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名前のマイノリティー問題

僕の名前は杉原だが、よく杉山と間違えられる。

このあいだなどは、立て続けに3人ぐらいに「杉山さん」と呼ばれて、「もしかしたら俺、本当は杉山なんじゃないか?」と思ったほどだ。

だがそのとき、僕はあることに気づいた。

「杉原」がよく「杉山」に間違えられるということは、「杉山」さんも同じように「杉原」に間違えられているのではないか?

たまたま近くに女性の杉山さんがいたので、さっそく聞いてみた。

「あの、僕の名前は杉原じゃないですか。でも間違えて『杉山さん』って呼ばれることが多いんですよ。杉山さんは、逆に『杉原さん』って間違えて呼ばれることってないですか?」

「ないですね」

ないそうだ。

この違いはいったい何なのか。僕個人の問題なのか。僕が杉原のくせに「杉山顔」なのか。それとも、全国の杉原さんはみんな同じ問題を抱えているのだろうか。 

周りの人たちに聞いてみると、どうやら、

「杉原より杉山のほうがメジャー」

ということらしい。

そんなこと考えたこともなかったので、なんとなく腑に落ちない気分だ。

そこで、「苗字の多さランキング」というのをインターネットで調べてみた。その結果がコレである。

【杉山】83位 
【杉原】455位

はうあ!

確かに杉山のほうがメジャーである。それも圧倒的に……!

杉山さんに「杉原と間違えられませんか?」と聞いたら、にべもなく「ないですね」と答えが返ってきたのも無理はない。

いま世界では、マイノリティーの権利の問題などが大いに議論されている。僕もこれからは、「その問題の中心にいる人間」としての自覚を持って、生きていきたいと思う。

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