「成功するライターはごく一部」は本当か
ありがとうございますっ!鋭いご質問ですね。
確かに昨今、ライター業は「参入しやすい仕事」のように語られはしますし、単価を選ばなければ実際にそうなのかもしれませんが、経験が一巡するとそれ以上成長・待遇アップさせるのに戦略や運が求められる側面はあるとは思います。中級者以上になって、巷にあふれるノウハウだけでは通用しなくなったときの、成長・待遇の踊り場が割とつらい、というか。どの業界でもそうだとは思うのですが、新規参入の厳しさは今後増していくような気はします。
こうした前提に加えて、今後はAIなどで依頼数が減るとか、SGEが進展し、メディアの消費形態が変わった後のノウハウを教えられる人はいないとか、いろいろと変化があり得るので、これからどうする?というのも、切実なテーマだとは感じます。これまでのノウハウが通用しなくなるんじゃないかな、というのは本当に。
ただ、そういう前提は、正社員としてそこそこの企業で働いていた人も同様ではあり、編集業の場合、意外と「文章を書くこと」以外の能力を磨く機会がない人も多いですし、いわゆる普通の社会人経験がなくて行き詰まったりする人は大勢いる印象はあります。
もちろん「会社員としてそこそこの企業で働いていた」という事実や実績がその人の強みになるのは確かですが、だからと言って、そういう人たちと同じ前提の人だけが生き残れるかというと、そうじゃないんじゃないかな…とも。
実際、割と編集者や記者として大手メディアにいた人が、転職や独立して腐っていく姿は、よく目にしますし。。。そのくらい業界としては激変をもろに受けているので、そこと比べすぎるよりは、固有の強みを磨いたほうが良いかもなと感じました。所属や経験を問わず、キャリアや働き方に戦略を持つことが、今求められているような気がします。
🔶ここでいう「戦略」とは
「戦略」と言いつつ僕自身も行き当たりばったりですが、ライターや編集者のお仕事の場合、特に大事なのは「自分に投資をしてくれる相手をどう見つけるか」だと思っています。
ご質問にもある通り、仮にライター→編集者(ディレクター)という形で役割のチェンジがあったとしても、実際のところは、編集者となることであらゆるしわ寄せを丸投げされ、「お値段以上の対応」を期待されることも残念ながらあり得ると思うのですが、そうではなく、ご自身の働きぶりに投資的な判断をしてくれるところにどう出会い/見極めて関係を深めていくか。そのために必要な人的ネットワークや、必要経験をどう蓄えておくかというのが大事なんだろうなと。
特に人的ネットワークのところについては、ゆるく浅くでもいろんな人とつながっておくということに加え、「自分はこんなことをやってみたい!」と声に出して、「こういう仕事はこの人にお願いしたい(お願いするしかない)」みたいなポジショニングをどう作っていくか、といったブランディングが今後は求められるんじゃないかなとか。
あと必要経験は、いわゆるライティング能力や編集力だけではなく、専門知識や原体験、非編集領域におけるちょっとした強みなども含まれると思います(平たく言えばやり取りのしやすさとか)。
特に、専門ジャンルにおける「現場理解」、マーケティングや経営感覚、コミュ力など、結構いろいろな切り口で強みを持てると固有性が高まるので、ニッチな領域でもでも、ご自身が強みを発揮できそうな箇所を、自由な視点で考えてみるといいのでは…と思います。
ちょっと個別性もありそうなご質問なので回答になっているかやや不安ですが、こういうキャリア談義こそ業界には必要なんじゃないかなと思います!
ぜひ今後ともよろしくお願いいたします!
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