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#あの選択をしたから
小説(SS) 「挨拶代わりの一発」@毎週ショートショートnote #イライラする挨拶代わり
お題// イライラする挨拶代わり
一発ギャグをやることになってしまいました。
夏の終わり、ようやく新人研修を終えた私たちを待っていたのは社員旅行でありました。温泉旅館の大宴会場を貸し切り、私はるんるんとお酒を飲み、ほかの社員がどんな宴会芸をするのかと、他人事のように楽しみにしておりました。
しかしながら、そのトップバッターを務めるはずだった新入社員が、直前になってお腹を壊して出られなく
小説(SS) 「国宝級のアプローチ」@毎週ショートショートnote #鳥獣戯画ノリ
お題// 鳥獣戯画ノリ
「お前がカエルやれよ」
「やだよ。おれはウサギやりたいよ。お前がカエルやれっての」
「秋山先輩と話すきっかけを作りたいって、お前が言うから手伝おうってんだぞ」
「わ、わかったよ。じゃあ、カエルやるよ……」
拓実は、しぶしぶカエルをやることになった。この学校には、国宝級の美女がいるのだ。秋山先輩はその長い黒髪で、校内ならず他県に住まう男子たちをも魅了するほどの恐る
小説(SS) 「老人の海」@毎週ショートショートnote #告白水平線
お題// 告白水平線
私が馬鹿でした。とても反省しています。
ですからお願いです、お情けの一滴を、黄金色にきらめくウイスキーのお恵みを、ほんのちょっとでいいので、喉に垂らしてくれませんか。
六〇歳にもなって、こんなことを天に乞うなんてみっともない行為であり、恥の極みであると重々に承知しております。しかし私はもう、ウイスキーなくしてこの挑戦を続けることができないのです。
肌を灼くよう
小説(SS) 「未来断捨離」@毎週ショートショートnote #未来断捨離
お題// 未来断捨離
「私は、私が何者かを知りたいんです」
「視えました。なにも案ずることはありませんよ。あなたはこの先、未来断捨離をするでしょう。それにより、あなたの本当の姿が暴き出されるのです」
「……未来断捨離?」
「あなたがそう名付けるのです。私から、それ以上のことは」
街角の占い師にそう言われ、わたしはふわふわとした気分で帰宅した。シャワーを浴びながら、少し考えてみたりも