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TOBって何?基本から「キ」から解説します

本日は「TOB」こと「株式公開買い付け」について解説いたします。昨今TOBを実施する企業が多くニュースになることが多くあります。普段聞くだけのニュースの背景も掴めるようになります。ではいきましょう!!

🔳TOBって何⁈
英語の「Take Over Bid」の頭文字の略称で「株式公開買付け」と呼ばれています。 不特定かつ多数の株主に対し、証券取引所の市場外で「この株式をを1株いくらの値段で買います」と宣言することで周知させます。株主はこの宣言で株を売るか売らないか判断することになります。

🔳TOBの事例

このTOBは「友好的」「敵対的」があり、お互いの企業が話し合い協力的に経営統合していくのが「友好的」、一方的に株式を買い取る宣言をするのが「敵対的」になります。最近では産業革新投資機構がJSRにTOBを実施すると発表がありましたが、これは「半導体の技術革新をお互い協力し合う」とお互いの企業が納得した「友好的」なTOBと言えます。(敵対的が必ず悪いイメージではありません。その時のケースによります。)

🔳TOBを実施する目的
企業規模の拡大や技術進歩は一から作ろうとすると莫大な時間がかかります。TOBする側は資金を投入して「自社にない経営技術をもつ企業」を買収しようとします。買収には株式の保有率を高める必要があるので買収される側の株式を購入する必要があります。
では一般の購入の仕方とTOBの購入の仕方の違いについて見ていきましょう。

一般的な株式購入例

証券取引所では「株式を購入している様子を見ることができる」ため他の投資家の注目を集めて人気になり株価が必要以上に上昇してしまう可能性があります。そのため買収する側が株を買えなくなる可能性があります。

TOBによる公開買い付け


一方、TOBは証券取引所以外で株主に売買を勧誘するため直接的に株売買を実施することができます。売買は特定された株主だけに選定され、さらに取引所で流通する株価より高く、買収される側の株主は通常より割高で売却できます。これを「プレミアム」と呼びます。

🔳TOBの実施件数

M&Aオンライン:https://maonline.jp/articles/tob_securities_company_ranking_2022

新型コロナウイルスの影響により2021年は景気の先行きの不安定からTOBを仕掛ける企業が多かったのと日銀の金融緩和により資金調達がしやすかったのもあり件数を3年連続で増加していました。2022年はその反動か現象しています。

🔳TOBは目標買い付け数がある
TOB実施するには、株式の買い付け数があらかじめ決められており(公告により)満たされなかったらTOBは不成立になり一度売却を決めた株主はTOB買い付け価格では成立しません。反対に成立後、買収された企業が非上場になれば保有している株式を強制売却されてしまいます。

🔳これからどうなる?TOB
AIに技術進歩により経営の成長加速競争が激化しているのでTOBの件数が今後活発化する可能性があります。実際にJSRは半導体技術を強化するため産業革新投資機構と手を組んだのでその背景が伺えます。これで皆さんもTOBというワードを聞いた時に「一体何が起こったのか」「友好的」なのか「敵対的」なのか背景が分かるようになりましたね。

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