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今話題の「ゲームと勉強」。算数を好きになってもらうためのゲームの使い方、教えます!

香川県で審議中の「ゲーム規制条例」が話題です。香川県によれば、ゲーム依存を減らすために使用時間の制限を取り決めるとのこと。この条例に対して、賛否両論が大きく分かれているのですが、香川県議会はこの条例を通そうとしているようですね。

今回は、現在話題となっている「ゲームと勉強」について、私の経験を踏まえながら書いてみます。

勉強とゲームは別物?

香川県のゲーム規制条例では「ゲームが子どもの学力や体力低下をもたらす」ものとして扱われています。たしかに、ゲームのやり過ぎによるゲーム依存症は今問題になっています。

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しかし、このようにゲームと勉強をはっきり分け、「ゲームには害がある」と言ってよいのでしょうか?
前回の記事で書いたように、私は算数がRPGに似ていると思っています。できることを積み重ねながら、より強い問題に立ち向かうーー。それこそ算数の醍醐味であり、私が算数をゲーム的だと考える理由です。

香川県の条例では、スマホゲームやネットゲームをゲームとしています。でも実際、「ゲーム」と一口にいっても色々なゲームがあるはず。いわゆる「ゲーム」らしいRPGやアクションもあれば、あるいはパズルゲームだってありますし、電子機器を使わない人生ゲームのようなものもあります。極論していえば、ジャンケンだってゲームです(笑)

つまりゲームって、色々な意味がある言葉。

だとするならば、私は「算数もゲームなのでは?」と思っているのです。ここまで読んでくださった皆さんにとって、こう考えるのは不思議ではないでしょう。算数はRPG的ですし、やり方によってはどこまでも楽しんで出来るものなのです。

ゲームも使い方次第

RISU算数は、専用タブレットを用いた算数の教材を提供しています。タブレットを使って勉強すること自体、とてもゲーム的。ですから、私たちはむしろ勉強とゲームを切り分けないよう意識させているのです。

例えばそれは、RISU算数のステージの作り方にも現れています。そこでは、算数をRPGのように感じてもらう工夫が凝らされています。

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これがRISU算数のステージ構成です。

各ステージのつながりが視覚的に分かるようになっています。また、あるステージとつながっているステージはひとつだけでなく、一見関係が無さそうな他のステージまで、そのつながりが示されています。

RPGで例えるならば、あるステージをクリアするためにはある場所で剣を、ある場所では盾を、そしてまた別のある場所では魔法の杖を手にしなければならないということに似ていますね。このようにRISUでは積極的に算数とゲームをつなぐシステムを構築しているわけです。

意外なのは、RISU算数の専用を手にした子どもは、まさにゲームをやる感覚で楽しんで勉強していること。私の子どももそうですが、子どもってゲームになると途端にやる気が増して集中する(笑)
それはゲームが子どもの「もっとやりたい!」という気持ちをうまく引き出しているから。だとすれば、勉強だってゲームのように「もっとやりたい!」と工夫させれば、子どもたちは親が口うるさく言わなくても、一人で勉強に向かうようになるのです。

本来、算数はとてもゲーム的。したがって大事なのは「ゲームの良さをどのように学習に生かすのか」ということだと思います。

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ゲームをうまく利用するために

……とゲームと算数について私の持論を展開してきました。しかし多くのご家庭では、いわゆるテレビゲームやスマホゲームばかりやってしまい、なかなか学習に臨めない子どもも多いと思います。そんなとき、子どもに勉強への意欲を持たせるにはどうしたらいいでしょうか。

第一は、やはり子どもに「算数って面白い!」と気づいてもらうこと。この気付きがあれば、子どもは親がガミガミ言わなくても自発的に勉強をします。でも、多くのご家庭では、そうした気付きを得る前に、ゲーム機へ手が伸びてしまう子どもも多いでしょう。では、どうすればいいのか。

これは私が出会ったある親子の話。彼らは私が提供しているRISU算数のサービスを利用していましたが、その親子には「RISU算数の〇〇のステージで100点を取れたら、ゲームを30分やる!」という約束がありました。
ゲームを学習の動機に上手く結び付けて、学習に取り組んでもらうわけです。この子ども、今ではゲームをやりたいために、積極的に「RISUやりたい!」というまでになったそう(笑)

算数の面白さに気づいてもらう前に、まずはゲームの誘惑を上手く利用して勉強に向き合ってもらう。そうするうちに、「算数って面白い!」と気付くこともできるでしょう。

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といっても、ご褒美を出して学習に取り組んでもらうことは、良い面と悪い面があるのですが……。次回は、この「ご褒美の出し方」について触れてみることにしましょう。

〜今回のまとめ〜
・算数はいわば、ゲーム!
・子供に、算数をゲームのように楽しんでもらう
・ご褒美としてゲームを使うことも一つの手(ただし、やり方には注意)


今木 智隆(いまき ともたか)
「学びのベーション」編集長。RISU Japan株式会社 代表取締役。
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、デジタルマーケティング専門コンサルティングファームのビービット入社。金融・消費財・小売流通領域のサービスに従事し、2012年から同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した幼児から小学生向け算数教材で、のべ10億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーでもハイレベル層から、算数やAIの基礎知識を学びたいとオファーが殺到している。

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