箸を片方ずつ売るお店。
徳島県に上勝という、ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)を標榜している小さな山あいの町があるのですが、
その町にある「polestar」というステキなカフェのInstagramで、
ある日、こんなストーリーズが投稿されていました。
お箸=2本で一膳、というのは、
日本人であれば誰でも知っている常識中の常識かと思うのですが、
なんとこちらのお店では、お箸を1本から購入できる、とのこと。
「そんな売り方して意味あるの?」と一瞬思ってしまったのですが、
添えられていた文字を見たら、もうすっかり納得でした。
確かに、お箸って厄介なのは、2本のうち片方がなくなったり、折れてしまったりすると、
もう片方がどれだけキレイな状態でも、モノとしてまったく意味をなさなくなってしまう、ということで。
靴下みたいに、左右別でもオシャレ、みたいな使い方があればまだ救われるのかもしれませんが、
さすがにまったく別の種類の箸同士の組み合わせだと、長さとか太さが違って使いづらいし、なかなか厳しいですよね…。
こうなると、まだ使えるもう片方も、使いみちがないから捨てざるを得なくなってしまう。
でも、こうやって片方だけ買い直せたら、まだ使える片方も無駄にしなくてよくなるし、
使い慣れた箸を使い続けられますね。
たかが箸1本、と思うかもしれないけれど、こういう小さな積み重ねがあってこそ「ゼロ・ウェイスト」に近づいていくし、
さすが、ちゃんと徹底して考えられているのだなあ、と、なんだか感心してしまいました。
そして、このケースはお店側の工夫でしたが、
きっと我々ユーザー側の工夫によってもできることがあるはずで。
以前、久保史緒里さんがラジオで
「箸と靴下はペアを探すのが面倒だから、同じ種類で揃えている」
という自堕落エピソードを、「ライフハック」「SDGs」と言い張っていいましたが、これってあながち間違いでもないよなあ、と。
箸も靴下も消耗品だから、普通に使っていればそのうち寿命がくる。
そのときに、通常であれば、寿命がきたものとペアになっているものを探して、(そのもう片方がどういう状態であれ)併せて処分する、となってしまうところを、
同じ種類で揃えたり、買い足していれば、その寿命が来たものだけを処分する、ということができる。
一時的に箸ケースや衣装棚に入っている数は奇数になってしまうけれど、
任意に2つずつ選んで順繰りに使っていくものなら、別に棚の中に奇数あろうが偶数あろうが、実生活に支障はないですよね?
「箸(や靴下)はペアにして置いておくもの」
あまりに当たり前すぎることのように思えますが、
本当は、必ずしもそれは当たり前のことではないのかもしれないし、
地球環境のこととかを考えれば、むしろ当たり前じゃないほうがよいのかもしれない。
そう考えると、ほかにも「あまりに当たり前すぎて、かえって見落としてしまっていること」というのがあるのかもしれないし、
そういったことを探す・見つけることからも、
SDGsや地球環境、社会問題みたいなものを近づけていく、捉えていくヒントというのが見えてくるのかもしれません。
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