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PMBOK 7th 標準2章【前編】:価値を届けるシステム[A System for Value Delivery]

今日は、プロジェクトマネジメント標準の第2章を読みます。2章は5つのセクションから構成されていますが、全部一気に読めるか不安なので、いくつかに分けて投稿します。
この章では、価値のデリバリ[value delivery]、ガバナンス、プロジェクトの機能、プロジェクトの環境、プロダクトマネジメントに関する情報が提供されますが、今回はそのうち2.2章のガバナンスまでです。

2.1 価値を作り出す[CREATING VALUE]

プロジェクトは大きなシステム、例えば政府機関や、団体や、契約による連携の中に存在します。この標準では、政府機関や、企業体や、ジョイントベンチャーや、その他さまざまな連携[arrangement]を総称して”Organization"(組織体)と呼びます。組織体は、ステークホルダーのために価値を作り出します。

2.1.1 価値を届けるコンポーネント

価値を届けるためのコンポーネントとして、ポートフォリオ、プログラム、プロジェクト、オペレーションなど様々なものがあります。これらは組織の戦略により設計され、構築されます。

(ここで、ポートフォリオやプログラムの説明が少々入っていますが、これまでのPMBOK等が言っているものと変わりないものと思われ、いったん省略します。Figure 2-1参照。)

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Figure 2-2が示す通り、このシステムは、ポリシーや手続きや方法論、フレームワーク、ガバナンス構造などの組織体の内部環境の一部です。
内部環境は、経済や競合環境、法律上の制約など、大きな外部環境の中に存在します。内部環境と外部環境については、2.4章で記載されます。

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成果[an outcome]とは、あるプロセスやプロジェクトの帰結です。
(要するに、この「価値を届けるシステム」とはひとつのプロジェクトを意味するのではなく、プログラムやポートフォリオ全体を指している、ということらしい。)

2.1.2 情報フロー

価値を届けるシステムは、すべてのコンポーネント間で情報とフィードバックが矛盾なく共有されるときに、最も効果的に働き、システムを戦略に沿っていて環境に適応した形に保ちます。

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(ここには、Fig.2-3の当たり前の解説しか書かれてないので、説明文は省略します。)

2.2 組織のガバナンスのシステム

ガバナンスのシステムは、価値を届けるシステムと並行して働き、円滑なワークフローや課題管理を可能にし、意思決定をサポートします。ガバナンスのシステムは、フレームワークを提供します。ガバナンスのフレームワークには、監視や管理、価値の評価、コンポーネント間の統合、意思決定の特性などの要素を含めることができます。

ガバナンスのシステムは、変化や、課題や、環境やコンポーネントに関係するリスクを評価する、統合された構造を提供します。ここにはポートフォリオの目的や、プログラムの利益や、プロジェクトにより作成される成果物を含みます(どういうこと??よく判らない。。。)
プロジェクトのガバナンスには、変更を承認し、プロジェクトに関わるビジネス上の意思決定をするための権限を明確にすることを含みます。プロジェクトのガバナンスは、上位のポートフォリオや組織のガバナンスと一致します。

最後に

次の2.3章が少々長くなりそうなので、いったんここで切ります。全体的に、やっぱり短いですね。

ところで今日読んでてまた、もやもやしてるんですが。

えっと、「プロジェクトマネジメント標準って、なんなんでしたっけ。。」
よく判らなくなってきました。ロングマン現代英英辞典によるとstandardとは;
1)the level that is considered to be acceptable, or the level that someone or something has achieved
2)a fixed official rule for measuring weight, purity, value etc
と書かれているので、もっと具体的だったり、評価可能なものだと思うんですよね。

2章の約1/3がこれで終わりなんですが、
プロジェクトだけ考えるんじゃなくて、プログラムやポートフォリオがあるよ!情報連携が大事だよ!ガバナンスがあるよ!
と言われただけで、それをどうしたらいいのかとか、そういうのは書かれないのですね…?それって、なんの役に立つのでしょうか。私にはわかりません。。ただの紹介なのか?

全体的にこの薄さで書かれていると思われ、確かにコンパクトになったのはいいのですが、なんだろう、本当に実務の役に立つのだろうか??モヤモヤします。具体策は、自分たちで考えろということ??
3章に例のPrinciplesが書かれているので、そこまで待つべきなのでしょうか(でもそこも、Leadershipとか出てくるので怪しげですが。)

ひょっとして、PMBOKがスクラムガイドみたいになったということなのだろうか??それってどうなんだろう。。

では、次回は2章後半です。何とかあと1回で2章を終わらせて、3章のメインディッシュに進みたいですね。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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