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「うまく進める」というスキル

日経COMEMOの募集に投稿してみました。

VUCA時代、世の中が曖昧になり「正解」を出すことよりも「最適解」を見つけることが重要になっています。また領域を横断して新しい価値を生むために「これまでのやり方」とは違う複雑なプロセスを組み立てることが重要になっています。
一方、ITの進歩や普及によって時間や情報の密度は上がっていますが個人の時間やプロジェクトの期限は変わらず、人間ができることにも限界があります。そんな中で価値のある成果を実現するためには、

  • 何に時間やエネルギーを使うか?

  • 何を優先して進めるか?

  • 課題は何か?どうすれば解決に進むか?

  • どうやって最適な判断を重ねるか?

というようなことを考え、ものごとを「うまく進める」必要があります。この「うまく進める」というプロセスの差が成果の差に直結し、仕事の効率性や価値の違いになります。

プロジェクトとして新しいことにチャレンジするときに、最初から決まっていることは何もありません。つまりゴール設定も道筋も、能動的に設定する必要があります。また設定した道筋もそのままスムーズにゴールまでたどり着きません。必ず問題、トラブル、不確定リスクといったハードルが発生します。成果をカタチにするためにはゴール、道筋、ハードルを可視化し、判断できるように共有し、最適な判断によって進む方向を明確にすることが重要です。

このような状況でプロジェクトを「うまく進める」には、ヒト、時間、情報、カネ、モノといった「リソース」が最適な状態になっている必要があります。そのため、「うまく進める」にはマネジメントが重要になってきます。
マネジメントというと知識や手法が取り上げられやすいので、ビジネスのノウハウ、ある役職や役割に必要なテクニック、と思われたりしますがマネジメント手法は本来、発想や思考をうまく働かせるためにあるものなので、手法ではなく思考が重要です。つまりプロジェクトで未知のプロセスから成果を生み出すことに関わる人は立場や役割を問わず、自分も含めたプロジェクトのリソースがどのようにすれば最も活きるかという思考力を働かせるためのスキルが、ベーシックなスキルとして必要になってきます。

特に社会から必要とされる「機能」が明確な業界は、過去の蓄積をルーティンしてもある程度需要を満たしてしまうため付加価値を出すための思考にエネルギーを向けることが難しいように感じます。しかし、付加価値を生み出すことにチャレンジしなければ、「機能」の充足は変えが効くので価格競争になったり、長い目でみた業界の発展、進歩につながらないことになります。こういった業界こそ意識的に「機能+付加価値」を実現するための領域横断やイノベーションにチャレンジすること、そのチャレンジのために基礎能力として「うまく進める」ためのマネジメントスキルを持った人材を増やすこと、プロジェクトにマネジメントスキルを取り入れるしくみをつくること、が重要になると思います。

プロジェクトにおけるマネジメントスキルの役割については、こちらの記事もご参照ください。

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