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イチ言語聴覚士が独立を決めた理由(前編)

今の職場に勤めて3年と半年。
以前は急性期病院という、ドクターヘリやら救急車が大集合する病院に6年半ほど勤めていました。

言語聴覚士歴は併せて10年というところですかね。まだまだ未熟者です。
上の書き方だと、今の職場はどんなところなのか疑問が残るかもしれませんが…実はかなーーり狭い業界に勤めているのが現在です。
なので一旦、今の職場のジャンルは伏せます。言語聴覚士であることに違いはないですけどね。

さてさて、今回のお話は僕が独立を決めた経緯についてです。
実はここ2,3年ほどは独立について考えることはよくあったのですが…踏み出せずにいました。
独立といっても方法はいろいろですが、考えていたのは個人で「ことばの教室」を開くイメージです。メインは発達障害(神経発達症)のあるお子さんや発音、吃音、緘黙といった障害を抱えるお子さん相手の訓練ですね。

ですが独立ってリスクだらけです。
社会保険から離れ、確定申告も自分で行い、何より自分で収入源を確保しなければなりません。

そこまでのリスクを負いながらも、決して大きく稼げるようなリターンの可能性があるわけでもありません。
なぜなら、開業した場合の言語聴覚士の臨床は1対1が基本だから。
(集団訓練はとても意義がありますけどね。個人の事業所で集団訓練を行うにはいろいろと課題が多いのです)
たとえば僕が開業してことばの教室を始めたとして、60分7000円で訓練を行うとしましょう。

仮に一日8人の患者さんやお子さんが来れば5万6000円の売り上げです。
月20日間重ねると100万円を少し超えるほど。

十分ですか? 確かに、理論上はなかなかの金額になっています。
ですが、これは全ての枠が完全に埋まった場合です。実際にはありえません。

そもそも、世の中には医療保険を使ってもっと安く専門家のリハビリを受けられる場所があるわけで…どれだけの患者さんやお子さんが来てくれるのかという問題。
そして仮に、何かのミラクルで僕の事業所が有名になり、予約が殺到したとして。

それでも厳しいところです。お子さんは風邪などで予約がキャンセルになることは珍しくありませんし…もちろん大人の方もそうですが。
また、僕自身体調を崩しやすい軟弱系です。

せっかく予約を入れて下さっていた日に体調不良でリハビリができないのでは、申し訳ないだけですまず信用問題にもなってきます。
自閉傾向のあるお子さんの中には急な予定の変更がとても辛いお子さんもおられるわけです。
そういった背景を考慮した場合、理論値と現実の差は大きい。

あくまで月100万円の売り上げというのは、マックスの値であって実現可能な金額ではないのです。
そして当然ですが、これは売上ですのでここからもろもろの維持費や経費が出ていくとなると…なかなかに勇気がいる選択だと思います。

一方で、やはり自分の事業所をもつというのは夢があります。
自分なりのカラーで運営し、自分の技術で勝負し、自分が責任を負う。
怖くもありエキサイティングでもあります。

開業、気にはなるけど踏み出せない…そんな僕がどのようにして決意をしたのか。
つづきは明日、後編でお話させて頂くこととしますね。



可能な限り低価格で各種相談サービスを継続し、悩める方々の助けになれたらと考えています。サポート頂けると本気で助かりますm(__)m