しました。

①サロンが儲かっているかについて
②何にいくら掛かっているか
③利益計画(売上目標)はどこから来るのか
④給与体系について
⑤会社の財務体質について
⑥お金の使い方について

ぜひ、気になるポイントから今後の経営に取り入れてみてくださいね。



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