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YouTube動画解説:マナビ研究室

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マナビ研究室が公開しているYouTube動画の解説記事を集めています。動画の補足説明や、訂正などをしています。影機材・設備・編集・音楽などの情報も記録しています。
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#歯

左右対称!?:#00070 歯の話⑧

多くの動物は左右相称(≒対称)の体を持っています。ですから「歯の数は左右で同じ」が基本です。でも、歯(顎)の動きは左右非対称なのです。(吉野賢一) 相称と対称:ほとんどの動物は、体のつくりが左右で非常に良く似ていてます。そのような動物を左右相称動物と言います。左右対称と言いたいところですが、対称は完全、完璧、厳密に(左右が)同じときに使われる数学的な用語です。生物の場合、左右が完全、完璧、厳密に同じであることは無いので、対称ではなく相称(均等、つり合う)という言葉が用いられ

歯は弱い!?:#00069歯の話⑦

人体で最も硬いのが歯(のエナメル質)なのに、なんとその歯が「よわい」という衝撃の事実。最後まで怒らないで読んでくださいね。(吉野賢一) 歯の硬組織:人体を構成する硬くてしっかりした組織を硬組織と言います。歯にはエナメル質、象牙質、セメント室の三種類の硬組織があり、エナメル質は人体で最も硬くて頑丈です。 歯の軟組織:象牙質の内側には歯髄腔という腔所(すきま)があり、ここに存在するのが歯髄と呼ばれる軟組織です。歯髄は神経や血管などを含んでいて歯の感覚(痛覚)や歯への栄養補給を

一寸の歯 軽んずべからず:#00054歯の話⑥

歯を見ただけでオス・メスを区別できる動物がいます。ウマもそうです。そんなウマの歯にはユニークな名前がついています。なぜウマの歯に独特な名称をつける必要があったのか?それはね・・・。(吉野賢一) 歯でオス・メスが分かる:イノシシの場合、大きな牙(犬歯)をもつ個体がオス、小さな牙しかもたない個体はメスです。ゾウの場合も、長く目立つ牙(門歯)をもつのがオス、見えないくらい小さな牙をもつのがメスです。 ではウマは? ウマの歯式(上顎のみ)は 3・1・3・3で、上下に門歯が3本、犬歯

超個性的な様々な生物の『歯』から生態を学ぼう!~歯の話~ 【動画解説】#00041

動画解説島倉千代子の「人生いろいろ」を想い出しながら、人生色々~♬、動物も色々、歯だって色々生えてるの~♬が今回の動画「歯の話④」です。 哺乳類は、基本的に異なる形の歯をもつ。でも同じ形の歯をもつハクジラもいれば、そもそも歯をもたないヒゲクジラやアリクイなどもいる。イッカク(ハクジラ)なんて左の門歯が伸びて角みたいになっている。 哺乳類以外は、基本的に同じ歯が並んでいる。でも異歯性のマルメタピオカガエルもいる。進化の過程で動物も色々になり、歯も色々になったんだ~。 補足

所変われば歯式変わる!~歯の話~【動画解説】#00040

動画解説 「所変われば品変わる」の慣用句をもじって「歯学部でも学ぶ歯式というものを、農学部でも学ぶよとてするなり」という気持ちで講話しました。 歯学部の学生は歯科医療のために、生物系学部の学生(の一部)は動物の色々なことを知るために「歯」について学びます。色々なことについては後の動画にてご説明します。  今回は、ヒトを含めた多くの哺乳類が異歯性である(形の異なる歯をもつ)ということを覚えてもらえたらOKです。 補足・訂正 動物にも、切歯(=門歯)や犬歯という言い方は使われま

歯の話①~目の付け所が違う~【動画解説】#00031

動画解説 「歯の話」をシリーズでお届けします。歯医者さんや歯科衛生士さんも知らない生物学的な視点からの「歯の話」です。第一弾は「目」や「顔」についてです(歯ではなく)。 目の付け所が違う:哺乳動物の場合、「目の付け所」でその動物の食性を類推することができます(歯だったらなおさら)。そしてヒトの「目の付け所」は、むかしむかしの生活様式が関係していると考えられます。 補足・訂正 動物園に行ったとき、「ウマとライオンは目の付け所がちがうでしょ。それはね・・・」とお子様にお話でき