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いつか情報系学位を取得したい社会人の皆様へ

ランサーズ Advent Calendar 2020 12日目の@manamin0521m です。昨日は@rrih_devさんの CakePHP2→4の移行作業で意識している点でした。

はじめまして

ランサーズには新卒で入って3年目となり、普段はPHPを使って開発してます。もともと法学部出身なのですが、文系大学生時代はこんな感じで勉強してきました。いつかは情報工学を学びたいなとぼんやりと思っていたのですが、この度電通大の夜間課程に合格し、来年度から社会人大学生になる予定です。

説明会に参加したり調べる中で、想定していたより受験のハードルが低くなったので、今回は働きながら情報工学を学びたい方の背中を押せるような記事を書いてみたいと思います。

※個人的な受験の動機や受験の詳細などは今後また別記事で書きたいと思うので、フォローお待ちしております!

意外と安い

調べるまで知らなかったんですが、国公立、私立共に夜間課程は昼間の半額である他、通信課程だと私立大学でも4年で60万ほどとかなり通いやすい価格となっています。海外大学も50万ほどです。私の場合、国立の夜間課程を選んだのですが、月2万くらいの学費負担なら全然ありだと思いました。

一方、大学院は国の教育訓練給付金が使えます。AIITの場合、専門実践教育訓練給付金により学費130万が実質負担40万ほどとなり、JAISTの場合、一般教育訓練給付金により学費130万が実質負担110万ほどとなります。※院を正規年限で卒業、雇用保険に3年以上加入の場合

なお求職者ではなく働いている人にも適用されるため、これらをもっと早く知りたかった他、国とハロワにめちゃめちゃ感謝しました。

※それぞれの学校の詳しい金額については後述します

科目等履修生という制度

説明会で多く触れられていたのですが、自分が働きながら学べるか試してみたい際に、数科目だけでも受講することが可能です。また入学した際には、その単位を卒業単位に組み入れることができます。

社会人大学・大学院の場合、正規の年限で卒業することが大変と聞くので、先に何単位か取得するのも戦略的にありかと思います。受験を迷っていたり、次の受験日まで間が空くなら、まず科目等履修生になってみてはいかがでしょうか。

長期履修という制度

また仕事が忙しい場合、正規の年限での卒業に必要な金額と同じ金額のまま、在学期間を延長することが可能な学校が多いです。(ただし各年度の受講科目を減らすという形。) 大学の場合は最大8年、大学院の場合は最大4年ほど在学することが可能です。

選択肢が結構たくさんある

・電気通信大学(学士・通学)
・東京電機大学(学士・通学)
・帝京大学(学士・通信)
・UoPeople(学士・通信・海外)
・北陸先端科学技術大学院大学(修士・通学)
・東京都立産業技術大学院大学(修士・通学)

既卒なので最初は修士のみで探していたのですが、学士まで視野を広げると上記のようにわりと選択肢がありました(首都圏)。以下よりそれぞれ詳しく説明していきます。

電気通信大学 情報理工学域 先端工学基礎課程

学位:学士(工学)
学費:1,212,600円(4年) 昼間の国立大学の半額
入試:志望理由書+英数物化(計120分)+面接
通学:基本通学(調布)
卒業研究:選択可(しない場合は輪講)
カリキュラムはこちら

ほとんどの授業が19時半(夜間大学・大学院においては遅め)から始まり、昼間の授業も自由に取れます。カリキュラムとしては物理、化学、数学、ハードウェア要素が多めでプログラミング要素が比較的少なめ。ストレートでの卒業は3〜5割ほどです。編入の入試もあるんですが高専生用なので、文系が編入すると既卒の大学の単位認定ができなくて、夜間のみの受講において2年で卒業は難しいかと思います。

入試に関してはこちらで書いたので興味がある方はぜひ見てみてください

編入を考えられている方はこちら

東京電機大学 工学部第二部 情報通信工学科

学位:学士(工学)
学費:取得単位数に応じて変わるがだいたい私立工学部の半額
入試:小論文+面接
通学:基本通学(北千住)
卒業研究:選択可
カリキュラムはこちら

通っている方が見つけられず詳しくは知らないのですが、カリキュラム的に電通大よりプログラミング要素が多く結構魅力的だなと思っています。

帝京大学 理工学部 情報科学科 通信教育課程

学位:学士(工学)
学費:656,820円(4年) 
入試:出願時の書類選考
通学:基本通信 いくつかの授業でスクーリングあり
卒業研究:なし
カリキュラムはこちら

レポートがかなり大変とのこと。ストレートでの卒業は1割ほどとのことです。入学者のブログを読む限り、既卒だと2年次 or 3年次編入している人が多かったです。

UoPeople Computer Science

学位:The Bachelor of Science in Computer Science (Associate's Degreeも取得可能)
学費:$4860(約50万)
入試:なし
通学:なし(通信)
卒業研究:なし
カリキュラムはこちら

1コース(3単位)を取得するのに1週間に15時間の勉強時間が必要と言われているそう。課題の量がめちゃめちゃ多いらしく、日本語でも難しい内容を英語で勉強するというのは自分には厳しく思い、今の大学を選びましたが、とても魅力的だと思います。

通われているえんぴつさんのTwitterブログ

なお卒業までに200万ほどと費用は上がりますがロンドン大学(University of London)もCSの学士を取得できる通信のコースがあるようです。

大学院

北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術専攻
 IoTイノベーションプログラム

学位:修士(情報科学)
学費:1,353,600円(2年) ※給付金で-20万
入試:小論文の口頭発表と小論文・エントリーシート口頭試問
通学:基本通学(品川)
卒業研究:あり
カリキュラムはこちら

気軽に説明会に行ったら、だいぶ場違い感がありました() 研究室を調べ、研究テーマをあらかじめ決めてから行った方がいいと思います。説明会後は志願者それぞれの研究テーマに寄った内容の質問会が行われるのですが、「既存の技術について知りたいのなら自分で調べればよく、それは研究とは言えません」といった旨のことをビシッと言われたのが印象的でした。

また、先端情報科学プログラムの内容をイメージして説明会に行ったのですが、そちらは東京サテライトでは廃止され、今後のカリキュラムはIoTに寄った内容になるとのこと。キャンパスはビルの中にあり、オフィス感がありました。

通われている父さんのTwitterブログ

東京都立産業技術大学院大学 情報アーキテクチャコース

学位:情報システム学修士(専門職)
学費:1,323,600円(2年) ※都民は入学金が半額 ※給付金で-92万
入試:複数方式あるが一般入試は小論文+面接・口頭試問
通学:基本通学(品川シーサイド)
卒業研究:なし 代わりにPBLあり
カリキュラムはこちら

専門職大学院であるため、他の情報工学系の大学・大学院とは異なり、数学要素が少なく、基本情報や応用情報といったIPAの内容に沿ったカリキュラムとのことで、実践寄りだなと思いました。学びを即役立たせたいならおすすめです。学位は英名だとおそらくInformation Systemsで、CS関連なものの厳密にはCSではないのかなと思います。入試はなるべく早い日程で受けた方が倍率が低いとのことなので早めに受けてください。

また創造技術コースや事業設計工学コースもAIITには開設されており、個人的にはHCD(UX)の講義も卒業単位に含めることができるのがとても魅力的に感じました。

なお情報工学系の学位ではないですが、調べている中で下記の選択肢もあることがわかったのでリンクを貼っておきます

秋田大学 理工学部 通信講座 電子系専門コース
放送大学 情報コース
北海道情報大学 通信教育部 システム情報学科
サイバー大学 IT総合学部 テクノロジーコース
東京通信大学 情報マネジメント学部

受験時期が早め

高校受験、大学受験の記憶からか、冬くらいになってから受験を考え始める人が多い気がします。しかし受験日程はかなりバラバラで、特に大学院の場合は春〜夏に多く募集する場合が多いです(特にAIIT)。倍率は早めの受験であるほど低いので、この記事を読んで気になったら即準備してほしいなと思います。小論文もテーマが情報系なのでニュースや論文を読んだりと対策が必要です。

資料集めを早めにやっておく

受験には高校・大学の成績証明書、卒業証明書が必要なのですが、取り寄せる際に学校が所在する都道府県ごとにしか売っていない収入証紙が必要だったり、定額小為替が必要だったり、届くのに時間がかかったりと結構大変でした。思い立ったらすぐ願書が出せるように手元に置いておくとだいぶ心が楽だと思います。なお証明書類は必ず厳封で取り寄せ、届いてからも開けないように注意してくださいね。

また私が受けた電通大は、過去問が(コロナで営業時間が短い)電通大生協にしか売ってなかったので、過去問入手も一苦労でした。過去問が早めに手元にあると対策しやすいので過去問も早めに手に入れておくと良いかと思います。

終わりに

受験のハードルが高く感じており、ズルズル先延ばしになっていたのですが、勇気を出して早めに受けてみるのがおすすめです。受験スケジュール的に、決心してから実際の受験までに私は1年くらいかかりました。今になって卒業までの4年間がめちゃめちゃ長く感じています。

また大学での様子など発信していけたらと思います。
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