もしも

「あなたは双極性障害ではありません」

と、言われたとする。

でももうこの1年で失ったものは大きい。

やっとの思いで築き上げてきたものは脆く儚く、

私の前から消えていった。

恐らく、障害者では無くなっても嬉しくないだろう。

このサイドを知ってしまったら。

この苦しみを理解できるなら。

そして、偽りだらけだった元の世界を見てしまったら。

どんなに苦しくても本当に必要なことや大切なことを見つめることが出来たこの障害と完全にさよならなんて出来ない。

きっと、もっと理解を深めたり、知識を広めたりすることは止めないだろう。

障害者から見るこの世界は残酷で不公平で理不尽。

しかし、とても温かい。

こんな私でも手を差し伸べてくれる人がいたこと。

背中を押してくれる人がいたこと。

私のいのちをたくさんの人が守ってくれた。

本当にやりたいことや大切なことを見つめ直せた。

私は決してポジティブな人間ではないけれど、

人間の可能性を信じてもいいと思っている。

残念ながら残酷なこの世界を変えるのは無理なのかもしれない。

この苦しみを理解してもらうのは難しいのかもしれない。

でも、間違いなく私はこの障害のおかげで変わった。

苦しいことが大半で、決して双極性障害になって良かったなんてことは言えないけれど、

この世界を知れたことは

私の大きな第1歩になったのかもしれない。