赤椅子男
(大 ソ)(久 ファ)(速 ラ テンポ)
テーテーテー テッテッ テテテテテテテテ
テーテーテー テッテッ テテテテテテテテ
テーテーテー テッテッ テテテテテテテテ
テーテーテー テッテッ テテテテテテテテテテ
ムードカヨウ
舞台は薄暗く、中央前方の一畳スポット。平台にスポットライトが薄く(当たり)、後には机。
白いランニングシャツ、白い手袋、白い半ズボン、白塗り白髪の面々。
音楽ハレモン、机上でキンが抱きかかえられて宙に高い高い式に何度も放り投げられる。手の鍵のなかから放られ、もしくは放り、無垢の赤子に泣いた目に。取って丸まって。
次「赤子」は平台に置かれ、その後ろでキンがあやすように、音楽に合わせて手を交互に左右に力動する仕種。左右引力。
後、白塗り一団、応援団のように扇の陣形になって、手を後ろに組んで足を広げて仁王立ち。
「場」
昔。袋小路。京都、トタン屋根長屋。
「人物」
赤長椅子男(オールバック長髪、藍色の着物。薄笑い)
ガンコおやじ岩男。四角く、比率縦横一緒。
ワキ2名。従業員
カタワラ彼女
(主)男
自転車でダーッと坂を駆け下りると、低いトタンの家が割と間隔を置いて建っている。
何か物足りない。客間に出る。なつかしい感じがする。空気が甘い。
どことなく進んでいくと小路に入り、暗がり、湿った空気になり、京都の風情。
道はほのかに濡れていて、土のところは少々ぬかるんでいる。
と、前方に、幾重にも分かれる道の分岐点に、男が赤椅子に座っている。
「ねぇ、君、先に進んでくれないかな。この先に行くには少々規制があるんだ。お金を取られる。だから先に行ってくれないか?」
「馬鹿言ってんな、自分で行けよ!」
「そうか?残念だな。前方に進みたいんだが、こっちにするか」
何故か味わい深い男。ふらふらついていくと小ぶりの門がある。
通ろうとして、過ぎようとしたとき、門が後ろから閉まり、背中をうたれる。
「ああ、すまんね、気をつけて」
「何を?」
赤椅子に座ってくつろぐ。
(フェルトがかけられて、茶屋の前に一服するのにあるような上品な質)
「ほら、こっちにあんみつ2つ、ただで出してやんな。これでいいだろ、不満か?」
「ふざけろ、いるか」
「ほう。おい、閉めろ」
「やんのか」
従業員2名がかかってくるがピンポイントで一瞬のもとに倒す。
と、岩男が近づいてくる。
「よし、頑丈そうだけど鼻柱に一撃だ」
がっしと掴まれるや、鼻に一撃をくらわせる。
が、きかない。ボコボコにするが、きかない。
「ほう、そうするのか、俺だったら肩、鎖骨を折るな」
と、鎖骨をつかみ、握りつぶす。みしみしとつぶれる音がする。
「どうしよう」
傍で彼女は笑っている。赤椅子も茶に興じている。
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