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sachihoさんのクラリネットが良すぎて泣いちゃうはなし。

クラリネットって知ってますか?
あの、クラリネットです。
パパからもらったクラリネットの、クラリネットです。

知ってはいるけどどんな音色なのかよく知らない。という方は多いと思う。

私はぶっちゃけ
「フルートじゃなくてオーボエでもないやつ」
としか覚えていませんでした。
だいたい中学の音楽の授業でちょっと聴いたくらいで時が止まってる楽器。それがクラリネットな気がします。

クラリネット奏者のsachihoさんという方が居ます。
実は私sachihoさんを聴き始めて間もないので、浅学なところはあると思います。

だけどまあ、この方のクラリネットが
理屈を抜きにして
本当に本当に良いのです。

なんだか何にもやる気が出ないな
とか
ひとりぼっちだけど外に出るのも億劫だな
とか
ちょっぴり自暴自棄になってるタイプの方に
激しくお勧めしたい音楽なのです。

ことの起こりはわたしの王子様(推しという意味です)である
西崎ゴウシさんという方が
sachihoさんのアルバムをプロデュースしたことです。

西崎ゴウシさんはカルメラというバンドの方でまあとにかく天才でむちゃくちゃにかっこいいのですが
どちらかといえばゴウシさんが作るのは
繊細な奥行きがありながらも
表現としてはエネルギッシュなパワージャズが多いように思います。

ちなみにnoteの企画「推し短歌」でゴウシさんを病的に推してる記事はこちら。
うん。わたし病気だな。

じゃりんこチエのカルメラ兄弟を名前のルーツに掲げるエンタメジャズバンドの西崎ゴウシさん。パワーあふれるサウンドが売りのゴウシさん。それは間違ってる解釈ではないと思っています。
なのでXで
「クラリネット奏者のアルバムをプロデュースした」
というゴウシさんのポストを見た時に

えー……。

と思ったのです。

クラリネットかあ。
よく分からんし……。
なんか上品なイメージあるし……。

ていうかこのsachihoさんていう人がまず

めっちゃかわいいし……。

そこなんかい!!と自分でも思いますが
やっぱり自分でも痛いほど自覚している病的な王子様ファンからしてみれば

王子様がお姫様に楽曲提供してるのは
やっぱりちょっと
なんか
なんていうか

王子様の曲は聴きたいけど吹いてるのんは可愛いお姫様やん!?

って思っちゃうんです!!

(ちなみにこれはゴウシさんが楽曲提供しているプレイヤーが可愛ければ可愛いほど加算して戸惑いを生みます)
(気持ち悪いファンですよね!すみません!だいたい王子様ってなんやねん!!)

なので最初は

「わたしはゴウシさんが好きだから可愛い女の子の吹いてるクラリネットは聴かないんだもん!!」

と思ってました。
思ってたんです。
思ってたんですけど。

なんか、Xのポストとかさ…
やっぱり、気になるからチェックしちゃうじゃないですか…
sachihoさんのポスト見てるとさ…

この人たぶんめっちゃええ人やんな…。

て思うわけですよ。

なんか、純っていうか
無垢っていうか
絶対私が思ってる
「お姫様」
みたいな人じゃない……。

それでまあ
ふるふる震える親指でなんとかフリックしまして
Apple musicで
ゴウシさんがプロデュースしたsachihoさんのアルバム
「朔」
を聴いてみたわけです。

「朔」はこちら

3秒で泣きました。


優しすぎる音。
柔らかい光みたいな音。
そよそよと爽やかな風に乗って
カーテン越しに差し込む
午後のひだまりみたいな音。

こんな音
聴いたことない。

心にパッと光が差し込んで
隠していた暗い気持ちを
照らしてくれたような感覚でした。

クラリネットってこんな音がするんだ。

呆然と聴き入りながら
「絵画みたいな音だな」
と思いました。
例えるなら、ルノワールのような。
モネの光の庭のような。

クラリネットが、こんないろんな表情を持った優しい楽器だなんて知りませんでした。

これほんとにゴウシさんが作ったの?とさえ
思いました。
暴れん坊の王子様が作る音楽にしては
柔らかくてどこまでも繊細です。
だけど根底に流れるテイストは絶対に
聴き覚えのあるゴウシさんのサウンド。紛れもないゴウシ節なのです。

そうかあ。
このsachihoさんの音が
まるで絵筆みたいな
柔らかい音なんだ。

ゴウシさんが魂込めたデッサンに
柔らかい色を載せてるのがsachihoさん。

音楽って
こういう奇跡みたいなことが起こるんだな。

ほろほろ泣きながらアルバムを聴き終えて
ありがとうと手を合わせました。

聴かせてくれてありがとう。

それで私はいまも
sachihoさんの音がすごくすごく好きです。

今回sachihoさんは
セカンドアルバムの「終焉」をリリースしました。
もちろん聴きましたとも!!
最高でした。

あの日絵画みたいな光の庭で微笑んでた女の子が
絵画から飛び出てきて
わたしの横に居てくれる。
背中をさすってくれる。
大丈夫だよって声が
聴こえてくる気がしました。

「ひとりに寄り添えたらいいなと思うし、ひとりじゃないなって感じられたらいいなとも思います」

アルバムのリリースに向けてつぶやかれたsachihoさんの一言が沁みます。

「ひとりに寄り添う」
「ひとりじゃないなって感じられたらいいなと思う」

これはありふれてる
「ひとりじゃないよって言ってあげる」
みたいなこととは全然違って

ひとりでもいいんだよ。
でもひとりぼっちじゃないんだよ。

っていう
どこまでも「誰か」の「すべて」を受け入れる気持ちのように聴こえます。

そしてほんとに
誰かのすべてを受け入れるようなアルバムです。

もともとゴウシさんのファンで
ゴウシさんの生きてきた人生を追っかけてる私としては
ゴウシさんとsachihoさんとのパラレルが交錯したところにこのアルバムがあって
それがこんなに優しい気持ちに溢れてることに
すごく感動したし
感謝を覚えたのでした。

大変じゃない人生の人なんて居なくって
誰しもがそれぞれ
大変な人生を生きているのだけど
ひとりぼっちで頑張っているようで
ひとりじゃないし
ひとりぼっちで頑張ってきたことに
胸を張ってもいい。

そんな風に思えるアルバムでした。

ありがとう。


書きすぎちゃった!!
でもほんとに良いアルバムなので
ごたくはなしにして

聴いてほしいなあと思います。

わたしはたぶんこれから
百万回くらい聴くよ。

ゴウシさん
sachihoさん
ほんとにありがとう。

感謝を込めまして。
私でした。

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