『数学ゴールデン』1巻を読んでみました
この漫画を読んだら、いつのまにか数学の勉強になっていました。
楽しく漫画を読んでいるだけで勉強になっていた、そんな体験を娘にさせたくnoteを書き始めて数ヶ月。Googleで「漫画 勉強」など入れて検索してみることもあります。
そんな中気づいたのが、数学について勉強になりそうな漫画があまり無いことです。多いのは、「歴史」や「科学」。
数学だけ好きにならないじゃん!と娘の数学離れを危惧していたときに見つけたのが、『数学ゴールデン』という漫画でした。
『数学ゴールデン』は2020年7月に1巻が刊行されて、現在3巻までしか出ていない比較的新しい作品です。数学という漫画としてはとっつきにくそうな題材ですが「友情」「努力」「成長」といった漫画らしいスパイスがストーリーに散りばめられて読みやすい作品に仕上がっています。
同作の主人公は、小野田春一という高校1年生の少年です。彼が目指すのは「数学オリンピックの日本代表」。高校生以下という1200万人の資格者から日本代表になれるのはわずか6名という超難関です。春一は数学の勉強に集中するために、友達を作らずまわりと壁をつくって高校生活を送ろうとします。そんな時、「数学、好きなの?」と春一に話しかけてきたのが同じクラスの七瀬マミ。七瀬もまだ粗削りではありますが、数学の問題を解くのが大好きな数学バカで、彼女との出会いが春一を数学的にも人間的にも成長させていきます。
私の娘が何に興味をもつかはまだわかりませんが、好きなものをとことん追求するのは大事。ただ一人でやっていては成長に限界があり、仲間とともに目標に向かっていくことで成長は加速することを教えてあげられるような作品の気がします。いま娘が興味をもっているのは、ズボンのひもです。
1巻では、こんな勉強ができました。(以下、内容のネタバレを含みます)
①数学の解き方のヒント「考える個数が多いとき、減らして考える」
昼休みも一人でお弁当を食べながら、黙々と数学オリンピックの過去問を眺めてまわりと距離をとる春一。そんなことはお構いなく春一に絡む七瀬。これは解けそう!と、ある問題を指さす七瀬に、「もし明日の朝までにその問題が解けなかったらもう俺に絡んでくるな」と伝える春一だった。
七瀬が指さした問題は「17人それぞれが他の全員と互いに手紙のやりとりをしている。その手紙では3つの話題のみがやりとりされている。・・・(中略)・・・同じ話題の手紙のやりとりをした3人組が存在することを証明せよ。」という実際に1964年の数学オリンピックで出題された問題でした。これの解き方は、17人という人数を6人に減らしてラムゼーの定理を使って考えるという方法だそうです。
ラムゼーの定理では、「パーティで6人が集まれば、お互いが知り合いである3人組か、お互いに知らない3人組、のいずれかが必ず存在する。」が証明できており17人の問題に当てはめて解くそうです。
実際に問題を解けるかではなく、問題を解く考え方を養えればいいと思いました。ちょっと難しすぎるので。。
②数学の解き方のヒント「公式は、ただの暗記ではなく過去の偉人のアイデアや閃き」
数学オリンピック対策講座に参加することになった春一と七瀬。講座には数学好きの中高生が県内外から集まってきています。数学を愛する人たちがいっぱいいてテンションが上がる七瀬が、みんなの前で演説をぶちかまします。数学で学ぶのは、公式や理論ではないと。
ここで紹介されたのが、三角形の面積の公式です。
三角形の面積公式:底辺×高さ÷2
これは、四角形の面積を求める「底辺×高さ」を元にして、ここから三角形の面積を求めるために、四角をまっ二つに割って三角形にしてみるという発想による公式です。
このように、公式はただの数字の羅列ではなく誰かが考えたアイデアや発想なんだと思うとすごく人間味を感じますね。
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