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[Information] 235億kmって、どのくらい?

■宇宙巡光艦ノースポール
[Information]
235億kmって、どのくらい?

みなさま、
はとばみなとです。

※申し訳ありません。池上さんの帰省のお話しはまだ続きがあるのですが、1日お休みさせて下さい。

以前も紹介しましたが、私が毎日チェックしているWebサイトに、『sorae』という、宇宙の話題を扱っているサイトがあります。そこに、先日、4月9日に、無人探査機『ボイジャー1号』の情報が掲載されました。以下にURLを記載します。

簡単に書くと、現在、ボイジャー1号が地球に向けて送信するデータの中に読み取ることの出来ない不明なデータが混ざっているので、それを修復しようとしている、という内容です。

まあ、言葉だけ読むと、何でもないことのように思われるかもしれません。

『ボイジャー1号』は、1977年に打ち上げられた無人探査機です。地球を出発した後に、1979年に木星に、1980年には土星に接近して、その後、太陽系の外の宇宙へと向かいました。

ちなみに、『ボイジャー2号』という姉妹機も打ち上げられていて、この2つの無人探査機が、太陽系の外の宇宙空間の旅を続けているのです。

この、ボイジャー1号の話題を読む時に、いつも困惑してしまうのが、現在のボイジャー1号と、地球の間の距離です。

2022年8月28日現在、ボイジャー1号の太陽からの距離は235億kmなのです。

想像つきますか?

地球を赤道沿いに一周回ると、約4万Kmです。地球から月までの距離は、約38万kmです。

太陽から地球までの距離は1.5億km、
太陽から、太陽系の一番外側の惑星である海王星までの距離は約45億kmです。

ボイジャー1号は、太陽から海王星よりも5倍も遠く離れていることになります。

こんなに遠く離れていると、地球とボイジャー1号の間で通信するのも大変です。片道で17時間22分かかるのだそうです。ということは、往復では約34時間44分かかるのですね。

例えば、地球から、今、ボイジャー1号に対して何かを送信すると、それに対する応答が地球に帰ってくるのは、明日か、明後日になるのです。これでは、「ちょっと、カレントディレクトリを確認」などと言って、pwdコマンドを打つことも出来ません。

ちなみに、『pwd』というのはLinuxのコマンドです。ここでは、詳細は省かせていただきます。

また、上では例え話として、『pwd』コマンドと書きましたが、ボイジャー1号にLinuxが搭載されているわけではありません。

冒頭に書きましたが、ボイジャー1号が打ち上げられたのが1977年。リーナス・トーバルズ氏がLinuxの開発を始めたのが1991年とのことですので、Linuxは、まだ生まれる前のことなのです。

LinuxではなくてUNIXであれば、1969年に研究を始めていたとのことなので、もしかしたら・・・。でも、ボイジャー1号には、UNIXが動くようなコンピュータは搭載できなかったのではないかと思います。

あしからず。

要するに、ボイジャー1号は、1977年当時の技術で作られているのです。今から46年も前のシステムなのです。それが現在でも稼動しているのです。しかも、地球から235億kmも離れた宇宙の彼方で。

さらに。

冒頭に記載した『sorae』の記事によれば、そのボイジャー1号で発生しているトラブルを、地球からリモートで直すというのです。

もう一度書きますが、235億kmですよ。235億km。

私も30年と少しの間、IT業界にいましたが、正直なところ、気が遠くなってしまいます。

ただ、ボイジャー1号はそれだけ重要な探査機なのだそうです。と言うのも、いま現在、太陽からそんなにも離れた宇宙空間を直接観測できる探査機は、ボイジャー1号と、ボイジャー2号の2機だけなのだそうです。しかも、新しい探査機をもう一度打ち上げたとしても、今のボイジャー1号と同じ、太陽から235億kmの地点にたどり着くには、46年かかってしまうのです。

途方もない話です。

ボイジャー1号と、その姉妹機である、ボイジャー2号の続けているミッションが、いかに重要なものなのかがわかります。

できることなら、今後も長きに渡って、ボイジャー1号とボイジャー2号が稼動し続けて、貴重なデータを地球に送り続けてくれることを祈りたいと思います。

(おわり - 235億kmって、どのくらい?)


■宇宙巡光艦ノースポール
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宇宙巡光艦ノースポールの世界の発端のわかる物語となっています。ぜひ、購入して、お読み頂けるとさいわいです。

以上、よろしくお願いいたします。m(_._)m

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2024/04/15
はとばみなと

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