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その「経験」は、きっと活きる。

五輪のスピードスケートで活躍した清水宏保さん。
現在は、訪問看護、リハビリ施設やサービス付き高齢者向け住宅といった福祉ビジネスを手掛ける経営者としてご活躍のようです。

メダリストとなった後、紆余曲折があったというのは初めて知りました…。
NPBやJリーグといった人気競技でもまだまだ厳しい、アスリートのセカンドキャリア事情。
やはりまだまだ全く道が整っていない、という競技も多いのですね…。

僕は3歳からスケートを始め、32年間も人生を懸けてきた。その32年間のキャリアを活かせない人生って何だろう、って。このキャリアをしっかり活かした生き方をしないと、子供たちに夢を与えられないので、子供たちがスポーツをやらなくなってしまうし、ましてやスケートをやらせようとする親御さんも少なくなってしまう。親は子供の競技にお金をかけても全く回収できない構図ですから。

最近は「スポーツの力」とあちこちで言われていますが、そもそもスポーツの力って何だろう、と考えますね。競技者がファンに夢や感動を与えるだけでなく、競技者自身も心豊かにならないと、本当の意味のスポーツの力にはならないのではないか、と。

だから、競技者に投資されたものを回収できるようなビジネスモデルを作りたいと考えたんです。

https://bunshun.jp/articles/-/52334

確かに、五輪メダリストという、本当に一握りの栄冠を手に入れた人ですら、それが次のキャリアに活かせない、となると、夢がないですよね…。
まして、そうでない「その他大勢」なら、なおさらのこと。

そんな事情を踏まえて、個人的に共感したのはこんな一文で。

アスリートはケガがつきもの。それを乗り越えて五輪などの大舞台に立っているので、身体のことは熟知しています。自分の身体を実験台にしてリハビリを学んでいるようなものですから。元ナショナルチームの選手もスタッフとして働いています。

https://bunshun.jp/articles/-/52337?page=2

確かに、大舞台に立つ選手なら誰しも、ケガや身体の不調とは嫌というほど向き合わされてきたでしょうし、
そんな中でどうやってコンディションをよりよい方向に持っていくか、という点において、右に出る者はいないでしょう。
まさに適任だよなあ、と思います。

アスリートの「専門性」というと、
真っ先に浮かぶのは、その競技に関する知識や経験なのでしょうが、
残念ながら、野球やサッカーなど競技人口が多い競技ですら、その知識・経験を直接生かせるキャリアは多くない。

でも、アスリートが発揮できる専門性って、別にその特定の競技に限ったことではないですよね。
例に上がっていた「身体のコンディションの整え方」とか、
それこそ「大舞台で自分のベストを発揮するための、心の整え方」とか、
チームスポーツであれば「よりよいチームのつくり方」とか、
アスリートの方が日々向き合ってきたことの中に、
私たちの日々の生活やビジネスに生かせるものって、きっとまだまだたくさんあるはずで。
それこそ、現役時代にやっていた競技に直接関係ない相手にも、自分の経験や知識を還元できる場って、多くあると思うんです。

そしてこれは、一般人のキャリアチェンジにおいても、同じことが言えるはずで。
業界や職種で絞ってしまうと、どうしても似たような環境を選びがちになってしまうし、
それが少しでもニッチな分野だと、「これって他に活かせるところあるのかなあ?」って思ってしまいそうにもなるけれど、
積み重ねてきた経験、向き合ってきた現場、それをよりジェネラルな視点で捉えると、きっといろいろな道が見えてくるのだと思います。

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