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「学び」が身に付いたと感じる瞬間は?

「ロールモデルの選択は、個人や社会の信念や価値観に反映される」
これを聞いて、何を想像しますか?どう思いますか?
「そうだよね~」とすぐに納得する人はいるのだろうか?
いったんは、「何だこれ?」と立ち止まるのではないだろうか?

小学校5年生の子供たちがこの言葉と向き合った6週間。
「PYPエキシビション」

まず、PYPエキシビションとは…
IBスクールのPYP最終年次が、これまでの学習の集大成的なコラボレーションの体験のことをいい、この「エキシビション」は、児童が主体となって設計し、自らの課題をメンターの指導を受けながら追究していき、世の中の出来事と自らの興味をつなげアクションを起こすものである。これらをリフレクションしたものを披露し、フィードバックをもらいさらに深めていく。

私たちの学校では、このエキシビションを小学校5年生の1月から6週間かけて行っていく。今回のCentral Idea(中心的アイデア)は、「ロールモデルの選択は、個人や社会の信念や価値観に反映される」でした。

プロジェクトのイメージ

さて、これを子供たち自身が主体となって、個人テーマを設定していく。大人にとっても、高度な学びですね。
・自分にとってのロールモデルとは何か。
・信念や価値観は、個人と社会とでどのような違いや関わりがあるのか。
・自分の価値観に影響があったものは何なのか。
・ロールモデルには責任があるのか。
などと、まずは自分自身に問いを作り、このCentral Ideaをもっと広域のものにしていった。

答えがないから難しい。
自分の考えがどうなのか分からないから難しい。
子供たちは不安だらけ。
メンターの先生から質問攻め。
でも、なんとか全員自分のテーマは設定できました。

こんな感じになりました。
「革新をもたらす人間は、世の中の信念をゆさぶる」
「伝統文化は、師匠の技術と価値観を学ぶことで受け継がれる」
「私たちの信念は身近な人の存在によって支えられている」
「強い信念と創造性を社会から認められることで世界に影響を与える」

テーマができても、これをどう探究していくのか、今回はCausaion、Perspective、Responsibilityの方向から探究を進めます。
テーマが違えば、探究の流れだって違ってくる。
子供たちの全員の流れを把握していくのにも一苦労。
授業後はメンターの先生と話をして、子供たちの進み具合を確認。
スピード感がでてくるともう追いつかなくなってくる日々でした。

今回は週1で保護者との交流会をして、家での様子、親としての関わり方などを共有する時間を作りました。

保護者のCompass point

Compass pointを基にいろいろとざっくばらんに話をしていきました。
最初は、Central Ideaからの個人テーマについて。子供たちはどのような感じで作っているのかという疑問から、みんなで作ってみることもしました。(保護者の方は、難しすぎる~で完成しませんでしたが…)時には、スキルについて考えたり。

PYPエキシビションで発揮できそうなスキルを書き出しました

「子供たちは本当に生きる力を付けていると実感する」「PYPエキシビションの過程を通してこれまでの成長がはっきりと見えてくる」などとおっしゃっており、すぐに身にならなくても積み重ねてきたものは着実に力になっているんだろうな~と実感する日々でした。

私自身の初めてのエキシビションで計画は充分に立ててきたつもりでしたが、やっぱりまだまだ読み取り不十分なところもあり、大きな勉強となった6週間でした。

ブース発表①
ブース発表②

当日は、子供たちは緊張な様子はありましたが、でも「やり終えたぞー!!」という気持ちの方が大きく、笑顔でオーディエンスに対応する姿は立派でした。今回のプロジェクトはもちろんのこと、当日からも大きな学びとそこからの課題も得たことでしょう。
今後の彼らのアクションが気になります。


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