マノ・イチカ@週1で小説投稿

ショートショート系の小説書いてます。読んでってください! ギャグやSFっぽい話が多いで…

マノ・イチカ@週1で小説投稿

ショートショート系の小説書いてます。読んでってください! ギャグやSFっぽい話が多いです。 #マノのおと

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最近の記事

本日は文学フリマ東京に向けた準備のため、ショートショート投稿はお休みします〜。

    • 小説(SS) 「薬」@毎週ショートショートnote #アメリカ製保健室

      お題// アメリカ製保健室    桜庭シンは、お茶ばかり飲む少年だった。  幼少期に、炭酸飲料は体に悪いから、骨が溶けるからと両親に教わって以来、ファミリーレストランのドリンクバーでもウーロン茶以外を手にとることがなかった。  だから彼は、保健室の先生が「この薬でも飲んでゆっくりしなさい」と言いながら渡してきたソレに驚きを隠せなかった。  セブンティーンアップ。レモンとライムの風味が香る果汁ゼロパーセントの炭酸飲料だった。  どういうことだ。シンはただただ混乱した。  聖グ

      • 小説(SS) 「ドローンの課長」@毎週ショートショートnote #ドローンの課長

        お題// ドローンの課長     課長はいつも、ハエのように飛び回っている。  小うるさいプロペラ音を響かせ、この大型倉庫で入庫作業をしているわたしたちの頭上を一日に何度も通過するのである。  こちらの仕事ぶりを監視するために、遠隔地からドローンを操作しているらしいのだが、わたしたちにとっては邪魔以外のなにものでもない。  どうせ課長はドローンの向こうで寝っ転がったりお菓子をぽりぽり食べているのだろう。だが現場にいるわたしたちはそうはいかない。荷卸や入庫伝票の照合のほか、検

        • 小説(SS) 「会員制の粉雪」@毎週ショートショートnote #会員制の粉雪

          お題// 会員制の粉雪    その会員制サウナには、今日もたくさんのお客が集まっていた。  体験入店にきていた宇那礼二は、店員の退屈きわまりない説明を聞き流すと、すぐに服を脱ぎ捨ててサウナ室へと繰り出した。  五分とたたないうちに、全身から汗が吹き出してくる。頭にのしかかっていたモヤモヤも、外からの熱に意識が向いていくことで、不思議となくなっていく。エネルギーの高まり。礼二は、ここだというタイミングまで粘り続け、最高の状態でサウナ室を出た。  そこから繋がっていたのは、天井

        本日は文学フリマ東京に向けた準備のため、ショートショート投稿はお休みします〜。

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        • 毎週ショートショートnote
          66本
        • 短編小説
          9本

        記事

          小説(SS) 「夜光おみくじ」@毎週ショートショートnote #夜光おみくじ

          お題// 夜光おみくじ    新年、明けましておめでとうございます。  ということで早速、初詣にやってまいりました!  ここ夜光神社では、一風変わったおみくじを引くことができるようです。どのようなものか、神主さんにうかがってみましょう! 「この夜光神社には、山で遭難した旅人がホタルの光に導かれたことで人里に無事たどり着けたという言い伝えが残されています。その光は、龍のように一筋に伸びたとされていることから、それを模したハイテクノロジーおみくじを取り入れています」  あり

          小説(SS) 「夜光おみくじ」@毎週ショートショートnote #夜光おみくじ

          本年もありがとうございました〜! 毎週ショートショートnoteを書いたり、脚本家教室通ったり、文フリに遊びに行ったり、プライベートでも引越しや結婚式、ハネムーンとイベントだらけの一年でした。来年は、自分の得意と場所を探して発展させてく年にしたいですー

          本年もありがとうございました〜! 毎週ショートショートnoteを書いたり、脚本家教室通ったり、文フリに遊びに行ったり、プライベートでも引越しや結婚式、ハネムーンとイベントだらけの一年でした。来年は、自分の得意と場所を探して発展させてく年にしたいですー

          小説(SS) 「これぞ日本のクリスマス」@毎週ショートショートnote #ルールを知らないオーナメント

          お題// ルールを知らないオーナメント    ハッピークリスマス。また地獄の福音の鐘が鳴らされる時がきた。毎年ジャパンの歌舞伎町では、ブラックサンタクロース忍者が笑顔で寿司をもみもみといつまでも握っている。それは、挨拶代わりの星型クリスマスオーナメント手裏剣をかわした者にしか手にできないクローズチケットが必要になる。幸いにも血を流さずに済んだマイケルは、ルールを知らぬままクリアした。歌舞伎町の夜には、寿司が飛び交っているが、ワサビもまたそれなりに飛び散っている。これは外国人

          小説(SS) 「これぞ日本のクリスマス」@毎週ショートショートnote #ルールを知らないオーナメント

          小説(SS) 「一千年前の旅」@毎週ショートショートnote #白骨化スマホ

          お題// 白骨化スマホ    旅の途中、人だかりができている遺跡があった。  近づいてみると、野次馬たちがざわざわと噂話をしている。どうやら、推定一千年前のものとされる遺跡から珍しいものが出土したらしい。いわく、棺の中から白骨化した死体とともに、スマホが副葬品として見つかったというのだ。  この世界において、スマホは別世界から転移してきた冒険者たちのみが持つ特別なものとして知られている。信じられないことであったが、つまりは、一千年前にも転移者がいた、ということになる。  

          小説(SS) 「一千年前の旅」@毎週ショートショートnote #白骨化スマホ

          小説(SS) 「助手席の天使」@毎週ショートショートnote #助手席の異世界転生

          お題// 助手席の異世界転生    二つの世界の秩序を守るため、私たち天使には、とても重要な役割が与えられています。  それは、混沌とする異世界に光をもたらす英雄をこの世界から送り込むことです。つまりは、特殊なトラックを使って人を適度に轢いていくのです。  轢かれた人は、異世界で特殊な力を手にして転生するので、たいてい喜んでいます。特にここ日本では異世界願望が抜きん出て強いので、絶好の市場として天使たちの間で知られているくらいです。  もちろん私たち天使が自分でトラックを運

          小説(SS) 「助手席の天使」@毎週ショートショートnote #助手席の異世界転生

          小説(SS) 「僕のゲーム機」@毎週ショートショートnote #着の身着のままゲーム機

          お題// 着の身着のままゲーム機    ゲームのセーブを終え、ヘッドホンを取ったときにようやく異変に気付いた。  我が家の一階が火事になっている。少し前から臭いがおかしいと思っていたが、おばあちゃんが料理を焦がしたのだろうと思っていた。  しかし部屋から降りようとしたときには、すでに火の手がそこへ迫っていた。煙で階段も見えなくなっている。ここからは逃げられないと思い、部屋に戻って窓を開けた。家の外に人だかりができている。道端の人がこちらに気付き、なにかを叫んでいるようだった

          小説(SS) 「僕のゲーム機」@毎週ショートショートnote #着の身着のままゲーム機

          今週は風邪でダウン中なので、ショートショートはお休みします〜

          今週は風邪でダウン中なので、ショートショートはお休みします〜

          小説(SS) 「戦国時代の片田舎」@毎週ショートショートnote #戦国時代の自動操縦

          お題// 戦国時代の自動操縦    有力な武将たちによる合戦とは、無縁だった。  この片田舎には、のんびりと田や畑を耕している百性たちが住むだけで、大きな争いもない。  だが、小領主に仕える新右衛門は、主の居室から放出されている異臭に悩まされていた。主がずっと掃除をしないのである。普通なら女中にやらせればいい話だが、主は人を部屋に入れることをよしとせず、誰かがその一室に近づけば、必要以上の剣幕で叱責する始末だった。みなが臭いを気にしつつも、誰も止めることができなかった。  

          小説(SS) 「戦国時代の片田舎」@毎週ショートショートnote #戦国時代の自動操縦

          小説(SS) 「おにぎり」@毎週ショートショートnote #ごはん杖

          お題// ごはん杖    その老爺は、おにぎりを食っていた。  武士のなりをした男たち十人が、刀に手をかけて取り囲んでいるにもかかわらず、である。  ふっかけたのは、男たちの方だった。道の真ん中で食うな、という一方的な言いがかりだった。  しかし、みなが動けずにいた。斬りかかれないのである。老爺は杖をついたまま、悠々と食い続けているだけだ。だがその所作には、武の熟練を思わせるものがあった。 「貴様、この状況でおにぎりを食い続けるとは、我らを愚弄しているのか!」  その刹

          小説(SS) 「おにぎり」@毎週ショートショートnote #ごはん杖

          文学フリマ東京にきてます。 はじめてですが、楽しいです。

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          小説(SS) 「出張暗殺サービス」@毎週ショートショートnote #親切な暗殺

          お題// 親切な暗殺    そのサービスの見出しを目にしたときは、自分の眼精疲労を疑った。老眼というのもある。しかし、何度よく見ても、やはり書いてある。  〈出張暗殺サービス――特殊な暗殺技術を習得したスタッフが丁寧に対応します! 暗殺された人は、生まれ変わって新たな人生を歩める安心保証付き! 初めての方でもカンタンWEBお申し込み――〉  なんて親切な暗殺なんだ、と思った。  殺した相手を転生させてあげられるなんて、最高じゃないか。息子を殺そう! あの引きこもり野郎を

          小説(SS) 「出張暗殺サービス」@毎週ショートショートnote #親切な暗殺

          小説(SS) 「女生徒のラブレター」@毎週ショートショートnote #忍者ラブレター

          お題// 忍者ラブレター    色香をまとった女生徒だった。  転校してきた彼女は、黒板の前でクラスに向けて自己紹介を終えると、担任教師の私にだけわかるように小さく微笑んだ。  玲花。そう名乗った彼女に、ひと目惚れしている自分に気付いた。それからというもの、学校にいるときも家にいるときも、彼女のことが頭から離れなくなった。  しかし、その思いは自分だけのものではなかったとわかった。私の靴箱に、ラブレターが入っていたのである。  私は、そこに書かれていた通り、放課後のあまり

          小説(SS) 「女生徒のラブレター」@毎週ショートショートnote #忍者ラブレター