千本松渡し a story #4/6
四、北村淳一の遺稿「夢のなかへ」
小さな斎場の前の歩道を更に歩き続けると、ループ状になった2階建ての高速道路のような鉄とコンクリートの巨大な構造物が見えてきた。横のほこりっぽい車道は、そのループとつながっているらしい。ループに消える車、ループから現れる車が、前から後ろから、わたしの横を何台も通り過ぎていった。わたしが歩いていた歩道は、車道からはずれてループの下をくぐった。両側を金網にはさまれた路地のようになっている。背の高い人が歩いたらぶつけそうなくらい、ループの低い