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サロン内のポジショニングを考える 〜その1〜

こんにちは。「マノ経営大学」学長の杉田 誠です。このnoteでは、美容室経営のノウハウやヒントをお届けしていきます。美容室経営に悩む、経営者の皆さんの助けになれば嬉しいです。

今回のテーマは「サロン内でのポジショニング」についてです。
美容室経営において、スタッフの教育や関わり方、役割の与え方に悩む方は少なくないのでしょうか。


スタッフの「ポジショニング」とは何か?

美容室スタッフが並んでいる写真

ポジショニングとは相対価値のことです。相対価値とは、ライバルがどうかによってあなたの価値が決まるということ。
つまり、ポジショニングを考えるということは「ライバルとの差別化を考える」ということになるんです。 

そして、今日のテーマはここから。このポジショニングをサロンの中でも使ってみる!という応用編です。

なぜMaNOではサロンの中でもポジショニングを使い、スタイリストのポジションを考え尽くすのか?理由はまた後でお伝えしていきますが、人を導くという意味での”教育”につながるためです。

より具体的に解説する為に、今回は僕のお店「Lmano(エルマノ)」をモデルケースにして考えていきます。


✂︎ Lmano(エルマノ)の紹介


【サロン情報】
・東京都調布市仙川町 京王線「仙川駅」から徒歩6分の住宅地
・目の前に大型スーパー
・1階路面店
・30坪 セット面9席 シャンプー台4台

【スタッフ数】
・スタイリスト 5名
・アシスタント 3名

【Lmanoのポジショニング】
・「地域密着であり長く通ってもらえるサロン」
・「品質は高く、価格も(商圏の中で)比較的高いサロン」
・「顧客の美意識が普通~高めで、それに応えられる技術力を持っているサロン」

スタイリストの詳細

これから、「サロン内でのポジショニング」の実例をご紹介します。その前に、ポジショニングをする2つの目的について解説します。


サロン内でポジショニングをする2つの目的とは

Lmanoスタッフの写真

目的❶ お客様が選びやすく、美容師も選ばれやすくするため

 スタイリストはお店の商品になります。お客様から見たときに似ているような商品が多いと単純に選びにくく、最終的に「どれも選ばない」という選択をしてしまいます。

食料品で考えると、「これは米なのかパンなのか」という情報をわかりやすくしておく必要があります。(米かパンかは見ればわかりますが)

お店としても「米ばかり」「パンばかり」という品揃えをしないほうが、地域密着型のLmanoのお客様には選ばれやすくなると考えています。

💡 ちょっと補足
ちなみに、商圏が大きいエリアのサロンでは「米専門店」「パン専門店」といういわゆる「特化型」が成立すると思います。
Lmanoは地域密着の商圏なので「米」も「パン」も「麺」も売っていますが、全ての品質が比較的”高い”ものを品揃えするという方向性です。

Lmanoというサロン自体には明確なターゲット像は存在せず、「美に対する価値観」という部分がターゲットの共通項になってきます。

お客様は、常に今の自分にとってベストな選択をしたいものです。ある程度スタイリスト歴があれば、当然全てに対して一定の技術を持っていることは確かです。

しかし、ここではあえて「すみ分け」をすることでお客様からも選びやすくなり、美容師も選ばれやすくなります。

目的❷”美容師”としてだけでなく”人”としての「強み」「特徴」を理解させ、サロンを運営(経営)する中での”役割”を生み出し、「居場所」「やりがい」をデザインするため

美容師としての評価は、お客様からの指名数(売上)という数字になります。ここは数字という”定量”の部分の評価になります。

ただし、サロン(会社)という組織は○や△や□や×などの色々な要素で成り立っています。ここではスタッフの”人としての強み”や”性格”が大きく役立ちます。

サロンを運営(経営)する中では大小様々な役割があります。”材料の発注””アスクルの発注”から”掃除”、”原価管理”や”撮影”、”アシスタント教育”や”ホットペッパーの管理”など…たくさんあります。

お分かりの通り、これらの役割には適役か否かということがあります。凸と凹をどう組み合わせていくと最大値が出るかを考えるのもマネジメントの一つです。

ちなみに私は性格があまり細やかではないので、”原価管理”や何かを細かく管理していくのには向いていません。逆に言えば、大まかな流れや方向を、バランスをとりながら決めていくことは比較的得意な方だと思っています。

このように、”人”という最大のサロン資産(経営リソース)をどう活かすかもマネジメントで大きく変わります。


目的❷の視点は、どちらかというと”母性”をベースとした考え方です。”母性”という大きな器でスタッフの「やりがい」や「居場所」をデザインするのです。人は誰でも「ここにいて良いんだよ」という場所でないと安心できないものですから。
※教育には「母性」と「父性」が必要だと考えています。

つまり、〇〇さんといえば△△だよね!というなんとなくの代名詞をつけて”フレーム”で囲ってあげると、いわゆる「自己肯定感」が芽生えやすくなるように感じます。

※フレームをつけることを杉田は勝手に「フレーミング」と名付けていますが、学問的にあっているかはわかりません。写真や絵もフレームをつけてあげると、急に見た目が豪華になり見え方が変わります。そういう意味で”ヒト”も同じかなと考えています。


まとめ

ポジショニングを考える人の写真

今回は、以下の内容についてご紹介しました。
・スタッフの「ポジショニング」とは何か?
・サロン内でポジショニングをする2つの目的とは

次回は、Lmanoのスタッフをポジショニングした実例をご紹介します。お楽しみに!


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