体内植物体験

身体の延長としての想像による文章作品を
もう一つ作りました。
以下。
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◆体内植物体験

私は気がつくと植物になっていた。

腕は三つか、四つに分かれた枝になっていて、
それぞれからさらに腕が生えていた。
それぞれの手の平の指と指の間は裂けて、
その間を葉っぱがつないでいた。

私の首はニョキニョキと
ひょろ長く、天を目指して伸び、
片方の目の眼球は4つに割れて、
その中からつぼみが出て、
花が咲いた。

この世のものとは思えないような
極彩色の花が咲いたが、
クラクラするような
歪んだ匂いがした。

根は地上の上に露出して
足の関節を何個も組み合わせたような
カクカク、ジグザクな形をしていて、
途中からいくつにも分岐しており、
その先々に付いた足の平の指の
爪と指の間の先から
白っぽい植物の根が生えて出て、
地面にところどころで、
身を突っ込んでおり、
その根の地上に出た所にも、
自家に埋まった所にも、
眼球の実がなっていた。

私は天に葉になった異形の手を広げ、
降りしきる光を
花の咲いた顔を上げて仰いだ。

天は光の手の平を広げ、
光の眼をキョロキョロキョロとさせていた、、、。

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