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「日本は素晴らしい」は、決してお世辞じゃないようだ

オーストラリア現地のショップで働いている。

私がアジア人の容姿で英語もネイティブ発音じゃないことが分かると、お客さんは割とよく「Where are you from?」と聞いてくる。私の同僚は韓国人が多いので「あんたも韓国人か?」ともよく聞かれる。

私が「I'm from Japan.」と答えると、ほとんどの人が嬉しそうにして「ジャパン!!すげえ!君の国は最高だよ!」と褒めてくれる。自分が日本に旅行に行った時のことや、日本のサブカルチャーや文化や歴史について知っていることを話してくれる人も多い。

私が南米チリに住んでいたときの周りの反応もそうだった。日本を中国の近所の国、としてではなく、アニメやソニーやトヨタの国として、日本という国を認識してくれているチリ人がたくさんいた。日本の音楽を聞いているチリ人も多かった。ラルクアンシエルやアジカンなどのJロックが大人気だった。

割とどこに行っても「おお!君はジャパニーズか!!」と好意的な印象を持たれることが多く、私は今までそれを、ある意味お世辞だと思っていた。その人たちは私がどこの国出身だろうと同じように、「おお!コリアか!Kポップは大好きだよ!いい国だよね!」とか、「おお!タイか!うちは週に1回はタイ料理だよ!タイは最高だ!」とかなんとか言って褒めてくれるのだろうと思っていた。

でもどうやら違うようだ。日本は特別なのだ。

夫はドイツ人だが、「僕はドイツ出身だ」と言っても私のように褒められたことはないという。

知らない人と夫のよくある会話は「君、めちゃ訛ってるね、出身はどこ?」「ドイツだよ」「なるほど!」…以上。よくても「ビールの国だね!」と言われるくらいだそうだ。「ドイツか!最高だな!」なんて言われたことはないそうだ。

そういえば、私はチリが大好きだからチリ出身の人に出会ったらめちゃくちゃ褒めると思うけど、ほかの人がそうしているところはあんまり想像できないな。
チリが際立って何がすごいか説明できる人はどのくらいいるだろう。「チリ?へえ~…南米?遠いねえ」というリアクションが普通だろうか。

日本の文化は、日本人が思っているよりも、もっと広いところで愛されている。ZENとか、IKIGAIとか、思想や哲学はよく本やドキュメンタリーで紹介されている。SAMURAIのドラマや映画は日本より海外のほうが人気かもしれない。

日本の文化や歴史はそれだけキャッチーなのだろう。私も外国人が日本を褒めてくれているのを聞くのは大好きだ。自分の国の悪いところを忘れられる(!)

日本を離れているときのほうが日本を愛せる。家族と離れて暮らすと親のありがたみが分かるのと同じようなものか。私は「君はジャパニーズか!すばらしいな!」と言われ続け、IKIGAIやSAMURAIについてオーストラリア人に語られ、今度帰国したら温泉に行きたいな~なんて考えている今の生活は豊かだと思う。日本にいると、極悪な政治や不景気や悪いところにばかり目がいって心が貧しくなってしまう。

日本を褒めてくれるオーストラリア人にも、日本のすばらしい文化を育んできた先人たちにも、いつも感謝。

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