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京都の休日 46 〜【嵐山】夏の風物詩、鵜飼(うかい)に魅せられた夜のこと〜

まるで平安時代に
タイムスリップしたかのような
ひと時でした。

夏の夜の風物詩
「鵜飼(うかい)」

これを船上より鑑賞した様子を
今回はご紹介いたします。


場所は嵐山を流れる
「大堰川(おおいがわ)」。

平安時代より船遊びの場となっていた
景勝地です。

夜8時。

こちらの小舟に乗り込みます。


しっとりとした
夜の雰囲気の中を

かがり火に向かい
進んでいきました。

かがり火のある小舟には
「鵜匠(うしょう)」の方々が控えていて。

風折烏帽子(かざおれえぼし)に腰みのといった
昔ながらの装いをされているのです。


もう一つの主役
五羽の「鵜(う)」もおります。

お行儀よく並んでいることには
とても驚かされました。

いよいよ、
漁が始まります。


皆で固唾を呑んで見守っていると
船頭さんの
「声出してくださいね!」のご指示が。

鵜を操る鵜匠さんたちは
「おらんか。おらんか。」
と声をかけているのです。

それに合わせ、
(このご時世ですので)ひっそりと
「がんばれ〜。」と
鵜を応援するわたしたちでした。


すると、勢いよく
鵜たちが水に潜り始めるのですね。

何度か繰り返していると
ようやく一羽がお魚を捕まえました。

鵜匠さんが
きゅっと鵜の口からお魚を取り出します。


こうして鵜飼で獲れたお魚というのは
傷がつかないため鮮度が保たれるのだそうです。

そのため、安土桃山時代には
献上品となっていたとのこと。

鵜飼自体も幕府より守られていました。

徳川家康にも、
毎年鵜飼で獲れた鮎が献上されていたようです。

ただし、明治時代に入ってからは
効率よく行なえる漁が主流となり
鵜飼は減少してしまったそう。

現在は、観光地で鑑賞するものとして
主にのこされております。


最後に、印象深かった
「鵜」と「かがり火」のお話を。

茨城で、こちらも伝統的な方法で
捕まえられた海鵜。
(これができる方は現在三名しか
いらっしゃらないのだとか。)

京の地で、
漁に出られるよう育て上げられます。

一羽一羽、名前もあるそう。

鵜匠さんの初恋の人の
名がつくこともあるとかないとか。

25羽ほどが一緒に暮らす中で
毎晩元気な5羽が選ばれ
舟に乗ります。

並び順は、
仲良しを隣同士にするとのことで
人間らしさを感じてしまいました。


そして、かがり火。

この炎がとっても綺麗なのです。
ずっと眺めていたくなるほどで。

使われているのは
赤松。

風に乗って運ばれてくる
香りもいいのですよね。

お舟を降りる頃、
鵜を乗せた舟が遠ざかってゆくわけですが

火が小さく小さくなっていく
その光景も愛おしいものでした。

鵜飼という伝統にふれ

昼間とはがらりと異なる
大堰川の雅な空気も感じられ

とても素敵な夜となりました。


貴重な体験に感謝いたします。
ありがとうございました!

今回は、夜8時の乗合船にお邪魔しましたが
夕焼け空も愉しめる夜7時の回もございます。

また、お食事付きや、貸切のプランも
ご用意があるようですので

ご興味のある方はぜひ
下記公式サイトよりご確認くださいませ。

嵐山鵜飼・乗合船
開催日:2022年7月2日~9月23日
開催時間:7月2日~8月31日:19:00・20:00の各日2回出船/9月1日~23日:18:30・19:30の各日2回出船
 ✴︎18:00より当日の乗船受付開始
 ✴︎運航時間約1時間
乗船場所:嵐山通船北乗り場(京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町)
https://arashiyama-yakatabune.com


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