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サロン内のポジショニングを考える 〜その3〜

こんにちは。「マノ経営大学」学長の杉田 誠です。今回は「サロン内でのポジショニング」の第3回目です。これまで、以下についてご紹介しました。

・スタッフの「ポジショニング」とは何か?
・サロン内でポジショニングをする2つの目的
・スタッフのサロンの中でのポジショニング実例

前回のおさらいはこちら>>


引き続き、今回もLmano(エルマノ)スタッフのサロンの中でのポジショニングを説明していきます。


Iさん(スタイリスト歴8年/2児の母)

Iさんの写真

👩 Iさんのプロフィール
・MaNO初代ママ美容師
・1日6時間のサロンワーク
・今後メイクを学び”メイクの要素”をMaNOに入れていく予定
・通勤時間1.5h
・4歳と2歳のママ
・パワーありすぎ
・お酒強い
・失敗に対しての向き合い方が誰よりもプロ

❶の目的(視点)からみたIさんのポジショニング

Lmanoのお客様のボリュームゾーンである「仙川地域のママ」の価値観にもっとも近いスタイリスト。Iさんは「存在」がウリであり、その「存在」に会いに来るというタイプの美容師です。

「仙川地域のママ」にとって、Iさんへの入口は”ママ美容師”で、共感の共通項の多さですが、入って来てしまえばIさんの「存在」に魅了され、会いに来るお客様がたくさんいるという印象です。

「存在」は抽象的であり、ウリにしてはふわふわして見えますが、最もロイヤリティ(ファン化)が高くなる要素です。

❷の目的(視点)からのIさんのフレーミング

「ママになってもMaNOで安心して働けるというロールモデルを作った」「一つ一つのことに対して真摯に取り組む姿勢は、周囲に対して自然と良い影響を与える」
「常に自分事として問題を捉えることができる」

Iさんは2015年にMaNO初のママ美容師として職場復帰しました。会社としても、本人も初めてでしたので手探りな状況でしたが、Iさんがとても前向きで、楽しそうに仕事をしてくれた(もちろん大変なことはたくさんあったと思いますが)ので、後輩たちにとっても将来をイメージできるようになったと思います。

Iさんの場合は「ママ美容師」ですが、ロールモデルは多ければ多いほど良いと感じています。

決してこれは型に当てはめるということではありません。人は前例があると安心しますが前例がないと不安になることが多く、スタッフが安心を感じるのは、「制度の有無」ではなく「実在する先輩の姿」だと考えるからです。



Sさん(スタイリスト歴5年目)

Sさんの写真

👨 Sさんのプロフィール
・撮影チームのリーダー
・ショート/ショートボブを集客の入口に設定
・全店で唯一”着付け”ができる「着付けリスト」
・材料の原価管理リーダー
・4年前からコツコツ着付けの教室に通い、サロンの中でのブルーオーシャンを見つける(未来に向ける時間の確保ができる)
・カットを筆頭に”テクニカルレベル”はトップクラス
・仕事が丁寧でしなやか
・仕事に波がなく、責任感が強いので任せやすい

❶の目的(視点)からみたSさんのポジショニング

「ショート/ショートボブ」「着付けリスト」

💭 なぜ「ショート/ショートボブ」なのか?
→デビュー当初からショートボブのお客様のリピートが多かったから(お客様の動向には必ず理由がある)
→お客様視点で見たときに、「ショートやショートボブ」にする時は「いつも以上に美容師を選ぶ傾向にある」と感じたから

着付けに関しては、4年前から本人の希望で習い始めたのがきっかけですが、サロンの中では誰もできないので「超ブルーオーシャン」です。
自ら空いているポジションを探し、そこをとりに行くことも非常に重要です。(あくまでもお客様のニーズや困りごとを解決するものであればですが)



Kくん(店長)

Kくんの写真

👨 Kくんのプロフィール
・Lmano店長4年目(会社幹部)
・スタイリストの売上を上げるマネジメントが得意
・「コムロの100万デビューサポート」により、過去に3人の100万デビュースタイリストを輩出している
・ここ5年で一番成長した人
・パーマリストとしてパーマをウリにしている(apishパーマアカデミーに通った)
・面倒臭い地道な教育ができる
・カッコつけるの好き
・心配性

Kくんの会社幹部(店長)としてのポジショニング

Kくんは一言で言うと「教育」が得意です。ヒトの成長がサロンの成長に直結する美容業では「教育」は必須です。そういう意味では”市場価値が非常に高い人材”です。

Kくんが市場価値が高いワケ。

時代の流れが早くなっているという背景もあり、世の中には人を「じっくり育てる」余裕がなくなっています。その結果、どの会社も即戦力を求めようになりました。そうすると、じっくり人を育てるという機会が少なくなり、そういった上司(教育者)自体が減ってくるのです。

正直、人を育て成果を出させるまで導いていくのは手間がかかり面倒なものです。ですので、そこに向き合える人材は美容業界のみならず”市場価値”が高くなるのは当然です。市場価値が高くなれば年収も上がります。

自分の売上が100万だとしても、100万スタイリストを10人育てられれば、売上で言えば1000万です。もちろん、残る利益でいえば差はありますが、”組織の活性化”という副産物がもれなくついてきます。

また「教育」の中でも、Kくんの得意な教育は”スタイリストの売上を上げる教育”です。Kくん独自のノウハウによってスタイリストの売上を伸ばしています。
実績をまとめて体系化しているため、社内に「スタイリストの教育機関」を一つ持っているようなイメージです。

会社の幹部(店長)といってもオールマイティである必要はありません。店長などの役職に就くと、”店長の役割”を意識するあまり、その人本来の持ち味が半減してしまうようなことも美容室のあるあるだと思います。(多分、一般企業でも同じことが言えます)

店長にもいろいろなタイプがいます。そのタイプを経営者が理解しておく必要があります。そうする事で、店長は自分のストロングポイントを活かしたリーダーシップをとってくれるようになるのです。

「役割」に「ヒト」をつけるのではなくて、「ヒト」に「役割」をつけていくことで思い切ったリーダーシップを発揮しやすくなり、「業績」に直結しやすくなると考えています。つまり、〈リーダーのポジショニング〉は”お金”に直結する。ということです。



まとめ

スタイリストとお客様の写真

美容室の商品は「人」なので、「人」への再投資は未来を作る”未来費用”として必要です。

骨董品屋さんの店主は店の商品が綺麗に見えるように”商品を磨く”ことをするように、美容室でも全く同じことが言えます。

商品によって「磨き方」が違うのと同じように、人によって「磨き方」は変わります。「磨き方」を間違えるとにごりますが、「良いタイミングで良い磨き方」をすれば想像を超えるほどに輝きます。

そもそも、「人への再投資」や「人をポジショニングする」という発想は方法論にすぎませんが、それがどういった考え方からくるものなのか?ということを社員に示す事で、より社員の納得感も深まります。

「人を大切にする経営」という経営姿勢が、人を磨くための方法論である「人への再投資」や「人をポジショニングする」という発想に繋がっています。

ぜひ、みなさんも今回の記事を参考に、サロン内でのポジショニング設定にトライしてみてくださいね!


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