緑内障で失明したら、二度と見える様にならないのか?
こんにちは!
東京都羽村市にある医療法人真愛会の真鍋クリニックの副院長です。
今日も相談者様からのご相談に回答していきますね。
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緑内障で失明したらもう二度と見えるようにはならないのでしょうか?
IPS細胞とか期待はもてますか?
(40代・女性)
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緑内障による失明についてですね。
眼科学の中では、失明には2種類あります。
一般的な失明のことを指す「社会的な失明」と、「医学的に完全な失明」です。
緑内障などの病気による失明は、「医学的に完全な失明」に当たるケースが多いかと思います。
「社会的失明」の定義は、「字が読みにくくなる状態(矯正視力0.1以下ぐらい)」とされており、少なくとも“真っ暗で何も見えなくなる状態”ではありません。
一方、緑内障などの病気による「医学的失明」の場合は、視力を失い、光をほとんど感じなくなるくらいの状態にもなり得ます。
緑内障という病気は、「周辺から、徐々に視野が欠けてくる」病気ですが、病気の最期には、視野の中心部分を残して大部分の視野が損なわれます。
緑内障は“不可逆性の病気”(=一度進行すると元に戻らない病気)ですので、一度失ってしまった視野が元に戻ることはありません。ですので、何よりも「早期に発見し、早期に治療を行う」ことが非常に重要になるのです。
また、一度緑内障の診断が付いた場合は、基本的には“生涯を通じて点眼薬が必要”になりますので、これも患者さんにとって多大な負担になります。
ですので、ご質問に戻ると、緑内障で失明した場合、残念ながら「二度と見える様にはなりません。」
現在、iPS細胞の研究が進んでいるのは、主に網膜分野で、「加齢黄斑変性症」という病気に対しての研究が進んでいます。ただし、iPS細胞を使った治療が可能になったとしても、完全な失明状態にあった患者さんが、「視力で0.01程度、視野を少し広げる」程度の効果しか、現在では期待出来ません。
まだまだこれからさらなる研究が必要な分野ですので、少なくとも5年〜10年程度は待つ必要があるかもしれませんん。
ただし、将来的に“緑内障の治療が可能な日は来る”かもしれませんので、諦めずに治療をお続けくださいね。
ご相談ありがとうございました。
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