空虚な文字稼ぎをやめて伝わる文章を書きたい
大学生が書いた原稿のチェックが増えています。
気持ちはいつでも新人ライターなのですが、実はライティングの仕事に関わり始めてから10年近く…。(怖)
仕事でも、私生活でも、たくさんの文章に触れてきました。
そこで
「空虚な文字稼ぎに終始している」
「確かに書いてあるのに中身が薄い」
という記事を見ることがあります。
一体、なぜか?
私なりに、伝わる文章を書くときのポイントを考えます。
ただし巷にあふれるライティングセオリーでは当たり前のことばかりです。
すでにご存じの方も多いと思うので、ご容赦ください。
まわりくどい冗長表現をなくす
なくても通じる不要な言葉、意味のない言葉を冗長表現といいます。
【例】
・することができる
・ということ
・~における
・~について
・二重敬語や二重否定
・過剰な修飾語
・助詞「の」の連続(3回以上使わない)
・一文内に同じ単語がある
冗長表現があるとなめらかに読めず、読者にストレスを与えます。
一文一義を心がけ、スパッとした文章にできるとよいでしょう。
文末を「必要、確認、重要、大切、注意」で締めない
文末に使いやすい表現です。
私も学生の頃、レポートでたくさん使っていたと記憶しています。
ただ、読む側のアクションにつなげにくいと思いませんか?
「へー」で終わってしまう。
もし読者を動かすことまで視野に入れているなら、違う言葉で、具体的な行動を促せないかを考え、安易な締めに逃げないほうがよいと考えています。
二字熟語や横文字を乱用しない
漢字が乱立していると、とっつきづらくなります。
仕事柄、各省庁が出す資料を目にすることが多いのですが、私が書くときは次のように言い換えることが多いです。
・選択できる → 選べる
・継続する → 続ける
・事前に → 前もって
前者でも日本語の間違いではありません。
媒体のトンマナにもよるので、かため・やわらかめ、どちらの文章が求められているのかを意識できるとよいと思います。
同じようなニュアンスで、横文字にも気を付けたいところ。
・アテンドする → 割り当てる
※場面によって同行、出席など、違う意味にもなるので、人によって解釈が異なる
余談ですが、ビジネスの横文字は、木下ゆーきさんのもしも意識高い赤ちゃんがいたら…が、とても参考になると思います(笑)
「一般的には~といわれています」と書く
この表現には2つの危うさがあると思います。
1つは、一般常識や少し調べたらわかることを改めて書いても、読者には響かず、何も書いていないに等しいのではと思うこと。
2つめは、書き手のアンコンシャスバイアスがかかるかもしれないこと。
アンコンシャスバイアスとは「無意識の決めつけ、偏見、思い込み」です。多様性の時代、昭和の日本にあったような当たり前は崩れつつあります。
本当にそうなのか?を念頭に置くことが大切だと思います。
自分の経験からにじみ出る言葉を書く
ライター自らの経験を言葉にすると、具体性やリアリティが増します。
今はググっただけで、それなりの記事が書けてしまう時代です。
とはいえ私もコロナ禍やワーキングマザーという背景から、
直接足を運ぶ取材が減ってしまっています。
内向的なので、人と話さないならそれでいいやと、
どんどん内側にこもってしまう性格なので、
意識だけはなるべく外に向け続けたいと思っています。
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自分はまだペーペーだと思っていたのですが、そろそろ教える側かもしれないと気付き、自覚を持とうと…気を引き締めています。
私自身も、内容の本質を伝えられるよう精進したいと思います。