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PMBOK 7th 標準2章【後編】:2章はどうやら、超ザックリしたフレームワークの説明であるらしい。

今日も、標準の2章の続きです。2.3章から始めます。
昨日の先頭で、この章に書かれていることは「プロジェクトの機能」(project functions)って書いたんですけど、今日よく2.3章を読んだら、機能じゃなくて役割なんですね。。。大変失礼いたしました。

前回と今回で、どこの話をしてるのか?を少しまとめてみました(ひょっとして、読み違いがあるかもしれないですが)。緑が前回、オレンジが今回です。
どうやら、2章でこのフレームワークの説明をして、3章でこれを管理する行動原則を示そうとしている、ようです。標準部分は、3章で終わりです。

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2.3 プロジェクトに関連する役割

プロジェクトは、プロジェクトを効果的かつ効率的に運営するために必要な、さまざまな役割[functions]で推進されます。この役割は、ある一人の人や、グループや、定義された役割の組み合わせで構成されます。
(PMとか、PMOとか、なんとか統括とか、そういうやつのことかな。)

プロジェクトの共同作業が「適切に連携」[coordinate]するよう努力することは、プロジェクトが成功するために非常に重要です。
※ coordinate:to organize an activity so that the people involved in it work well together and achieve a good result

この作業連携は、文脈により異なるタイプが適合します。あるプロジェクトは、チームメンバーが自己組織化するような、分権的な作業連携が上手く行きます(アジャイルはこのタイプに相当する)。またあるプロジェクトでは、プロジェクトマネージャーかそれに類する人のリーダーシップとガイダンスによる、中央集権的なタイプが上手く行きます(ヒエラルキー型、従来のプロジェクト組織)。中央集権型の作業連携だったとしても、その一部が自己組織化されているということも、あり得ます。

どのような連携でれ、プロジェクトチームとステークホルダーの間を支援的なリーダーシップモデルで適切に関与することは、成果の成功を下支えします。
納品物や業界や組織やその他の要因により、別の役割がプロジェクトを支援するかもしれません。2.3.1~2.2.8章に、よくある例を示します(これがすべてではありません)。

2.3.1~2.3.8:役割例

↓これらは例とのことなので、詳しく和訳して残すのはやめます。

2.3.1 監視と調整の提供[provide oversight and coordination]
2.3.2 目標とフィードバックの提供[present objectives and feedback]
2.3.3 ファシリテーションとサポート
2.3.4 仕事と洞察の貢献[perform work and contribute insight]
2.3.5 専門知識を適用[apply expertize]
2.3.6 ビジネスの方向性と洞察を提供[provide business direction and insight]
2.3.7 リソースと方向性を提供[provide resources and direction ]
2.3.8 ガバナンスの維持[maintain governance]

(2.3.1と2.3.2はPMやPMOという感じ。2.3.3はスクラムマスターか。2.3.4~2.3.5は開発チームやコンサルと思われ、2.3.6はプロダクトオーナー、2.3.7はもっと組織(ライン)的な話っぽい。メンターとかもここに入りそう。
2.3.8は、社内PMOみたいな感じかな。よくフェーズ完了の監査を社内PMOがやったりしますが、そういうのが当てはまりそう。

なんか、まわりくどい(笑)。
とにかく、組織やプロジェクトによって必要な役割は異なり、何をどう組み合わせてプロジェクトを成功に導くのか?は、都度違うよ、ということのようです。)

2.4 プロジェクトの環境

前述の通り、プロジェクトには内部環境や外部環境があって、それらが様々な深度で影響を与えます。影響はプロジェクトの特性やステークホルダーや開発チームに対し、喜ばしいもの/そうでないもの/中立のインパクトを生じます。

2.4.1 内部環境

ここも例が出てます。例を見ると判りやすいと思うので、ざっと挙げておきます。
・プロセス資産
・ガバナンス資産
・データ資産
・ナレッジ資産
・セキュリティと安全性
・組織の文化、構造、ガバナンス
・施設やリソースの地理的貢献
・インフラ
・リソースの可用性
・従業員の能力

2.4.2 外部環境

こちらも例示です。
・市場の動向
・社会的・文化的な影響と課題
・規制環境
・商業データベース
・学術調査
・業界の標準
・財務上の考慮事項
・物理的環境

(こういう環境的なものには、リスクが潜在することがあるのでよく注意せよと、先輩から習ったのを思い出します。)

2.5 プロダクト管理の考慮

ポートフォリオ、プログラム、プロジェクト、プロダクトの統制は、より密接に連携されています。プロジェクト管理以外は本標準の範囲外ですが、これらの連携はプロダクトを生成するプロジェクトにおいて、有用な文脈を提供します。

(プロダクトマネージャーというのは、PMとはまた全然別の役割ですよね。プロダクトオーナーとも違うし。
私はあまりエンプラ以外を知らないので、プロダクトのライフサイクルに関してはあまり関連がないのです。いったん「ここにプロダクトライフサイクルの話があったよ。」にとどめます。必要性やご要望が出てきたら、あとで書くかもです。)

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最後に

さて、なんとか2章が終わりました(だいぶ端折りましたが。)。
プロジェクトと、それを取り巻くコンポーネントや環境などのフレームワークが提示された、ようです。
第6版のプロジェクトマネジメント標準では、プロジェクトの立ち上げ→計画→実行→監視→終結、というプロセスを説明していたのですが、そういうプロセスの説明は一切!なくなっています。(第6版を見ろ、ということなのだろうか。。)

その代わりに、なんでもぶっ込めるザックリしたフレームワークになってるわけですが、まぁこれは本標準のメインではなく、3章のPrinciplesが本題なのです!楽しみです。

あとちょっと気になったのが、開発組織の話をするときに[organization]でなく[coordinate]を使ってる、ということです。開発形態によらない記載にしてるなと思いました。

次回以降は3章を読むのですが、12つのPrinciplesを分けて書くか?いくつかをまとめて投下するか?検討中です。それぞれのボリュームはそんなの大きくないので、いくつかをまとめる方に傾いています。

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今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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