News in Brief (9 June 2023) メモ #18

今日取り上げるニュースは、イエメン (Yemen) におけるバハイ教 (Baha’i) 信者のマイノリティーグループへの不当な差別とヘイトスピーチに関する内容。

バハイ教は、イランイスラム共和国で非イスラム教としては最大の宗教だそうです。イスラムの僧侶などにより迫害を受けてきた歴史があります。特に、1979年のイスラム革命以降、迫害がよりひどくなっているそうです。こちらの資料を参考にしました。

国連人権高等弁務官事務所 (OHCHR) は、イエメンの首都サヌア (Sana’a)で少数派のバハイ教 (the minority Baha’i faith) 信者達が不当に拘留され (detention) 、バハイ教や他の宗教を対象にしたある宗教指導者からの言葉 (a sermon) があったことを受け、警告を発しました (sound the alarm)。

5月25日に、治安部隊 (security forces) が平和的に行っていたバハイ教の集会を急襲した (storm a peaceful meeting) 事件があったようです。5人の女性を含む15人のメンバーがどこかに連行され、1名除く全員 (all but one) がいまだに監禁されているようです(be held incommunicado)。

OHCHR は、事実上 (de facto) イエメンを支配している反政府武装組織フーシ派 (Houthi) に対して、一刻も早く拘束されている人々を開放するよう (release the detainees) 求めました。

フーシー派は、イランなどから支援を受け、イエメン国内の主要地域を支配しているグループです。フーシー派はもともとイエメン北部のザイド派の復興運動に起源を持つそうですが、政治集団としての性格が強くなると、イエメン政府と敵対するようになりました。2004年から2010年までの「サアダ戦争」(なんど6度も行っている)などでずっと対立しています。2011年に「アラブの春」と呼ばれた反政府運動がイエメンにも波及すると、イエメン政権が崩壊しました (当時はサーレハ政権)。ここでも、後任とフーシー派は対立し、2014年9月に首都サヌアを掌握し、2015年2月に独自の政権を立て、その後任者を追放しました。記事内で de facto とあるのはこれが理由です。諸外国の組織との関係や歴史についてはこちらの資料が分かりやすいです。

OHCHRによれば、フーシー派から任命されたイスラム法学者 (the Mufti) は、捕らえられたバハイ教信者たちを裏切り者 (traitors) だと非難し、悔い改め (repent) なければ処刑も辞さないと述べたそうです。

repent = feel remorse for … / regret / be sorry for … / be ashamed of … 
repent of having -ed/-en形 の形で「~したことを悔やむ」

OHCHR は、こうした行為は国際法に違反しているだけでなく (in addition to contravening international law)、マイノリティに対する差別 (discrimination) や暴力をかき立てるようないかなる言葉も使ってはならないと批判しました。

元記事URL

https://news.un.org/en/audio/2023/06/1137507


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