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プレッシャーに弱い人間の可能性

世の中には、プレッシャーに強い人もいれば、弱い人もいる。では、どちらのほうが大きな仕事を成し遂げられるかと言えば、そりゃプレッシャーに強い人だろう、と考えるのが普通だろう。僕もそう思っていたのだが、これはもしかすると逆かもしれない、とふと思った。

もしプレッシャーというものが、「他人や自分自身からの、自分に対する期待」から生まれる精神的な重圧だとすれば、プレッシャーに強い人というのは、そんな期待にしっかり応えられる人、ということになる。だからプレッシャーに強い人は、「あいつなら、これぐらいできるに違いない」と思われていることを、期待通りにこなしてしまう。

ところが、プレッシャーに弱い人というのは、「あいつなら、これぐらいできるに違いない」と思われてしまうと、その期待から生まれる精神的重圧に耐えきれず、失敗したり、ものすごく苦しんだりする。

だがそれゆえに、プレッシャーに弱い人は、「それはさすがにできないだろう」と思われる「もうワンランク上」のほうに「逃げて」しまうことがあるのではないだろうか。

期待されなければ、精神的重圧を感じる必要もない。失敗のリスクはむしろ高まるかもしれないが、プレッシャーの苦しみよりはマシだったりする。結果的に成功して、大きな仕事を成し遂げてしまう、ということが、実はけっこうあるんじゃないだろうか。

プレッシャーに強くて、たいてい期待通りにこなせるなら、それはとても素敵なことだし、何も変える必要はない。でも弱い人はそうはいかない。苦しみとリスクを多く抱えるはめになるが、そのぶん、飛躍のチャンスも多いと言えるのではないか。

日本のプロ野球からメジャーに転向するのも、もしかしたら「日本で活躍し続けるプレッシャーから逃げるため」かもしれないと考えると、ちょっと違う景色が見えてくるかもしれない。

もちろん、純粋にプレッシャーに強くて、持ち前の向上心でどんどん登りつめていく人も当然いる。そのほうがカッコイイ気がするし、正直、そっちのほうに憧れる。でもなかなかそうなれない僕は、やっぱり「弱い人間の可能性」というのを考えたくなるのである。


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