「Sulwe:スルウェ」by Lupita Nyong'o 肌の色が濃い女の子のお話
注:私の子供をチビマナとよびます。
今回ご紹介したい本は、「Sulwe」という本です。
アカデミー賞女優の Lupita Nyong'o が作者です。記憶に新しいのは、映画ブラックパンサーではないでしょうか?
この本は、チビマナが小学校に上がってから出会った本で、特に絵が気に入って購入しました。
今も、チビマナの「お気に入り本棚」に入っています。
あらすじ
スルウェは、家族のだれよりも肌の色が濃い女の子です。学校でも、肌の色のせいで、嫌なあだ名で呼ばれます。スルウェはいつも、もっと肌の色が明るければいいのにと思っていました。
そんなスルウェが、自分の美しさを発見し、自信をつけていく物語です。
肌のトーンで悩む子供は多い
白が善でそれより暗いトーンは悪というような、そんな漠然とした考えが普遍化しているように思います。
この背景には、私たちの中に根付いている「白人至上主義」というものがあるのではないでしょうか。
この絵本の中でも、真っ暗な夜のような肌を持つ主人公スルウェが、肌の色が人より濃いことで周りからいじめられ、自分の肌がもっと明るかったらいいのにと、けなげに願う気持ちが書かれています。
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この絵本を読んで思い出すのは、プレスクール時代のチビマナのことです。
チビマナは、当時チビマナ以外みんな白人という学校に通っていました。
ある日、チビマナに
「いつ、チビマナの肌はお友達みたいに白くなるの?」
と聞かれたことがあります。私は、あなたの肌は今のままできれいよと伝えましたが、まだ幼いチビマナは納得できません。
そこで、この絵本の中のスルウェが肌を白くしようと試した色々をチビマナもしていました。それは、
肌の色が周りと違うというだけで、純真な子供の心にこんな影を落とすものかとショックを受けたものです。
特に、当時チビマナはディズニー映画の「アナと雪の女王」のエルサが大好きで、エルサごっこばかりしていました。
この時のチビマナには、白人至上主義という概念はありません。
ただ、普段目にする魅力的なものが、だいたい白人が主人公であることが多いという事実は、明らかに子供の心に影響を与えたと感じています。
ですので、絵本でいろんな境遇の主人公が出ているものに触れる意味は、とても大きいと思っています。
読み聞かせYoutube
作者本人による読み聞かせ動画です。
作者のウェブサイト
このブラックビューティーを描いた絵本に勇気をもらった人たちが、この絵本を賛辞する歌を作っています。
イラストの美しさ
とても力強いメッセージが、とても美しい絵で語られています。
チビマナは、この絵本に出てくる太陽と夜の女神の絵が大好きでした。
しばらく、この絵本に影響を受けた絵を描き続けていたほどです。
特にチビマナは、このイラストが大好きでした。
作者あとがきの中から
絵本の最後に、作者からのメッセージが書かれています。
その中でも、特に心を揺さぶられたものをシェアさせてください。
だいぶ大きくなるまで、私の肌に関しての気持ちは変わりませんでした。肌のトーンが濃い女性の美しさを称えるのを見るようになって、私の肌に対する気持ちも変わりました。もしその女性たちが美しいというのなら、私だって美しい。そうして私は、自分自身を違った風に見るようになったのです。
この世界にもあなたの中にも、ほかのだれも気付いていなたくさんの美しさがある。ほかの人が何が美しいのか決めるのを待たないで。あなたが美しくあると決めたら、あなたは美しいのです。あなたは、ずっと美しかったし、そしてこれからもずっと美しい。それを大切にして、その光であなたがするすべてのことを照らしていってください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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