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Spiral Fiction Note’s 日記(2023年11月16日〜2023年11月30日)

11月上旬の日記(2023年11月1日から11月15日分) 


11月16日

個人的には休みにしている木曜日。
前から今日は天王洲のgallery UG Tennoz で開催中の田島享央己個展『You've Got a Friend』に行こうと決めていた。前回そこの寺田倉庫に歩いていくのが二時間、帰りもそのぐらいだった。電車で行っても乗り換えもあるので結局一時間ぐらいかかる。
15時から下北沢でお茶をする予定もあったので、時間的にしんどいなと思って諦めて、シネクイントで上映中の『正欲』を観に行くことにした。
朝井リョウさんの原作小説を買ったんだけど結局読まなかったので、どういう内容かは全く知らないで鑑賞。

第34回柴田錬三郎賞を受賞した朝井リョウの同名ベストセラー小説を、稲垣吾郎と新垣結衣の共演で映画化。「あゝ、荒野」の監督・岸善幸と脚本家・港岳彦が再タッグを組み、家庭環境、性的指向、容姿などさまざまな“選べない”背景を持つ人々の人生が、ある事件をきっかけに交差する姿を描く。

横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、不登校になった息子の教育方針をめぐり妻と衝突を繰り返している。広島のショッピングモールで契約社員として働きながら実家で代わり映えのない日々を過ごす桐生夏月は、中学の時に転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。大学のダンスサークルに所属する諸橋大也は準ミスターに選ばれるほどの容姿だが、心を誰にも開かずにいる。学園祭実行委員としてダイバーシティフェスを企画した神戸八重子は、大也のダンスサークルに出演を依頼する。

啓喜を稲垣、夏月を新垣が演じ、佳道役で磯村勇斗、大也役で佐藤寛太、八重子役で東野絢香が共演。第36回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品され、最優秀監督賞および観客賞を受賞した。

映画.com

 前日のナタリーの記事で映画『違国日記』に夏帆さん出るというのを見ていて、そちらでも主演の新垣結衣さんが出ている映画という連想で。
検事の寺井を演じた稲垣吾郎さんが児童性的虐待をしていた被疑者に放ったセリフが全部ジャニー喜多川とジャニーズ事務所に対しての正論でありながら、元々所属していた自分にもある意味でブーメラン的に返ってきているような不思議な構造というか、現実と虚構の響き合いのようなものがあった。稲垣さんがそういうことをどのくらいわかっていて、この役を引き受けたのかはわからないけど、あのシーンではどうしてもジャニーズの問題が浮かんできてしまうものとなっていた。
廃藩置県で最初は福山県だった広島と岡山の県境生まれとしては、夏月(新垣結衣)が住んでいるのは福山市だったのだが、あんな方言だったっけと。備後弁をしばらく話してないからか微妙に違和感を感じた。
福山市パートでの夏月の同級生役として出ていた渡辺大知とか他の人たちも福山弁というか備後弁を話しているわけだが、なんかしっくりこなかった。これが自分が東京生活の方が実家にいた時間よりも増えているからなのか、彼らの方言が違うのかよくわからない。
原作を読んでいないのでわからないのだけど、大学生の男性恐怖症の女性がダンスをしていた同級生の男性に対して、ある想いを打ち明ける場面があったが、彼女が急に自分の想いを伝えたような気がした。その前にそうなるようなきっかけってあったかな、寝てなかったけど、そんな感情の流れというか彼女がそういうことを伝えるような前段階がなかった気がして、いきなりだなと思った。原作にはあったけど端折ったとか編集で切っちゃったとかはないよな、どうなのだろう。
夏月と佳道が互いに異性愛も同性愛もなく、水に対して性的な欲望というか対象が向くというフェチというものがあって、理解されない者同士として世間を生きるために同盟を組む。偽装結婚のような形をとることである種のフレンドシップを結んで生きやすい環境を手にいれることになる。ただ、その特殊な性癖がさらに他の人と結びついたことである悲劇に巻き込まれることになるのだが、もっと丁寧に描いた方が良かった気がした。登場人物の誰にも特に感情移入ができなかった。小説ではしっかり一人ずつ描かれているとは思うのだけど。

家に帰ってちょっと休んでから下北沢へ。お久しぶりな仲俣さんとトロワ・シャンブルでお茶をした。三時間半ぐらいずっと話をしていた。さすがに長居したのでアイスドコーヒーを三杯飲んだ。
去年のこととか諸々お話ができたし、これからどうしようとか背中を押してもらえた感じで、話をさせてもらってすごくいいタイミングだった。

忘れ物 / Vaundy:MUSIC VIDEO

今日は起きてからすぐに『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』を聴いていたので、歩く時にはSpotifyでVaundyのセカンドアルバムを聴いていた。彼の曲は『正欲』のエンディングにも流れていたので、今日はわりとVaundydayだった。

  

11月17日
日付が変わった頃に寝たはずだったのだが一時半ぐらいに目が覚めてしまって、どうも眠れない。『水曜日のダウンタウン』の「名探偵津田」第二弾の前編後編を普通に見てしまった。一回電気もノートパソコンも全部切って真っ暗にしたけどなにか目が冴えてしまっていた。
『ハライチのターン』をradikoで聞き始めたのが四時前ぐらいだった。岩井さんの結婚に関する話を聴いていたら寝落ちしていた。でも、番組の半分ぐらいは聴いていたことは起きてからもう一度最初から聴き直してわかった。

 起きてからリモートワークの間までは朝活がてら読書を。ミシェル・ウエルベック著『滅ぼす』下巻も三分の一ほど進んだ。昨日お会いした仲俣さんとも『滅ぼす』の話をしていて、最後が思いもよらない感じになるよと言われたのでちょっと楽しみが増えた。だけど、まだそんなに不穏さや思いがけないことになりそうな感じはあまりない。

 リモートワークを開始したけど、窓の外はずっと雨が降っている音が続いていた。雨粒が大きくて量もあるのがわかる。昼過ぎにちょっと弱くはなったけど、買い物に出るには傘がまだ必要な降水量だった。
ヤマシタトモコ著『違国日記』のコミックを1、2巻購入した。仕事終わってから読んだ。交通事故で亡くなった姉の遺児である女子中学生の朝が親戚でたらい回しにされているのを見て勢いで引き取ることになった少女小説家の槙生との生活を描いている作品。
今までずっと一人ぐらしで他人が家にいることがなかった槙生は実は人見知りであり、まったく人見知りしない朝との新しい生活の中で、一人の人間として彼女を扱おうとしている姿が姉との確執があったため、朝を愛することはできないかもしれないなど自分が思っていることをちゃんと伝える。そんな二人の生活にはシスターフッド的なものももちろんあるのだけど、距離感や関係性など読んでいて、僕にはわりすんなり入ってくるものだった。
映画だと新垣結衣が演じる槙生の中学からの友達の奈々を夏帆が演じることは発表されているのだけど、個人的には槙生のほうは新垣さんでも違和感なさそう、奈々のほうはギャルではないけどちょっと派手で陽気な感じもあるので夏帆さんと今の所イメージは合わない感じだけど、どの辺はどういう感じになるのだろう。
二人とも背が高いので並んでみると違和感はさほどないのかもしれない。とりあえず、今月中に最終巻の11巻まで読んでおきたい。

 仕事が終わってからニコラに行って黒いちじくとマスカルポーネのタルトとアルヴァーブレンドをいただく。
曽根さんと由賀さんとも話をのんびりできたけど、『違国日記』でも槙生が奈々たち友達との関係性の中で救われていた、生きることを肯定してもらっていたように、僕もニコラはお店と客という立場だけど二人に話を聞いてもらったり、昨日の仲俣さんとは小説や創作に関してのことなんかを聞いてもらったり、親友のイゴっちには隠し事もないぐらい話をしているし、パン生地くんや杉山さんとか個人的なことを言い合える仲間という感じだし、上京した時から学校とかの関係もあって付き合いの長いノンやおすぎも他の人たち同様に個人的なことや今後のことなんかも話せる。僕はそういう人たちが東京での生活の中で付き合いができていることがけっこうデカいことなんだと『違国日記』を読んで思ったりもした。

syrup16g - Everything With You (Official Audio)

そういうどうしようもない子だったのだけど、あのちゃんのことをTwitterに書く時だけはキラキラとした言葉が綴られていた。あの子にとってあのちゃんだけが救いだったのだと思う。あの子はあのちゃんになれなかったし、なれるわけもなかったのだけど、それでも、あのちゃんになりたかったんだと思う。なれるわけがないとわかっていても。

あのちゃんについて:ロマン優光連載145【2019年10月4日記事の再掲載】

旧Twitter、Xで流れてきたロマン優光さんが以前書いたあのちゃんについての文章を読んだ。特に最後の部分が非常に心が揺れるというか、エモーショナルでよかった。これをInstagramのストーリーズにあげたのでもう一回改めて読んでみたら最後の部分で涙が出てきた。

 

11月18日
起きてから朝活がてら読書を。ミシェル・ウエルベック著『滅ぼす』下巻の続きを読む。おお、流れがだいぶ変わってきた。移民問題にテロリスト極右団体や高齢者の安楽死問題に環境保護団体など今までちょっとずつあった要素が一気に絡み出してきた。これどういう終わりになるのかちょっと想像がつかない。

10時から13時まで作業をしてから、下北沢まで歩いていく。井の頭線に乗って吉祥寺駅へ。歩いている時にはradikoで『三四郎のオールナイトニッポン0』をずっと聴いていた。
『伊東家の食卓』が大晦日に復活する話からの冒頭トークは小宮がノッてて何度か声を出して笑ってしまった。先週回と今週木曜日のラジオ大阪『四千頭身 都築拓紀のサクラバシ919』聴いてるとよりくだらなくておもしろい。都築が次世代お笑いラジオスターに躍り出てきた感じもあるけれど、三四郎がコロナで休みになった時の代打とかゲストでの活躍があったから「サクラバシ919」に抜擢されたところもあるだろうから、他局だけど兄弟番組感が強い。しかし、今週はいつもよりも自由で伸び伸び小宮さんが話をしていた感じがする。

吉祥寺駅のひとつまえの井の頭公園駅で降りてから神田川の源流の立て看板やひょうたん橋を見てきた。古川さんの『サマーバケーションEP』の始まりの場所だから僕にとっても大事な場所だ。
週末の土曜日だからアートフリマや音楽イベントなんかもやっていたし人手がすごかった。

フリーライターでラジオパーソナリティーの西村朋ノ介範の家に、とある雑誌に寄稿したことをきっかけに編集者の沢木、大学の助教の花巻、批評家の武藤がご飯を食べにやってくる。プライベートでは初めて会う4人。西村朋ノ介範は自分がずっと抱いてきた違和感について話し始める。そうして4人は共同し思想の森へ冒険を開始する。 

公式サイト

吉祥寺シアターで観賞したオーストラ・マコンドー『応答せよ、魂深く』を鑑賞。
四人の役者が自分の役ではない誰か何かを演じる(ロールプレイング)する場面が何度かあり、観ていて「批評性のあるTRPG(テーブルトークRPG)」みたいだなと思った。主人公のライターのモデルが武田砂鉄なこともある。何度かロールプレイングしていき、役が更にちがう次元の役を演じていくのは、SNSが普及した時代だと多層世界のリアリティとも通じている。
『水曜日のダウンタウン』の「名探偵津田」第二弾後編で津田さんが今自分のいる次元(ドッキリの世界線でさらに世界がもう一層あり)や自らの役割がわからなくなってしまい自我が崩壊するというシーンがあった。あれはメタ要素とか当たり前に創作に入ってくる世界だから爆笑にもなるが、演じている側がアイデンティティを崩壊する可能性があり、危ういよなと舞台を観ながら、ちょっと津田探偵のことを思い出した。

生演奏が作品のBGMとしてあったのだけど、前にも観た舞台も同様のものがあって感じたことは近かった。音楽は非常に心地よいのでなんか大事な終盤のシーンで音楽の力を借りるのは当然なんだけど、いいシーンでしょみたいな感じの演出になってしまって、それに頼っていて役者の声とか動きに全力で集中できないところが僕にはある。あとずっと座って観ているので音楽が心地よいと眠くなるので僕はちょっと困る。

確かに「思想の森への冒険」と書かれているように四人が違う役割や誰かの記憶の再現を演じていくのはレイヤーが重なる感じでおもしろい。

武田砂鉄さんからインスパイアを受けて作られているとのことは公式サイトにも書かれていたが、花巻もたぶんあの人だろうなとモデルが浮かんだりして、セリフが書籍を読んで説明している感じもあってセリフを覚えるのは大変そうだなと思ったし、これを舞台に作り上げるのはすごいなと感心もした。「批評性のあるTRPG(テーブルトークRPG)」と感じたのはセリフが書籍に書かれているような文体を感じさせるものだという意味もある。

【トーク前編】鈴木おさむが目撃した伝説の瞬間ベスト10前編!

 終わってから井の頭線に乗って下北沢駅まで戻って家へ。ご飯食べたりして、夜は作業しないで明日しっかりすることにして、のんびりラジオや動画を観ながら読書の続きを。
『川島明 そもそもの話』と佐久間さんのYouTube番組がどちらも鈴木おさむさんがゲストだった。
SMAPの話は同世代で同時代を戦ってきた人しか語れない話だし、出会った人たちからの影響の話もおもしろくて、ラジオとYouTubeで若干話で被ってる部分もあるんだけどエピソードが強いし、構成力がしっかりあるからだと思うけど、先が気になる話し方をされているなと思った。

 

11月19日
今日中に終わらしたい作業があるので昼以降はそちらをガッツリすることにしていたので、起きてからはちょっと読書で『滅ぼす』下巻の続きを。
過去の作品も何作品か読んでいるが、やはりウエルベックの中でもかなり読みやすい作品だった。父になれなかった男性が仮初の親子関係で父性を獲得しようとする作品が崩壊しつつある、かつての先進国だったアメリカや日本でも増えてきたとこの数年感じていた。フランスは婚外子の比率が婚内子より多いらしいのだけど、男性が父性をアメリカや日本のように父性を求めるというよりも、パートナーとのセックスやコミュニケーションによってひとりの男性であり続けるのを望むみたいことが終盤に描かれていて、人権を尊重するから文化や芸術を守ろうとするフランスぽいなと思った。
文化や芸術を無駄だとかいう政治家やその周辺のやつらは一般市民の人権はいらないしなくそうと思っているのはそのほうが支配しやすいからだ。
自民党や維新とかが差別的なことをやめないのは、彼らに同調して差別的な発言してるバカは自分の人権が損なわれないと勘違いしてる。なぜ彼らに同調できるかというと誇りや自尊心がない人ほど正反対の搾取するほうの権力の側に自分を重ねて、なんとか自分を保つという倒錯した状況になりやすい。また、既存の価値観や常識が変わっていくとそれが当たり前だった人ほど変化が怖いし、嫌がるので幻想だけど古き良き家父長制なんかを支持するような団体なんかの主張を鵜呑みにする。まあ、それも宗教がらみだったりするので、思いのほか複雑すぎるんだけど。
山本太郎が代表なれいわ新選組と大阪維新の会は左か右かなだけで、ポピュリズムを扇動しているので同じ穴のムジナなので、水道橋博士さんがれいわから出馬することになった時に絶対投票しないと決めた。博士さんやれいわ新選組に投票したら維新のやり方に賛同しているのと同じだろと思ってた。
あとは知り合いだから投票するのは、柳田國男が初めて行われた普通選挙の時に他の誰かが候補者の誰にいれるかという空気を読んで投票した村人たちを見て、「魚の群れ」だと言った話に通じるので、僕は知り合いだからということで博士さんには投票しなかった。博士さんを応援していた博士さんの知り合いの人たちはその辺をどう考えていたのだろう。その辺の不信感はずっと残っている。

ミシェル・ウエルベックは阿部和重で、リチャード・パワーズは古川日出男(幻視者としてスティーヴ・エリクソンが兄弟だよね)みたいな話は先日お茶をした仲俣さんと昔からしてた。阿部さんはアメリカのほうがウケが良さそうな気がするし、古川さんはヨーロッパのほうが評価されそう。ブッカー賞の翻訳書部門で何年か先に古川さんの受賞はありえるとマジで思ってる。
『滅ぼす』読むと現在の政治やもろもろ考えるきっかけにはなる。一応エンタメ小説の良さもあるし、読みやすいってのは大事な部分。

散歩がてら代官山蔦屋書店に行った。radikoで『オードリーのオールナイトニッポン』を聴きながら歩いていて、春日さんが米津玄師みたいな高い声の男性アーティスト五人いたら誰が誰だがわからないみたいな話をしていた。
モスキート音みたいに若い人にしか聞こえない音があるように、たぶん同じ曲を聴いても若いアーティストの曲を聴いても僕や春日さんみたいな四十代と今の十代や二十代では聞こえている音にはたぶん違いがあるんだろうなと思う。そう考えると若いミュージシャンの曲を中年や老人が聴いてもちゃんと判断できないんじゃないかなと前から思っているのだけど、音楽ジャーナリストの人はその辺はどういう風にしているのだろう。

帰りにあおい書店に寄ったら、『フールナイト』の安田佳澄さんがオススメしていたヨシアキ著『雷雷雷』一巻があったので買ってみた。エイリアンに拉致された女の子が主人公という話しか知らない感じで読んだ。
『怪獣8号』よりも『寄生獣』寄りな感じ、貧困家庭で最下層の暮らしをしているのは『フールナイト』や『チェーンソーマン』さもあり、『進撃の巨人』以降の作品だというのもよくわかる。『怪獣8号』や『進撃の巨人』的な敵なるものと主人公が同化してしまう、あるいは、みたいなところは『デビルマン』に遡れるので、その系譜にある。
「12歳の子供」とマッカーサーに言われた日本のメタファとして成長しない身体としての『鉄腕アトム』があり、モビルスーツという大人の身体を手に入れて戦争に参加するのがガンダムだった。
近年は特に敵の能力をインストールする、寄生されることで運命共同体になるみたいな物語が増えてきているのは現在の状況の反映なのかなと思ったりした。内容的には一巻だからまだ先はわからないが、ジャンプ+の『怪獣8号』に対する裏サンデー版みたいな立ち位置かな。

 

11月20日
起きてから昨日やっていたライティング作業をちょっと見返す。風邪はほぼ治ってきているのに時折咳き込む。あと下痢ではないが便が緩い。風邪の影響なのかどうのかわからない。あと口内炎が内側と唇にでてきていて、どうやら風邪を引いてから体力なくなったりして免疫が落ちていたらしい。気を抜くとまた風邪引いたりインフルになったりしそうなので気をつけないと怖いなって思う。
いつも通りのリモートを開始。久しぶりな作業があるのでそれを今週のスケジュールに組み込んでみたが、それでもまだ余裕が多少あるのでありがたい。なんかストレスチェックというのをやり忘れていたらしいのでやってみたが、さほど問題はなかった。だったら口内炎は何が理由なんだろう。

幾田りら&あの、アニメ映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」でW主演

 
『デデデデ』アニメ化は本気で勝ちにきてる。メインの門出とおんたんを幾田りら(YOASOBI)とあのという組み合わせは納得しかない。
オーディションで役を射止めたあのは「浅野先生からは『あのちゃんがやるおんたんそのままでいいから』と言っていただけたので、自分の思うおんたんを全部ぶつける気持ちで演じました」とあるけど、おんたんは確かにあの要素がかなりあるから、漫画を最初からずっと読んできた僕も違和感がない。
『デデデデ』自体はクリストファー・ノーラン監督『インターステラー』や『魔法少女まどか☆マギカ』的な要素も持ち合わせているSF青春漫画だった。
東日本大震災以後の日本を描いた『あ・じゃ・ぱん』的な要素もあったし、前章と後章の二部作でコミック12巻分をどう描くのか。たぶん前章が高校生と大学生になる門出たちの青春編、後章が侵略者たちが攻めてきた世界の謎を解く解決編になるんじゃないかな。
YOASOBI×Anoで曲もやりそうだし、オールナイトニッポン卒業組のYOASOBIがあののANN0にもきそうだし、この座組考えた人ほんとうに今攻めるならという組み合わせをやっている。

リモートが終わってからゲームのライティング作業の続きをやって、セリフに関するメイン部分の最後のところまで提出した。これからゲームを作る人たちが作業をやっていって、実装してから来年になってから修正や微調整なんかが出てきたらまた対応するという予定になっている。
僕にとってゲーム=『MOTHER』だったりするので、ゲームの前セリフが収録されている『MOTHERのことば』をちょっと前にライティングの原稿料で買っていた。もうひとつのゲームのライティングのほうは作業量は減ったけど継続して続いている。どちらも25年がリリースということらしい。その辺はプログラミングとか何にもできない僕にはどうしようもないので待つのみだ。
4月までは別件のライティング作業を中心に進めていきつつ、自分が書きたいものを書いて応募する期間にしたいと思っている。来年よりも再来年の方が楽しみなことになっている師走前。

 

11月21日
第三火曜日なのを忘れていてペットボトルの回収に出すのを忘れてしまった。第一と第三が回収なので次は三週間後だ。6時過ぎに一度目が覚めたけど寒くて二度寝したら8時過ぎていた。
別件のライティング作業に関しての連絡が来ていたので、とりあえずGoogleカレンダーで一旦2月までのスケジュールを新たに作り直した。そうなるとは思わないけど、スケジュールを入れておく方が動きやすいし、作業量が目に見えるので僕としてはやりやすい。
銀行に行った後は家方面に戻ってからそのまま虎ノ門方向へ歩いて向かった。ほぼ二時間程度の距離なのでradikoで『フワちゃんのオールナイトニッポン0』を聴きながら、終わってからはVaundyのセカンドアルバムを聴きながら。

『哀れなるものたち』試写を虎ノ門にあるオズワルドシアターで。ディズニーの会社なのでここは受付後にセキュリティの前でスマホの電源を切らされ、そこを封筒に入れられて封をされる。何度か来てるけど、そういうのってここだけな気がする。
この前東京国際映画祭で『哀れなるものたち』を観た時みたいに爆笑は起きてなかった。男性による女性の支配やモノ扱いしていることへのアイロニーやブラックユーモアを笑っていいのかって問題なのだろうか、理解してない可能性もなくはないが。そういう部分では映画祭で色んな国の人がいる状態で観れたのはベストだった。ただ、あの時は上映開始後20分ぐらい遅れてきた人たちがスマホのライトで席を探すというのがずっと途切れなかったので集中しにくくて目障りだった。冒頭の大事なシーン観てない時点で映画観る資格はねえとは思う(どう考えてもどんな映画でも冒頭が最後につながっていくわけでそれ観てないと判断しようがない)。
試写が終わったあとに宣伝会社の人に挨拶しようと思ったら、その人と女性の方が話していて、ちょっと待っていたら出てきたうちの親父と年は変わらない女性に宣伝会社の方が挨拶して感想を聞き始めた。僕もその衣装デザイナーでスタイリストの方は名前も顔も知っていたし、その人が関わっている映画も何作も観ていたので、挨拶を待つ感じで近くにいた。そこでその人が感想を話される時に今作でも強く感じる部分のことを言われていて、ちょっとだけ会話に入らせてもらった。あと映画祭では爆笑だった部分のことを話したら、周りが笑ってなかったけど爆笑だよねってその人も言われてたので、やっぱりその感覚なんだよなと思った。とてもカッコいいし爽やかな話し方の方だった。名刺だけお渡ししたけど、少しだけお話しさせてもらえてうれしかった。
ムビチケもすでに買っているので、三回目は来年劇場で公開されたら観ます。

【マジック・ジョンソン二世】悲運の大型司令塔 アンファニー・“ペニー”・ハーダウェイ

NIKE「SKNRS」のサイトを見たら今度「エアペニー2」が出るというので、ちょっと声が出てしまった。懐かしっ。それもあって久しぶりにペニーの動画を検索して見てみた。やっぱりカッコいい。このオリジナルカラーのバッシュも買って履いていた。

木爾チレン著『神に愛されていた』を読み始めた。23日に大盛堂書店でトークイベントがあるので、それまでに読み終えておきたかった。
ある女性小説家の物語であり、自分よりも若くて美しく才能に溢れた、しかも母校の後輩である女性小説家が現れたことで主人公は作家として闇堕ちしていってしまう。しかし、というところまで第3楽章までを読んだ。
改行が多くて非常に読みやすい、それもあってネット小説っぽさも感じなくもない。チレンちゃんが京都出身ということもあり、小説家になるまでは京都で展開されていく。彼女自身のことがどこまで反映されているのかはわからないが、読んでいると彼女自身が作家になるまでに、なってから味わった敗北感や屈辱や憧憬や希望が作品に投影されていると強く感じられた。
チレンちゃんの小説はデビュー作からずっと少女であることが軸にある。大人の女性になるまでの期間の夢みがちでありながら、世界にうまく馴染めない女の子が恋愛をしていく中で自己顕示欲や他者からの承認欲求を求めるが、エスカレートしていき失ってしまう。そこからもう一段階成長してやがて少女の心は捨てないまま、大人の女性へ向かっていくというものが多い印象がある。
もちろん、その夢みがちな少女は自分の好意を向ける人や対象には天使のようであるが、そうではない人物や自分を認めない人には冷酷であったり残酷だったりもする。そういう相反するように見えて誰もが抱えているものを彼女は小説で描き続けている。二十代前半の女性や十代の少女、かつての少女だった人たちに届くものをこの先も書いていくんだろう。
あと少女を描き続けながらルッキズムの問題はあって、世間的には男女共に顔や体型をイジるということは表立ってなくなってきた、それを許されない世界になりつつあると思うのだけど、逆に言葉にされないことでより自分のその悩みに埋没していき負の面に傾きやすくなる部分もあるような気がする。主観が増えすぎるということ、客観的に見るのは他者の声や意見もないと難しい部分はあるとは思う。だからこそ、彼女が描く少女性とルッキズムは十代や二十代の少女たちに響きつづける側面があるのではないかなと思っている。

 

11月22日
すごく後味の悪い夢を見て目覚めた。すぐに内容を書き出さなかったのでどんなことが起きたか夜には忘れてしまっていたが、不条理で嫌な事しか起こらなかったような。夢日記みたいなものは起きてすぐに書かないと残らない。知り合いが出てきたような気もするし、それが誰だったのかもわからない。今度からは夢みたら夢日記として書き残す習慣をつけよう。
『神に愛されていた』の続きを少し読んでからリモートワークを開始。仕事で読むものがたくさんあったので、メモを取りながら進める。いろんな文章を読んでいると自分の好き嫌いがはっきりしているなとよくわかる。

radikoで『アルコ&ピース D.C.GARAGE』『JUNK 爆笑問題カーボーイ』『星野源のオールナイトニッポン』『あののオールナイトニッポン0』といつもの水曜日のリモートワーク中に聴くものを聴きながら作業。
あのANNN0は収録なのに生放送よりもテンション高い感じになっていた気がする。今日ニュース見たらあのちゃん金髪になっていたけど、眉毛を全剃りしたいと言っていたので金髪ですんでよかったなと思ったら新しい学校のリーダーズのSUZUKAが眉毛全剃りしているというニュースがあって、あのちゃん悔しがっているのかもと思ってしまった。だけど、その金髪は仕事のためらしいので本人の意志ではなかったっぽい。

バリューブックスで書籍を売る手続きをした時にログインしてマイページを見たらポイントが貯まっていた。
大江健三郎著『治療塔』文庫版をそのポイントで購入したのが届いた。表紙にSFってあるのがすごく気になる。大江さんと中上健次の小説は間接的に影響を受けているのもあるので、ちょっとずつ読んでいきたいとは思う。

リモート終わってからニコラでアルヴァーブレンドをいただいた。先日提出したゲームのライティングのものに他の人からコメントが返ってきたので、そちらに対して加筆修正をしながらコーヒーを飲んでいた。お店は早い時間帯から混んでいるみたいで、忙しそうだった。明日は祝日ということもあるとは思うんだけど。

【トーク後編】鈴木おさむが目撃した伝説の瞬間ベスト10後編!Z李に会った話・木村拓哉vs熱湯風呂・めちゃイケ濱口ドッキリ伝説・2011年のSMAP・「笑っていいとも!」芸人秘話など

鈴木おさむさんゲスト回後編を見る。終わりかけていたテレビを「平成」という時代に輝かせることになったのがSMAP。テレビがSMAPだった時代が確かにあった。スマスマなどで放送作家として関わってきた、生き証人として貴重な話もあるし、やっぱり話の構成とかどう人に興味を持ってもらうかというのがうまいなって思わせられるものだった。

 

11月23日
目が覚めてから祝日だし、予定も昼からなのでのんびりぐだぐだ。木曜日は休みにしているので、午前中は作業というよりは資料読みをちょっとするぐらいだけにした。
洗顔関係のものと目薬が切れかけているので10時に家を出てドラッグストアへ。町も平日とは違う感じの雰囲気で、歩いている人たちもちょっと普段よりも穏やかな気がする。

ドラッグストアで買い物した後にTSUTAYA書店に寄ったら、宇野常寛著『チーム・オルタナティブの冒険』が出ていたので購入。
宇野さんの小説は連載中にはあえて読まずに本になったらと思っていたのでこれから初めて読む。あとは『群像』連載の『庭の話』がまとまるのもこの先の楽しみ。

15時から大盛堂書店さんで開催される『神に愛されていた』(実業之日本社)刊行記念 木爾チレンさんトークイベント&サイン会(ゲスト:岡崎琢磨さん)へ。少し早めに行ってロフトとかに寄ったりしていたが、人手がすごい。祝日なのもあるし観光客も多いし、なんだか人が多すぎて歩きにくい。時間が多少あったので目の前のTSUTAYA渋谷店に入ろうかと思ったらすでに全面改装なのか立ち入りができなくなっていた。わりとレンタルコーナーでCD借りてたんだけど、そのデータを入れていた外付けHDがクラッシュしてから行かなくなってしまっていた。また知っている景色がなくなる。
トークイベントは岡崎さんが司会進行をキッチリされていて、いい組み合わせトークイベントだった。岡崎さんの小説は読んだことがなかったのだけど、ミステリを書いていてプロットもしっかり作るという性格が出ているようにも思えた。互いの新刊に重版出来がかかったことの話だけでなく、作品の共通点などの話もしていた。

ルッキズムに関してのことも出ていたが、男性作家が書くとアウトだと言われるけど、女性作家が書くとセーフになるので今は男性作家には地雷が多いという話もあった。この辺りの問題が、この10年とか20年とかで売れている作家や評価されているのが女性作家の比率が以前よりも高くなってきたことにも関係はしているとは思う。
女優と最近言わなくなって男女ともに俳優や役者という言い方になってきた。作家に関しては前々から女性作家みたいな言い方は性差別だみたいな声もあったけど、そのことはもちろん利用すればいいとは思う。
今回のチレンちゃんの作品の帯でも「女(作家)だけにわかる、狂気」という惹句があるが、男(作家)にはという惹句はたぶん使われることがな。だけど、もはや作家に関しては女性の方が優位だし人気も売れてる人も多くてとっくに逆転しているんだけどなと思惑もない。ルッキズムだけではなく、女性作家や(ヘテロに対しての)ホモセクシャルの作家ならOKということは実際にあったりもするし、この辺はほんとうに難しい問題だなって思う。

チレンちゃんは今作に自信があったのだろうし、すぐに重版出来が決まったのもあったんだろうけど、以前よりも明るいオーラというか雰囲気だった。旦那さんのけんごさんにもご挨拶させてもらって少しお話をさせてもらった。チレンちゃんが目標にしてることにまい進していける環境みたいなのでそれもわかってよかった。そこに行くんじゃないかな、というか行くことを諦めない人だと思う。
次回作は少女たちのデス・ゲームらしいのでまた彼女の資質が出てくる他にはない作品になりそう。今作でお母さんの扱いがひどいのとお父さんは遠くから見守ってくれるというのは彼女の作品にある通奏低音的なものは意識してたのと聞いたら、してなくて書いたというのを終わった後に聞いたので、次作にも何かの形で出てくるかもしれない。

―イーニド役のソーラ・バーチ、レベッカ役のスカーレット・ヨハンソン、シーモア役のスティーヴ・ブシェミ、それぞれ見事なキャスティングでした。なかでも、それまでになかったタイプのキャラクターでもあるイーニド役を見つけるのは大変だったのでは?

ツワイゴフ:スタジオ側が提案してくる俳優は正反対なタイプばかりだった。そんなときに映画の話を聞きつけてソーラ・バーチが何度も電話してきたんだ。どうしてもイーニドを演じたいようで、一緒に本読みをしないかって何度もランチに誘われたよ(笑)。
でも、その頃の彼女は『アメリカン・ビューティー』(1999年)で注目を集めたばかりで、同じような演技をやろうとしていたんだ。それが私には引っかかってね。でも、何度もミーティングを重ねていくうちに少しずつイーニドになっていった。キャスティングで大変だったのはレベッカのほうだ

―スカーレット・ヨハンソンが? 意外ですね。

ツワイゴフ:最初、彼女はニューヨークから本読みをしているビデオテープを送ってきてくれたんだけど、本読みの相手が身内なのか全然彼女の助けになっていなくて見るも無残な内容だったんだ。
しかも、当時、スカーレット・ヨハンソンは無名な存在で、スタジオのスタッフもダニエルさえも彼女を起用したがらなかった。いまから考えると不思議な話だよ。でも、私はどこか彼女に惹かれるものを感じたんだ。

なぜ『ゴーストワールド』は20年以上の時を超え、愛され続けるのか。制作秘話とともに監督が語ったこと

 今日から『ゴーストワールド』が移転したル・シネマで公開が始まった。スクリーンで観たことはないから一回は観たいと思ってる。今や大スターのスカーレット・ヨハンソンを僕が認識したのはこの作品だし、ある種カルト的な人気がずっとある映画なので若い世代の人が観るとどういう感じになるのだろうか。普遍的に若者に届くのか、あの時代特有のものだったのか。

サカナクション - ユリイカ (MUSIC VIDEO)

勤労感謝の日の今日、とある人の誕生日なのでなんとなくサカナクションの曲を聴こうと思った。元気にやっているといいな。

  

11月24日

起きてから最終というか第四金曜日だったので、コンビニで朝御飯用のパンと朝日新聞も一緒に購入。古川さんの毎月一回書かれている「文芸時評」が掲載されているので月一回だけ朝日新聞を買っている。
最初のところで絲山秋子著『神と黒蟹県』が取り上げられていた。架空の「黒蟹県」を舞台した小説というのは知っていたけど、客観的な視線としての「神」というのは僕が好きなものだし、読んでみたくなった。

 では厳しい後者のほう。『京都という劇場で、パンデミックというオペラを観る』の最終回は、今月末に脱稿させる。が、「させる」との宣言を守れるかどうかが、見通せない。あと40枚前後なので、残る日数(6日だ)で、やれると言えばやれる。しかし、書き殴るようなことは私はしない。だから、推敲の分量を入れたらその数倍になるし、資料はまだまだ読まなければならないし、私は付け焼き刃的な知識を好まないから、それが消化されるのも待つ。となると、どうしたって残る日数では足らない。

しかも「寝ないでも書いて」仕上げるような原稿のクオリティでは、たぶん、このパンオペ(『京都という劇場で……』)は望んでいる終幕には至らない。だから、寝なければならない。つまり、あと6日マイナス6日ぶんの睡眠時間。

それでやれるのか、わからない。わからないが、まだ逃げない。

「古川日出男の現在地」 馬鹿上等 2023.11.11 – 2023.11.24 東京・埼玉・神奈川

 こちらも最新回が更新されていた。『文藝』で連載中『京都という劇場で、パンデミックというオペラを観る』(「パンオペ」)の最終回について。
単行本『紫式部本人による現代語訳「紫式部日記」』と文庫版『女たち三百人の裏切りの書』ともうすぐ二冊の紫式部に関する著作が発売になる。
「パンオペ」は彼女、紫式部にも関連している部分が多いわけで、古川さんは〆切に間に合わすことはその二冊にも通じているから、という想いがあるし強いからこそ、なんとしても間に合わせたいんだと思う。

リモートワークを16時までで早上がりしてから渋谷駅まで歩いて向かい、半蔵門線永田町で有楽町線に乗り換えて豊洲駅へ。海が近いからか浜風もあるのかかなり寒かった。17時半前には会場の豊洲ピットに着いたので新作のバンドTシャツを購入して開場まで外で待っていた。コロナパンデミックになる前ぐらいからか、ZAZEN BOYSだけでなく復活していたNUMBER GIRLもだし、向井秀徳アコースティック&エレクトリックとここではThis is 向井秀徳に関連するライブはここで何度も観ている。整理番号がA104ということで開場の6時になってすぐ中に入れたのでほぼ最前の方へ。
今日のライブはスペースシャワーTVで放映するらしく、撮影のカメラが入っていた。それがあったからなのかどうなのかはわからないが、向井さんのテンションがいつも以上高く感じられた。外国の俳優の顔真似をしたり、ミヤさんに片瀬梨乃さんですかと言ってみたり、曲間のMCもいつもよりも不思議というかつかみどころがない話で曲に入ったりといい意味でやりたい放題だった。
一月に12年ぶりぐらいに出るニューアルバム『らんど』からも数曲披露していたが、全体的にはベスト盤と思えるようなセトリだったので非常に楽しかったし、演奏も磨きに磨かれた楽曲たちだったので最高にカッコよかった。
人生で一番多い回数ライブを観ているのは間違いなくZAZEN BOYS。次がアジカンかDragon Ash、syrup16g、group-inou、チャットモンチー、salyu、菊地成孔さん関連みたいな並ぶになっていると思う。10年代に入ってからは年に少なくても二回はライブに行っているので、この十数年だけでたぶん三十回近い。そういうハマり方については古川日出男さんの小説にハマったことが大きくて、その文体のリズムとか朗読するパフォーマンスを観てからZAZEN BOYSの音楽が僕の中でそれまで多少あった違和感をなくしてスッと入り込めるようになった。
ZAZEN BOYSが一番好きなバンド、ミュージシャンという時点で世間的なメジャーなものとか大衆的なものとは相容れない部分があるだろうし、こういうエッジがありすぎてカッコ良すぎても一般的には受け入れられない部分はどうしてもある。
アートにしたって創作物っていうのはメジャーやマイナーはないというわけではなく、理解できるか楽しめるかというところにはやっぱり大きな溝がある。ライブが別格で最高峰だけど、彼らの曲で思い出だったり他の誰かのことを思い出すみたいなことには直結はしなくて、そういうこともそれにちょっと関係しているのかなと個人的に思ってみたり。

 

11月25日
起きてからライティングの準備、とりあえず午後からはずっと家で作業なので散歩へ出る。radikoで『三四郎のオールナイトニッポン0』を聴きながら代官山蔦屋書店まで。
小宮さんが急遽体調不良で休みになって助っ人としてラブレターズが参加。ファンクラブのバチボコプレミアリスナーのほうで、レギュラーになる前から配信アーカイブされている2017年まで聴いた。コロナパンデミック以降はradikoのタイムフリーで毎週この番組は欠かさずに聴いている。
岡村さんのあの発言以降は深夜ラジオでも風俗ネタはなくなったし、長年やっているパーソナリティは年齢もあるし、結婚したりして下ネタ話題もほぼなくなった。三四郎の初期のラジオは今聴くと下ネタがわりとひどい。だけど小宮のトークスキルが段違いで上がっていったのも年代順で聴いていくとわかるものだった。相田は変わらずというか、年々力の抜き方が軽やかになってきて、コンビのバランスがラジオでは特にいいと思う。小宮が休みで助っ人には来てもらっても普通に進行もトークも余裕でできている相田だなと確認できる内容だった。ラブレターズとの関係性もあるからいつも通りわちゃわちゃしていて楽しい放送になっていた。

代官山蔦書店で書店員さんからのオススメみたいなコーナーに手塚治虫著『人間昆虫記』というのが置かれていた。僕はタイトルも知らなかったし、一度も読んだことがない作品だったのでなんとなく買ってみた。調べてみると12年ぐらい前に白石和彌監督によってドラマでやったことがあるらしいが、そのこともまったく知らなかった。
読んでいると今の2020年代でも映像化しても多少の設定は変えるにしてもできる作品だろうし、二十代前半ぐらいの女優さんが演じればできそうだなって思えた。
 

ひとりの悪女の生き方を軸にして、人間社会のゴタゴタを昆虫世界になぞらえて描いた風刺ドラマです。
その年の芥川賞を受賞したのは、天才と噂される新進作家・十村十枝子でした。
そしてその授賞式が行われているとき、別の場所で臼場かげりという女が自殺をしていました。
臼場かげりと十村十枝子は、かつて一緒に暮らしていたこともある仲であり、実は、十枝子が受賞した小説は、臼場かげりが書こうとしていた作品の盗作だったのです。
十村十枝子は、次々と才能のある人間に接近しては、その才能を吸い取り、作品を盗んでは成長していく寄生昆虫のような女だったのです。

手塚治虫オフィシャルサイトより

 カーニバル / Vaundy:MUSIC VIDEO

今なら永野芽郁とかなのかって思って、このMVを見てみた。擬態ではないけど、誰かに寄生するように近づいていく主人公の十枝子は相手の能力を吸い取って自分のものにしてしまうことに長けている存在であり、どんどんその力によってのし上がっていき世間から注目を集めていく。
盗作問題など創作関連では昔からあるものだけど、彼女は舞台や演じることが好きということではなく役者や演出家としての才能や技術を他者からある意味では奪っていき、小説やデザイナーとしても同様に相手から手に入れて自分のものにしてしまう。
問題は奪われたほうの人たち、彼らは本来手にする栄光を奪われて、同時に十枝子に惹かれているままなのでそのことで揺れ動いて壊れていってしまうことになる。寄生昆虫かのような彼女が求めていたものは結局なにもなかったのではないかと思わされるラストも印象的だった。

日付が変わってしまったが、数分遅れてライティング作業に関して先方にメールしてとりあえず終了。前回の時からやりかたを変えたので今回もやり方としてはそれに倣っているけど、これで大丈夫かちと不安。

 

11月26日

7時前に起きて準備してから家を出ると小雨が降り始めてきたので、洗濯物を取り込んでから家を出た。傘は絶妙になくてもいいぐらいの降り方で、天気予報を見ても昼には止むということだったので持たないことにした。結局、帰る時も霧雨と小雨の間ぐらいの雨は降っていたけど。
一時間ちょっと歩いてTOHOシネマズ六本木へ。北野武監督『首』を鑑賞。予告編を劇場でも何度か観ていて、あまりそそられるものはなかったけど、知っている人がこの映画の成り立ちに関わっていたりするのもあったので観ておこうと思った感じだった。
うちの親父と同じ歳の北野武さんが監督脚本編集だけではなく、ビートたけしとして羽柴秀吉役を演じている。そこはやっぱりコントにしか見えなくて、だって戦後すぐ生まれの老人の年代の人が豊臣秀吉ですらなく、羽柴秀吉をやっているのだからその辺は大丈夫なのかなって不安だった部分ではある。
一応、裏でいろいろと仕掛けていた羽柴秀吉が漁夫の利的に織田信長の跡目に就くという本能寺の変がどうやって起きたのかというストーリー。キャスティングは豪華だし、戦乱の世を映像で撮るにはめちゃくちゃ金がかかるわけで、そういう意味では日本の中でも制作費もかかっているんだろうなと思えるものだった。時代劇が減っていっているので、こういう作品が定期的にないと関わっている人たちも仕事がなくなるし、その技能も継承されずに絶たれてしまう可能性があるので、その意味では必要な作品なのだと思う。

北野武が構想に30年を費やして監督・脚本を手がけ、「本能寺の変」を題材に壮大なスケールで活写した戦国スペクタクル映画。武将や忍、芸人、農民らさまざまな人物の野望と策略が入り乱れる様を、バイオレンスと笑いを散りばめながら描き出す。

天下統一を目指す織田信長は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい攻防を繰り広げていた。そんな中、信長の家臣・荒木村重が謀反を起こして姿を消す。信長は明智光秀や羽柴秀吉ら家臣たちを集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索命令を下す。秀吉は弟・秀長や軍師・黒田官兵衛らとともに策を練り、元忍の芸人・曽呂利新左衛門に村重を探すよう指示。実は秀吉はこの騒動に乗じて信長と光秀を陥れ、自ら天下を獲ろうと狙っていた。

北野監督がビートたけし名義で羽柴秀吉役を自ら務め、明智光秀を西島秀俊、織田信長を加瀬亮、黒田官兵衛を浅野忠信、羽柴秀長を大森南朋、秀吉に憧れる農民・難波茂助を中村獅童が演じる。

映画.com

 オフィス北野の崩壊とか殿を頂点とするヒエラルキーのたけし軍団の愛憎劇みたいなもんも重なってんのかなあ、観ながらと思ったり、話が上手い芸人(抜け忍である曽呂利:木村祐一)は用済みになれば口無しにされるんだけど、その時には政治や権力が手を下すのではなく、彼らに召し抱えられている他のジャンルが手を下すとか、そんなメタファもあるかなあと思ったりはした。
武将同士の愛憎劇でもあり、武士の嗜みとして男性同士の同性愛的なものがいろんなことの引き金になっているという設定だった。明智光秀(西島秀俊)と荒木村重(遠藤憲一)が相思相愛であるが故に起きた悲劇として本能寺の変があり、織田信長(加瀬亮)は村重との関係もありながら、光秀が自分に靡かないことでイラついていた。という男性同士の恋愛のこじれのようなものが描かれているので、BL(ボーイズラブ)と言えるのかどうかわからないけど、KADOKAWAが出資して作っている映画だし、KADOKAWAでもBLの作品はたくさん作っているから、そういう客層に向けてアピールしてもいいのかもしれない。ただ、メインの出演者が年齢的に四十代後半以上だったりするので、そういう需要とはズレるんだろうか。タイトル通り首がどんどん切られていく描写もあるので、苦手な人も多いのかな、どうなんだろう。
『五条霊戦記』でスクリーンデビューするまでは、同作でメインどころだった浅野忠信さんの付き人だった加瀬亮が狂騒の織田信長を演じてて、浅野さんは黒部官兵衛で共演シーンはなかったけど、二人が出演しているのは個人的には熱かったかな。
作品への賛否が分かれてるっぽいけど、北野武映画だったりビートたけしに思い入れがあるかないかが分水嶺じゃないかなと思う。僕は思い入れがまったくないので、観終わったあとにこういう映画だったんだなって思うぐらいだった。この前に観たのが『哀れなるものたち』だったのも影響はしている気がする。始まる前の予告編でリドリー・スコット監督『ナポレオン』が流れていて、この作品と比べるとやっぱりお金のかかり方も映像も全然勝負にならないなと思ったところもあるかもしれない。

group_inouのニューシングル『HAPPENING』がSpotifyに上がっていた。活動休止したのはだいぶ前だし、最後に出したアルバム『MAP』が2015年なのでこのシングルは再始動の狼煙なのかどうなのだろう。とりあえず、ライブやってくれるなら行く。

雨の中、六本木から歩いて家に帰ってきた。昼ごはんを食べてから宇野さんの小説『チーム・オルタナティブの冒険』を読み始めた。「白雪姫と七人のこびとの法則」が出てきたので、それを話している先生の樺山が宇野さん本人にしか思えなくなってきた。
また、四章「ヒデさんのオートバイ」を読んでいると、宇野さんの著書『砂漠と異人たち』で取り上げた映画『アラビアのロレンス』に出てきたブラフ・シューペリアというオートバイが出てきた。章タイトルや章の内容が宇野さんの書籍やPLANETSで特集してきたことに関連しているってことなのだろうか。最後まで読まないとまだわからないけど。

夜は12月に入ってからのスケジュールを再確認した。毎月いくつかあった〆切のひとつは一旦今月で終わった。今後最優先でやっていくライティング作業の量が増えるように調節してみた。いいものにしたいという気持ちももちろんあるし、僕のライティングのスキルも間違いなく上がるのでしっかりと取り組んでいきたい。少しだけ作業をしてから、寝るまでは引き続き読書をした。

 

11月27日
何かの競争をしているような夢を見た。おぼろげすぎて内容をまったく覚えていない。だけど、競争みたいなことはしていて、他の人たちもいたけど顔に見覚えがある人はたぶんいなかった。
11月も最終週、来月は一気に時が過ぎて終わってしまうだろうからもう今年は終わったに近い。でも、リモートの仕事はいつもどおりカレンダーどおりあるのでちょっと読書してから作業を開始。

「BOOKSTAND映画部!」のレビューコーナー「月刊予告編妄想かわら版」2023年12月号が公開されました。12月は『ナポレオン』『VORTEX ヴォルテックス』『枯れ葉』『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』を取り上げました。

仕事が終わってから書店に行ったら気になっていた大谷能生著『〈ツイッター〉にとって美とはなにか SNS以後に「書く」ということ』という本が出ていた。黒と青が半々の装幀デザインもシンプルだけど何か力強い。

今日は満月らしく、月が煌々と輝いていた。歩いていると商店街とか道の風の雰囲気が年末のそれにちょっと近づいている気がした。

集中してやらないといけないライティング仕事に関して、資料というか詳しい事柄を先方に送ってもらった。これはますますしっかりやらないといけないなと思える内容だった。12月上旬まではそちらを中心にした作業になると思うんだけど、いろんなことがクリアになってきたのでタイミング的はちょうど今からがよい感じだと思う。

 

11月28日
6時過ぎに起きて健康診断のために検便や検尿の準備をして家を出た。7時半から開始で予約していたので、7時ちょっとに着けばいいなと思っていた。渋谷まで歩いて30分ほどで副都心線東新宿駅まで乗っていくと一時間ちょっとかなと考えていたが7時前には着いたので近くをぶらぶら。
列が次第に出来始めたので並んでいるとすぐに中に入れた。WEB健診とかも前日には記入していたのもあったからか3番目ぐらいの番号になってしまい、着替えしてから身体測定から開始のものほとんど僕が一番目になったのでほぼ待ち時間が生じなかった。
多少待ち時間があるかなと思って、スマホと小説を持ち込んでいたが、ほとんど触る時間がなかった。バリウムを飲んでゲップを我慢して終了したら一時間ほどしか経っておらず、8時半には私服に着替え終わって外に出ていた。
昼前に終わると思っていたので、それ以降の時間帯でバルト9で評判のいい『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観ようと思っていたが、一番最初の10時半の回が行けるなと思ってすぐにWEBでチケットを取った。
だが、映画まで二時間近くあり、健康診断のため前日の夜から何も食べていなかったのでなにかご飯を食べて時間を潰せるところを探していた。

 靖国通りのルノアールに入ってトーストとアイスコーヒーを注文。お客さんも数人しかおらず、静かなものだった。バリウム用の下剤ももらっていたのですぐに飲んだ。トイレも近い場所に席を取っていたので映画までの間に下剤でだいぶ出せるだろうなと考えてもいた。三度ほどトイレに行って9時過ぎにバルト9へ。
サイトのマイページを見てみると前に来たのは21年9月の『MIRRORLIAR FILMS Season 1』が最後だった。TOHOシネマズ系にいくことが増えてるし、大作やメジャー作品はたいていどちらであとは単館係という感じになっていたのでバルトに来ることがなくなっていた。

キネゾーデイということで一般が1400円の日ではあったものの、平日の10時半の劇場にしてはかなりお客さんが入っていた。あれだけ旧ツイッターもといXでもいい評判しか流れてきていないし、『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』のメインである鬼太郎の父である目玉おやじが人の姿をしていて、バディ的な役割の水木コンビがかなり人気があるのも二次創作的なイラストなどでわかっていたが、これはスマッシュヒットといえる現象が起きているんだとわかった。

漫画家・水木しげるの生誕100周年記念作品で、2018〜20年に放送されたテレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第6期をベースに、シリーズの原点である目玉おやじの過去と鬼太郎誕生にまつわる物語を描いた長編アニメーション。

昭和31年。鬼太郎の父であるかつての目玉おやじは、行方不明の妻を捜して哭倉村へやって来る。その村は、日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族が支配していた。血液銀行に勤める水木は、一族の当主の死の弔いを建前に密命を背負って村を訪れ、鬼太郎の父と出会う。当主の後継をめぐって醜い争いが繰り広げられる中、村の神社で一族の者が惨殺される事件が発生。それは恐ろしい怪奇の連鎖の始まりだった。

声優陣には沢城みゆき、野沢雅子、古川登志夫らテレビアニメ第6期のキャストのほか、鬼太郎の父を関俊彦、水木を木内秀信が演じる。「劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!」の古賀豪が監督、テレビアニメ「マクロスF」の吉野弘幸が脚本、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の副監督・谷田部透湖がキャラクターデザインを担当。

映画.com

 『ゲゲゲの鬼太郎』×『新世紀エヴァンゲリオン』×90年代後期PCエロゲー(エルフ系『河原崎家の一族』とか)のリミックスしている作品みたいだなと思った。目玉おやじことゲゲ郎がいなくなった妻を探している物語でもあるので、そこはなんというか「エヴァ」の碇ゲンドウがちゃんと碇ユイを救いに行く話(失ってしまって「人類補完計画」に突き進むみたいにとち狂わない)であり、『墓場鬼太郎』要素も多分に入っているらしく、血液銀行に務めている水木という戦争で生き残った男と一緒にそれぞれが求めるものを探すという展開になっていく。
特攻隊だったが命が惜しくなって逃げて戦争で死ねなかった、死ななかった男が主人公である『ゴジラ-1.0』とセットで観るのがベストだと思う。こちらはなぜ第二次世界大戦で敗戦したのか、その理由に言及してるからより強いものとなっている。上官や戦争に突き進んで利益を出して儲けた奴らは何の責任も取らずに戦後も裕福な暮らしをしていることに水木は苛立っていた。この辺りがしっかりと描かれていることで、作り手たちが水木しげるからきちんと意志を引き継いでいるのがわかる。それもあって評判いいのは納得しかなかった。
長く親しまれて人気があって歴史もある作品をちゃんと引き受けて作られてるし、いわばエピソード0の物語でありながらもしっかりと物語が練られている。
目玉おやじことゲゲ郎と水木とのコンビがかなりウケているのが、ちょっと不思議でもあったが、これは人気出るのもわかるというものでもあった。
今年観ておくべき映画だと思う。できれば『ゴジラ-1.0』と合わせてほしい。僕たちが生きている間に(人類滅亡とか)なにごともなければ第二次世界大戦の敗戦から百年を迎える。戦争を経験した祖父母世代はさすがにそこまで生きていない、だからこそ彼らの子供の戦後生まれの人たちがなにかを引き受けてくれていたらよかったのにとも思わなくもないが、そういうツケがすべてのところで噴出して腐りかけているのが今の日本だと思わなくもない。僕は孫世代だから祖父母世代とのほうがシンクロというか親子の愛憎ではないところにいるので引き受けられるものがあればと思う。
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』はこのクオリティでずっと続いている人気作を再び甦らすことに成功した素晴らしい作品だった。

【後半ネタバレ】鬼太郎最新作「ゲゲゲの謎」エンディングは何を描いていた?水木のその後は?映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の見どころ・キャストも含めて解説&考察!

これを読むとラストのエンドクレジットで出てくる映像がどういう意味だったのかがよくわかるものとなっていた。エンドロールが出始めてすぐに席を立った人とかいたけど、あれ観てないと「誕生」部分わからないんだけど、大丈夫だろうか。映画は場内の明かりが着くまでは席にいないと最後まで観れないのにね。

今年スクリーンで観た映画(試写あり/オンライン試写含まず)をとりあえずメモってみた。

上半期
『恋のいばら』
『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』
『日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜』
『シャドウプレイ 完全版』
『ザ・ホエール』×2(試写1)
『はだかのゆめ』
『RRR』
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
『別れる決心』
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』×4
『フェイブルマンズ』
『零落』
『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』
『シン・仮面ライダー』
『わたしの見ている世界が全て』
『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』
『AIR/エア』
『ツィゴイネルワイゼン 4Kデジタル完全修正版』
『レッド・ロケット』
『Village』
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー : VOLUME 3』×2
『EO イーオー』
『TAR/ター』
『ソフト/クワイエット』
『aftersun アフターサン』
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』
『雄獅少年/ライオン少年』
『怪物』
『水は海に向かって流れる』
『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』×4(試写1)
『マルセル 靴をはいた小さな貝』
―――――
下半期
『はこぶね』(試写)
『モダンかアナーキー』
『Pearl パール』
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
『辰巳』(試写:2024年公開)
『ドキュメント サニーデイ・サービス』
『1秒先の彼』(試写)
『アステロイド・シティ』(試写)
『PLASTIC』
『ロストサマー』(試写)
『イノセンツ』
『ラヴ・ストリームス』
『トシエ・ザ・ニヒリスト』
『フラッフィテイルズ(Fluffy Tales)』
『ナルシス(Narcissus)』
『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』
『バービー』
『君たちはどう生きるか』
『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』
『ファルコン・レイク』
『福田村事件』
『ほつれる』
『ABYSS アビス』
『シークレット・サンシャイン 4Kレストア版』
『グランツーリスモ』
『マルセル・マルソー 沈黙のアート』
『エドワード・ヤンの恋愛時代 4Kレストア版』
『コカイン・ベア』
『白鍵と黒鍵の間に』
『シック・オブ・マイセルフ』
『くるりのえいが』
『ザ・クリエイター/創造者』
『鯨の骨』
『哀れなるものたち』×2(東京国際映画祭、試写:2024年公開)
『キリエのうた』
『ゴジラ-1.0』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『夢二 4Kデジタル完全修正版』
『正欲』
『首』
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの誕生』

今年スクリーン(試写含む:オンライン含まず)で観た映画を数えて、そろそろベスト10考えたいなと思った。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』と『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は四回観ていて、マルチバース好きすぎた。
『哀れなるものたち』と『辰巳』は素晴らしいのだけど、来年公開作品なので含まないとなると他に上位に来そうなのが『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』『ザ・ホエール』『AIR/エア』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー : VOLUME 3』辺り。1日公開の『ナポレオン』がどのくらい響くのか、たのしみ。正直『哀れなるものたち』が今年公開だったらぶっちぎりで一位にしてたと思う。


11月29日

展示が始まった頃にチケットだけはWEBで購入していたが、ミーティングがズレたりして行く予定だった日が何度か潰れたりしていた『イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル』を観るために歩いて国立新美術館へ。
一時間半ほどかかるので10時から開館だが少し遅くの10時半ぐらいに着く感じで出発して歩いて行った。行きはradikoで『あののオールナイトニッポン0』を聴きながら。再来週のスペシャルウィークのゲストはクリープハイプの尾崎世界観さんということが発表された。あのちゃんがデビュー前から聞いていて、楽曲も提供してもらっていたり、今までのラジオでのトークでも何度か話に出てきていたので、二人がどんなことを話すのか楽しみ。

いろんな仕事をしまくっているから今週はお知らせだらけだったけど、僕も大好きな浅野いにおさんの漫画『デッドデッドデモーンズデデデデストラクション』のアニメ映画でメインのひとりである「おんたん」をあのちゃんが声を担当するので非常にたのしみ。
前章と後章の2章構成になっているが、前章公開日が誕生日なので有給取って休んで映画観に行こうかなって思っている。
ちなみに今日も有給だった。昨日の健康診断がみなし勤務にしてくれるらしく、有給使う気だったからそれをスライドさせて休みにしてやった。

あのちゃんのラジオが聴き終わるぐらいでちょうど国立新美術館に着いた。『イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル』の入り口に人は並んでいなかったので、平日だから空いているのかなって思ったんだけど、中に入ったらめちゃくちゃ人が既に入っていた。開場してから30分ぐらいしか経ってないんだけど、すごい人気なんだなって思ったし、女性が八割ぐらいだと思うんだけど、年齢層も偏ってなくて二十代から上の世代まで満遍なくいたんじゃないかな。
僕は女装したいとか思ったことはないんだけど、ドレスとか実際に作られた服を見ていたら、女性だったら着たいと思うだろうなって感じた。そのために体とかも絞ったりしないと着こなせない特別なものばかりだけど、その価値があるのもわかるような気がした。
カッコいいという表現が正しいのかわからないけど、そう思った。キレイだとゴージャスとかも含めての意味だけど。イヴ・サンローラン自身が描いたデッサンとかもたくさん展示されていたので、それが服飾だったりデザイン関係の仕事している人はすごい勉強になりそうだし、興味を惹かれるんじゃないかな。圧倒的だった。これを人が実際に着て歩いてショーとかをやっていたわけで、それを観てみたかったなと服とかも疎い僕でも思えるものだった。

 古川日出男著『女たち三百人の裏切りの書』文庫版を帰りに購入。同日発売の『紫式部本人による現代語訳「紫式部日記」』は来週の古川さんと角田光代さんの書店イベントトークイベントの時に買うつもりなので、一旦待つ感じにした。
この作品には思い入れがあって、『野性時代』で連載していた『黒いアジアたち』という小説で、スマトラで大地震が起きるシーンが描かれてすぐに東日本大震災が起きてしまった。アジアの黒い水≒石油を巡る物語でありロックフェラーたフォードシステムについて書かれていた『黒いアジアたち』は連載が中断され、書籍という形にはならなかった。僕はある時期から連載を追いかけていなかった。単行本になると思っていて、それ待ちになっていた。
『ただようまなびや』に毎年行くようになって、古川さんと連絡も直でするようになったのはいつか覚えていないが、二回目か三回目ぐらいの時以降だった。
『小説のデーモンたち』という単行本が出てから、『黒いアジアたち』が封印された経緯が書かれていた。僕は読者として書籍にならなかったのは連載をしっかり読まなかったからだと思った。
そんなことがあって、『女たち三百人の裏切りの書』の連載が『新潮』2014年4月号で始まってから毎月連載を読んだ。そして、感想を毎月古川さんに送った。それは『群像』で連載されていた『おおきな森』の最終回が掲載された2019年12月号まで続いた。驚くべきことだが、その期間中毎月何かしらの古川さんの連載か単発の読み切りや戯曲や評論が文芸誌のどれかには掲載されていた。
『おおきな森』で一旦それは終了することになった。その後、すぐに『ゼロエフ』の準備が始まって僕も取材に参加した。『ゼロエフ』で僕が一緒に歩いたのもそういう期間の信頼というか、信用してもらったことが大きかったんだと思う。
『おおきな森』のあと連載『曼荼羅華X』では単行本には収録されていないパートがあった。物語を最後まで描き切るためになかったことにするしかないという判断だった。しかし、それは『LOVE』『MUSIC』『ゴッドスター』『ドッグマザー』に連なる物語だったし、僕はかなり好きだった。だけど、単行本の『曼荼羅華X』にはそれは一文字も残っていない。
『女たち三百人の裏切りの書』は『アラビアの夜の種族』の進化版として僕は読んだ。となれば、デビュー作の前に書かれたノベライズ『砂の王』にも通じる。『砂の王』が転生したのが『アラビアの夜の種族』だったから、『女たち三百人の裏切りの書』は作家としてデビューする前から古川さんが書いていた小説の核を持ち合わせているものでもあった。
この作品は野間文芸新人賞を受賞したが、ずっと文庫化はされなかった。だけど、来年の大河ドラマ『光る君へ』で紫式部が主人公の物語だから、関連作品として刊行される。『宇治十帖』の物語で紫式部の話だと勘違いして手に取った人が、いきなり古川さんと未知との遭遇みたいな出会いをしてしまえばいい。
個人的には単行本の時の近藤恵介さんの装画デザインのほうが圧倒的にカッコいいし素晴らしいものだったので、単行本だからできる装幀って大事だなって思う。
 

国立新美術館からの帰りはSpotifyでリリースされたばかりの曽我部恵一ニューアルバム『ヘブン 2』を聴きながら歩いた。30分ぐらいで最後まで行くので最終的には四回は通してきた。散歩がてら歩く時に聴くのに最高の一枚。

 

11月30日
リモートワークの前に毎週やっているミーティングをやった。決めないといけないこともいくつかあるけど前には進んでいるし、いい流れなんじゃないかなと思えるものだった。
仕事が始まってリモートワークでもミーティングがあったし、仕事終わりに夏からやっているゲームのライティング仕事のミーティングがあって、なんか珍しく一日に三件ミーティングがあった。明日から師走だなって思うのは話に来年というワードが頻出するし、もうみんな仕事に関しても春先ぐらいまでのことをやっていたり、それ以降にやることを打ち合わせているのでそうなるのは必然だ。
午前中に配達予定だった荷物が12時半過ぎて届いた。もちろん、配達している業者さんに不満はない、すごく申し訳なさそうな顔をしていたし。ブラックフライデーとかでセールでみんながいろんなものを注文していてそれが配達しても追いつかない状態になっているから、午前中指定でも届かなかったんだろうなと思った。ブラックフライデーだからなにかを買おうとは思わないし、そういう時に無邪気に頼める人は配達とかするのは人間で、限界や物量に対して人が追いついていないこととかなにも考えていないのかもしれない。明らかに回っていない。無料配送とかいうのはやめないとヤバいし、配送料とかはもっと上げていくしかないと思う。こういう時に荷物が遅くなったりして怒ったりするような人は自分がどのくらい配送料を払っているのか、現在の状況をちゃんと見た方がいい。

日が暮れてから歩いていると風が十二月というか年末のものにどんどんなっていっているのを実感して、師走感をすでに感じる。
仕事が終わってからニコラに行って苺とマスカルポーネのタルトとアルヴァーブレンドをいただく。苺がたっぷり乗っていた。寒くなってきたからコーヒーがより美味しい。曽根さんと由賀さんと話ができる時間がわりとあったのでよかった。なんというかリラックスできるというか、ミーティングは全部オンラインなので対面で話ができるっていうのはありがたい。

今回はこの曲でおわかれです。
Bloc Party - So Here We Are (2023 Video)

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