見出し画像

孤高の国、エチオピア


エチオピアは東アフリカに位置する国です。日本ではコーヒーが有名ですね。でも、コーヒーよりずっと面白いネタがこの国にはたくさんあります。ぜひご覧あれ!


歴史:アフリカで唯一植民地になっていない


「植民地とは何か?」によって判断は違いますが、この事実がエチオピア人の大きなプライドにつながっていることは事実です。

他のアフリカ諸国は、植民地支配の歴史が今でも言語や政治制度、人種、それに人々の意識にまで深く根付いています。

例えば南アフリカを植民地化したイギリスが行った人種隔離政策「アパルトヘイト」は有名ですし、ドイツの植民地だったナミビアは、今でもドイツ系白人が多いです。ポルトガルの植民地だったアンゴラは、公用語がポルトガル語になり、かつ財力のない国が親分だった歴史が、国の発展を妨げる一つの要因になっている気がします。

エチオピアに話を戻します。
19世紀、エチオピア軍とイタリア軍が戦争しますが、エチオピア軍が勝利し、植民地化を阻止しています。

1936年~1942年の5年間、イタリアが首都アディスアベバを制圧しましたが、世界大戦の混乱により植民地化につながりませんでした。

周辺のアフリカ諸国が

元イギリス植民地ー英語(主に東・南アフリカ)
元フランス植民地ーフランス語(主に西アフリカ)

などを話す中、アムハラ語が主流なのもそのおかげ(せい?)です。


公用語:アムハラ語

アムハラ語


エチオピアの事実上の公用語はアムハラ語です。文字はアラビア語を人間の形ぽくした独特の文字です。エチオピアでエチオピア人にのみ使用されていて、一般的に英語はあまり通じません。その点では日本語と似ています。

公文書もアムハラ語を使用している点も日本と同じ。仕事で政府からの書類が必要な時、とっても困ります。何が書いてあるかわからない書類を申請し、なんのことかわからない書類を受け取る。。。日本で仕事をする外国人も同じ気分なのでしょうか?


カレンダー:そもそも西暦じゃない


エチオピアは西暦を使っていません。西暦はキリストが生まれた年から始まりますが、この生誕年が、エチオピアの宗教「エチオピア正教」では違うからだそうです。


どんな弊害があるかというと、(仕事をしたい外国人の視点だと)、全く文字が読めない公文書の右上に書いてある、数字で記された日付すら、合っているのか推測がつきません。


日付も内容もわからない文書を受け取ります。だから、信頼できる現地人に書いてあることを確認します。(それでだいたい現地人もよくわかっていないので、日付はよくずれています)


時間:日付変更線が朝6時


時間までも違います。夜明けとされる私たちの午前6時が、エチオピアの0時となります。時差がある上に、6時間差で混乱します。

だから「午前10時にホテルで待ち合わせ」と言っても、
こちらが「私の時間でね」「国際時間でね」と念を押さないと相手は平気で「彼らの午前10時=こちらの午後16時」にやってきます。


いやいや、ロボットが月の欠片を地球に持ち帰る現代で、そんなすれ違い今時ないでしょ、と思うのですが、フツーにあります。しかも、待ち合わせ時間が過ぎて、電話をかけても電波は悪いし、着信音が鳴ってものんびりしてるのででません。


外国人相手に仕事をしていて、いつも外国文化に触れている人が、そんな基本的な間違えするわけない、と思っていたら、しっかり遅刻しました。


エチオピア人の言い分は、エチオピア人とはエチオピア時間、外国人とは国際時間、で生活するから、混乱するみたいです。

だから私は「ランチ前の午前10時」とか感覚的なフレーズも一言加えて、感覚にも訴えてます。

宗教:エチオピア正教


キリスト教が発展した宗教です。映画「インディジョーンズ」で「失われたアークの謎」の回がありました。そのアーク(十戒が入った箱)がエチオピアのアスクムにあるかも、という説が浮上したこともあるそうです。


主食:インジェラ


東~南アフリカの主食は名前や呼び方は違えど、穀物の粉に水を入れて練った「パップ」が有名で、みなそれを食べています。でも、孤高のエチオピアの主食は、テフという穀物の粉を発酵し、クレープ状にした「インジェラ」です。写真でくるくるしている食べ物。

インジェラ


発酵させているのでちょっと酸っぱいのが特徴です。これに、野菜や肉などのおかずを具にして、手でペロリと食べます。


日本でいう「お米」ですけど、日本人より主食への「愛着」が違います。仕事で僻地に行って3日間だけでもインジェラを食べれないと、現地ガイドから文句が出始めます。久しぶりに食べたときの彼らのテンションの上がり具合、すごいです。子供のような笑顔でがぶつきます。
これで明日も頑張って働いてくれるな、とこちらも一安心です。


以上、孤高の国、エチオピアでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?