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(4)通勤時間が爆長くなったので毎日本を一冊ずつ読むことにした

 通勤時間を利用して読んだ本の記録です。朝に飲んでいる抗うつ剤の副作用か、電車内で寝てしまい困る。あるいは慣れてきて力が抜けてきたのかもしれない。それでも読んでいるけど。

 ここまで一ヶ月弱、新書を中心に毎日一冊ずつ色々と読んでみて、キリスト教圏のことについて何も知らない、というか全然興味がないことに気がついた。アジア圏とか中国のことについてマイブームがきている。あと今流行っているフェミ本はだいたいあんまり好きじゃないのでは説が有力になってきた(今更感あるが)。

15.ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

 Twitterで話題になっていて読んだ本。開いて「あーね……」という感じだった。

 この本をあなたがいま開いているということは、きっとあなたが心のどこかで、「やせたい気持ちとうまく付き合えていないこと」に気づいているからだと思います。

 いや、違います……。わたしはTwitterでいい本だよ!と話題になっていたから開いたのであって、別にダイエットしたいけど、愛されたいけど、なんか自分でモヤモヤしてて困っている〜!という訳ではないんすよね……。でもこうやって言うと言い訳にしか聞こえなくて、それも本当に嫌になるわ……。人がいろんなことを決めつけてくるのに対して「いや、違うし」と言っても結局その人の中ではそうなってるの、マジで嫌だ。

 内容は日本社会の「ヘテロ女子」にまつわる「愛され至上主義」は強固なものじゃないよっていうふんわりとした慰め。Twitterでフェミニズムの議論を追ってれば別に読む必要ないと思います、メインストリームの人の名前ばっかり出てくるし。真新しいことは特にない。

 あとこういうところが流行りのフェミニズムで本当に嫌なのだが、「愛され」と書きつつ、わたしの覚えている限りでは異性からの(に対する)目線しか想定されていなかったところが、「はいはい、ヘテロのための"フェミニズム"ね……」と思いました。若い時に男の人に「ブス」とか「デブ」とか言われて傷ついた心が癒えない、フェミニズムを勉強したことのないヘテロセクシャルの女子は読んでみたらいいと思います。Kindle版がなぜかいま超安いし。それにしても、美意識の高い母親に「太っている」と言われ続けて痩せなきゃと思うようになった女の子とかいっぱい知ってるけど、そういうのが度外視されているのは一体なんなんやと思った。

16.瞽女うた

 綺麗な文章で、「綺麗やな」と思いながら読んだ。(何も言っていない文章だな。)
 大学一年の教養の授業(社会福祉入門かな?)で「障がいを持って生まれてくるということは確率的に『そう』だったのであって、その人やその親が何か悪いことをした訳ではない」みたいなことをしつこく教わった覚えがあるのだが、それは「障害=罪」という概念が強固だったからなのだな……。世間知らずということは恥ずかしい!!!
 楽譜がたくさん出てくるが、ぜんぜんイメージができないので、それもまた自分の想像力の限界を感じた。どこかで聴いてみればいいのだが。

17.ちぐはぐな身体―ファッションって何?

 哲学者の考えるファッション論。若い人向けっぽく、文章が軽くて読みやすかった。内容としては「古いな……」という感じがさすがにある。1995年に書かれたものだもんな……。ファッションと言われてヨウジヤマモトとかギャルソンとかが出てくるのは分かるけど、自分の素養がなさすぎてよく分からなかった。
 あと、この時代(25年前)ってすごく「男」と「女」の境目が激しかったんだなということもほんとーーーーによく分かる。筆者が「自分は男だからこうだけど、女の人はこう」みたいなことを書いているセンテンスがものすごくたくさんあった。裸の女の絵やエロティックな女のモチーフが多すぎ。「プロのファッションデザイナー」として出てくる写真は全部男なのに……。マジで今の時代に生きていてよかった。
 どうでもいいけど、昨日上がってたkemioくんの雑誌の表紙リモート撮影風景の動画めっちゃよかったね!!! 超プロ!!!!


18.完全教祖マニュアル

 なんかこれもkindle版がやたらと安いな!? kindleで買えばよかったな……。まあそれはいいとして。
 もっと『完全自殺マニュアル』的なものを想像していたんだけど、ごく親切な宗教の方法論の本だった……。ふざけた文体で書かれているけどめちゃくちゃ勉強されたんだろうな……。宗教の体系的な理解をするのであればもっと教科書的な本が必要だと思うけど、ゲラゲラ笑っているうちに宗教のことがふんわり分かる娯楽本としてオススメです。信者の獲得のしやすさマトリクス表、めちゃ笑ってしまった。(でも「童貞」というカテゴリを設置するのはよくないと思う。)
 あと、ちょっとずれるかもしれないけど、いろんなところで「それはあなたが作らなくても、信者がやってくれます」というメッセージがいっぱいあったのも普通に仕事論として読めるなと思った。インテリ風の解釈はインテリがやってくれるし、教典は書ける人が書いてくれるのだ。それは本当にそう。

19.死体は誰のものか ──比較文化史の視点から

 これは!めちゃくちゃ面白かった! 特に第1章「武器としての死体」がヤバすぎる。死体を武器にして強請るのが横行していた時代が100年ほど前に普通にある……。浅学すぎてわたしが知らなかった上に、しかも当時の人の死にやすさを考えると普通にあり得ることだろうと想像はできることであったのにそこに思いも至らなかったので、衝撃的すぎて興奮した。チベットの天葬と水葬の話も興味深かった。わたしも死後は自然のサイクルに戻りたい。

 近所の図書館が使えるようになったので、来週からは新書以外の本も増えそうだ。それにしても読めば読むほど、世間にはたくさんの本があるなぁと思う。

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