なにも持たないぼくたちは
昼休みに家から持ってきたカップラーメンにお湯を注いでいると、後ろから「須崎さんって意識高そうなのにそんなの食べちゃうんだね」と話しかけられ、心臓がはねた衝撃でラーメンを全部落としそうになる。
あぶねえだろてめ背後とってくんな、とは言えないので、「わーびっくりしたあ、最近野菜ばっかり食べてたから急に濃いもの食べたくなっちゃってぇ、誰にも言わないでくださいねぇ」と笑いながら振り向く。
慌ててラーメンを持ち直した手のひらが痛い気がする。沸きたての湯がかかったんだろう、クソ。
話しか