久しぶり盛岡
すでに1ヶ月くらい前になりましたが4月の終わりに突然思い立ち一年半ぶりくらいに盛岡に帰ってみました。
自分をふくめ多くの昭和末期生まれ世代はもれなく上から虐待的な育てられ方をしてきてるかと思いますが、わたしも親といると何かにつけていちいちイライラするし、今まで娘としての義理は尽くしてきたので、おばあちゃんもついに天寿をまっとうしたし、もう特に誰か死なない限り実家に寄らなくていいかなと足が遠のいていました。
とはいえそろそろおばあちゃんが死んでから一年半も経つし、ちょっと時間ができたのでいきなり実家に帰ってみたところ、父も母も突然の娘の登場にそれはそれは喜んでおり、昔大キライだった2人もそれなりに老いて小さくなってとっくのとうに脅威ではなくなってしまった姿を見ると、
「まあ・・・もう、許してあげるよ!!」
という気持ちになりました。
というわけでおじいちゃんおばあちゃんのお墓へGO。
昔自分を虐待的に扱ってきた親を許せるかどうかの基準は人それぞれだと思いますが、自分の場合はまず第一に現在の自分がこんなに幸せでいいのかというくらいに圧倒的に幸せであることが最も大きい要因ですが、あとは両親に関しては性的虐待はなかったことと、教育への出費は惜しまずやってくれたことと、一応彼らなりに子どもを愛していたのは伝わってきたことが、自分の中の許せる条件にギリ該当したというだけで、このどれか一つでも欠けていたら永久に縁を切っていたと思います。
子育てもある程度能力が必要だと思いますが、子育てに限らず「こちらが望むものをどうしても提供できない人」というのは必ず存在し、そしてそういう人に何かを望むこと自体無理なのだと自分がちゃんと理解したことが大きかったなと思います。人間誰でも生まれつきできないというものがあり、両親の場合は子どもへの共感力がそれであったわけです。
まあ上の世代にされて嫌だったことは下の世代にくり返さなければよいわけで、とはいえこうしてこの世の荒波を生き抜くだけの健康な身体を提供してくれたことだけは先祖代々に感謝しつつ、
「もう・・・いいよ!!みんなまとめて許してあげるよ!!」
と墓石に手を合わせて来ました。お墓の存在意義もこれから先の時代変わっていくしかないと思いますが、満開の桜舞い散るお墓参りはなかなかよかったです。
さて家に戻り、夜は斜め上の元おばあちゃんの家・現伯母の家でいとこたちとみんなでゴハン食べようということでしたが、その前にちょっと話しがある、とパパが急にマジメな雰囲気で切り出しできました。
詳細は伏せますがわたしが距離をとっていた一年半の間に、その元おばあちゃんの家・現伯母の家でなかなかの事件が起きており、とある遠縁の人物が数年に渡りどうしようもない社会的大失敗をやらかしていて、それが去年発覚し、一通り大騒ぎしたのち母や伯母を中心に親族会議を展開すること数ヶ月、結局そのやらかした人物を伯母の家で引き取り、一族全員で面倒を見るという結論に達した、という話しでした。
めちゃくちゃビックリしましたが、パパはつまりこのあとみんなでごはんたべるのにわたしが何にも知らないとマズイというわけで事前情報を仕入れてくれたわけです。
いやーほんとに、人生いろいろです。生きてるといろいろあります。
しかし今回わたしがいちばんビックリしたのは、出来事そのものではなく、その出来事に対して両親ふくめ全員が前向きな対処していたことでした。
特に、この件にやむを得ず巻き込まれてしまった親族の中で最も年少であるいとこの子どもたちが、なるべく良い環境で育つようにと大人たちが考えてすべてを決定していたことがあまりにも新鮮でした。
パパもママもかつてわたしにはあんなに無慈悲だったのに、いまは一番小さい子たちのことを一番考えている。
オイ!!お前ら!!やればできるじゃん!!
なぜそれをわたしにしてくれなかったのかという気持ちもたしかにうっすら5%くらいはありますが、それよりもあの両親ですら時代と共に変化できるんだな、ナイスナイスという気持ちがほぼメインをしめていました。
もしおじいちゃんおばあちゃん(厳格の極みカップル)が生きていたら絶対にこんなことは許さなかったと思いますが、前の世代が消え、次の世代はちゃんと新しい世代を優先した配慮のある寛大な対応をしていることが、まさに新陳代謝といった感じでよかったです。
こうなるとこっちも、ときどきは遊びに行きたくなるってもんです。すべては禍福と言いますが、この先もまだまだ大変ではあるものの、この機会に生活の拠点をこちらに移してきたいとこの子どもたちのおかげで、後期高齢者限界地域だった実家周辺の平均年齢がいきなり下がり、若いエネルギーすばらしいねと思いました。
どうしてもできない場合やする必要がない場合ももちろんありますが、もしも可能であれば、いろいろあってもなんとか最後はみんな仲良くする、やはりこれに勝るものはないのではないかと思います。
〜おまけその1(春の実家の庭シリーズ)〜
父の植えた桃の花が庭に満開でした。
それを聞いた従姉妹、爆笑しながら
「アハハ!!たしかに!!おじちゃんチェーンソーとか持ってるし・・・」
ちなみにバイオのジャックベイカーはなぜか偶然にもうちのパパにめちゃくちゃ似ててちょっとつらいです。
〜おまけその2(仙台の親友に会ったよ)〜
盛岡から東京に帰る途中でついでに仙台で友達とその娘と数年ぶりに会って来ました。楽しかったです。
なんだかんだで東北は良いところですね。
自分のもう一つの故郷だなあと思いました。
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