【美容室経営ノウハウ】美容室経営において、社員に認知させたい『お金』について【前編】
こんにちは。「マノ経営大学」講師の杉田 誠です。
このnoteでは、美容室経営のノウハウやヒントをお届けしていきます。美容室経営に悩む、経営者の皆さんの助けになれば嬉しいです。
今回は「美容室経営において、社員に認知させたい『お金』について」がテーマです。経営において、社員に「知っておいてほしい」お金についてまとめました。
店舗経営において、社員全員が同じ方法を向いて取り組むことが大切ですよね。僕のサロン「MaNO」では、下記6つの内容を社員に伝えて、お金の考え方の方向性を示しています。
今回は、①〜③の内容を解説します。
※④〜⑥についてご紹介している【後編】はこちらから。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
①サロンが儲かっているかについて
美容師でサロン全体の収益性を気にしている人は、経営者と幹部くらいじゃないでしょうか?プレイヤーとして一番興味があるのは、まさしく「個人売上」です。これは良い悪いではなく、どんな給与システムを採用しているかで興味の対象が変わります。
では、なぜ社員があまり興味がないはずの「サロン全体の業績」を経営者は示した方が良いのでしょうか?
答えは、「みんなの給与」や「福利厚生(環境づくり)」や「賞与」の原資となるものだからです。そしてそれらの妥当性を説明するときに「サロンの収益性」を前提として話す事ができると、社員の納得感が違います。
簡単に言うと、「業績が良くなると自分の乗っている船が強くなり、豪華客船になっていく」というイメージを持ってもらうためです。
当然、乗っている船が強ければ社員が成長する環境も整えられます。安全性も増します。できることも多くなります。
したがって、社員が自分の会社の収益状態を把握するのは当然だと考えています。そのために必要な情報開示になるわけです。
②何にいくら掛かっているか
MaNOでは、大きな固定費を「組織に属する者として知っておいた方が良い情報」として、全社員に公開しています。家賃 / 広告宣伝費 / 材料費 / 社会保険料などがそれに当たります。
社員がお店のことを考えてくれないのではなく、お店のことを考えてくれる最低限の情報がオープンになっていないこと、美容室経営にまつわる情報開示の少ないこと。
これらがあるために、社員が「自分ごと」としてお金のことを考えることができず、無関心を作っていると反省しました。
そのため、最低でも大きな固定費となる部分は開示しておくことがおすすめです。
こちらは、MaNOの「経営計画書」にまとめられている「理想的経費バランス表」です。
このように、自サロンの経費指標を経営者がはっきりと示しておけば、それぞれの役割を担う係の人間が仕事をしやすくなります。
お店への関心度=情報開示の量といっても間違いではないと思います。
③利益計画(目標売上)はどこから来るのか?
MaNOでは年間の数字目標を「売上」ではなく「利益」にしています。
そのため「年間売上計画」ではなく、「年間利益計画」を毎年設定しています。なぜなら未来をつくるものは「売上ではなく利益」だからです。
売上計画→「売上を上げるにはどうしたら良いか」という1要素のみ
利益計画→「最小の経費で最大の売上を生むにはどうしたら良いか」という2要素
同じ数字を追うにも、どこの数字を追うかによってプロセスが変わってきます。では、利益計画はどう決まるのか順を追って説明していきます。
まず、数字の目標を「前年比○%up」という考え方はしません。
なぜなら、過去の延長上に必ずしも”良い未来”があるとは限らないためです。
目標設定すべき数字は、未来からの逆算です。つまり、「中期5ヶ年計画からの逆算」になります。
※季節変動を数字に取り入れるには「季節指数」の使用がおすすめです!
季節指数=(その月の)単月売上÷(その年の)年間売上
例えば、1月売上が100万でその年の年間売上が1000万だとすると
100万÷1000万=0.1
「0.1」が1月の「季節指数」になります。
この場合だと、1月の利益計画は、350万×0.1=35万円 になります。
直近2年分くらいを出せば、大体の季節変動は掴めると思います。
まとめ
今回は、社員に認知させたい『お金』6項目のうち、以下3項目をご紹介しました。
後編では、④〜⑥についてご紹介します。お楽しみに!
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