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【小説】絶望女子(初期段階/Before編)

それでは今日から僕がミリオンセラー作家の新堂冬樹さんに直接指導してもらいながら書いた小説を公開していきます!

以下は、一番最初に書いたときの作品です。小説を純粋に楽しんで欲しいのはもちろんですが、このあと、どのように変化していくのかも楽しんでください!

※ちなみに現段階では新堂さんのアドバイスは一切入っていません。僕が自力で書いた「そのまま」です※

↓それでは<ここから>どうぞ↓


真夏の渋谷区円山町。奈美恵は真っ白な頭の中で「苺」を想像しながら、無我夢中だった。この淫猥な行為を少しでも早く終わらせたい。しかし、痺れるほどの快感が身体を貫き、この刹那の悦楽が永遠に続けばいいと密かに感じていた。


「プレゼントなら苺でよろしく」と書き込んだ個人間融資の掲示板サイトで知り合った初対面のオトコ。三十代と思われるサラリーマン風の彼は、思いのほか満足気だった。奈美恵の見た目からは想像できない大胆な腰使い。そのギャップが余計にオトコの欲望を刺激する。過剰な興奮の中、果てるのはいつもより少々早かったが、十分に楽しめた時間だった。


「よかったよ」


オトコは口元に笑みを浮かべて言った。「・・・。」ベッドの上とは打って変わって、奈美恵は無言でうなずくだけだった。


(早くお金はらってくれないかな・・)


奈美恵は何とも言えない焦燥感を覚えていた。ぎりぎりのその日暮らしを余儀なくされている状況を考えれば当然のこと。初対面の二人には妙な余韻はなく、すでに帰り支度を始めているオトコの一挙手一投足を、固唾をのんで見ていた。


備え付けの冷蔵庫から無料サービスのミネラルウォーターを取り出すオトコ。ペットボトルのキャップを開け一気に飲み干す。激しい行為のあと、よほど喉が渇いていたのだろう。


そんな彼を注視していた奈美恵はふと気づいた。自分がまだ素っ裸であることに。急に恥ずかしくなり、ベッドの上でそそくさと下着を身に付ける。Tシャツとスカートはソファーに腰掛けるオトコの足元近くにあった。恋人同士でもないので「ちょっと、それ取ってよ」とは言えない。


どうしようかと迷っていると、オトコが服を拾ってベッドへ持ってきてくれた。


「はい、これ」
「どうも・・・」


小声で答える奈美恵のそばに彼は腰かけた。


 そういえば、出会った瞬間からオトコは寡黙だった。余計な話はしないタイプ。短いフレーズの交換で会話は途切れがちだった。他人とのコミュニケーションが苦手な奈美恵には辛い相手かというと、それも違った。不思議な何ともいえない包容力というか、気持ちの余裕が感じられ、何でも呑み込んでくれる『受容体』みたいなものが彼には備わっているようだった。


 しかし、それは裏を返せばオトコが得体のしれない人物であることを示す証左でもあった。


「困ってるの、お金に」


遠慮のないストレートな問いかけに奈美恵は戸惑った。


「うん。まぁ」
「そっか。大変だね」
「・・・」


(そんなことより、早く約束の一万五千円はらえよ)


奈美恵は心の中で叫んでいた。(つづく)

<ここまで>

いかがでしたか?これから新堂さんのアドバイスによってどんな化学変化を起こすのか、お楽しみに!

ちなみに、この段階での新堂さんからのアドバイスは以下のようなものでした。

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