トヨタに学ぶカイゼンのヒント71
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「トヨタに学ぶカイゼンのヒント71」
著:野地秩嘉
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今回はトヨタの"カイゼン"ってものに興味が湧いた時に、たまたま本屋に行ったらこの本が目について手に取ってみた。
そもそもなぜトヨタの"カイゼン"に興味が湧いたかと言うと、2021年度のトヨタの決算が好決算だったことを記事で読み、その内容に衝撃を受けたから。好決算になった理由としては販売台数の回復と円安の影響が主な要因となっているが、それ以外にコスト面での原価低減が大きく寄与している。以下に2021年度の決算概要からの抜粋を載せているが、生産部門における"カイゼン"によるコスト低減がなんと△3600億円。。(笑)
トヨタという会社の規模もあるかと思うが、社員一人ひとりが"カイゼン"という意識を持って取り組み、一年間に3600億円のコスト削減をするなんてすごすぎないか?と。。(笑)
これだけのことをしているトヨタは一体何をしているのか、"カイゼン"って一体何なのかを知るためにこの本を読んだ。
ここから本から得られた知識をまとめていく。
1.カイゼンとは何か
前述のカイゼンによって原価低減した費用、つまりコスト削減した費用の規模を見るとすごく大層な事をしているイメージだが、「誰でも簡単に楽にできるのがトヨタのカイゼン」と言われている。
「作業が0.1秒でも短くなればいい」
「紙を1枚でも無くすことが出来ればいい」
こんなマインドでカイゼンを行っている。
トヨタのカイゼンでは膨大な時間やコスト、エネルギーをかけない。要は考えてばかりいるよりもとりあえずやってみようよと、ベストを目指すんじゃなくてベター・ベター・ベターで取り組んでみよう、それでやってみて結果が思わしくなければまたカイゼンすれば良いじゃないか、これがトヨタ流のカイゼンという事。
トヨタのカイゼンって何なのと思ってた時に、当初はカイゼンによる大きな削減費用を見ると真新しいシステムをバンバン導入してコスト削減しています、みたいに思っていたがそうではなかった。実際のやっていることは、ある意味泥臭いことを地道に一歩ずつという感じ。ただそれが社員全員に根付いていることがすごいなと感じた。
会社に入って思ったのは、こうしたら良いんじゃないかと思っても効果が小さなものに関しては声を発しづらい。ちょっとした事だったら別に言わなくていいか、と恐らく社員みんなが感じてるのかなと思う。しかし、トヨタでは小さな効果のカイゼンでも声を上げやすい、どんどんと挑戦するように促してくれる、そんな社内風土が根付いているのがトヨタのカイゼンというものなんだと思う。
2.カイゼンは何のために行うのか
この問いの答えは、「人間が出来る事だけ人間がやる」ようにするため。だと俺は本から感じた。(笑)
人間が出来る事って何かと言うと、人間にしか出来ない発想が必要となること。現状、今自分たちが行っている仕事を振り返ると、おそらく指示された仕事であったり、与えられた仕事を行っていることが多々あると思う。ただ、それらの仕事は将来的に機械に置き換わっていく可能性が高く、その仕事を処理する能力を高めていたとしても今後は必要なくなってしまう。
じゃあ何をするべきか。
カイゼンをするのです。
カイゼンをして、機械的な仕事をなるべく手間をかけずに素早く終わらせる。その空いた時間に人間だけが出来る発想を必要とする仕事を行う。
機械的な仕事ばかりをしていて忙しい職場ほど「10年後」「夢」「未来」のことを考えている人がいない。それは社員が今の自分に余裕がなく、自転車操業をしているため先のことを考える余裕が無いから。
じゃあ余裕が出るようには何をすべきかという所にカイゼンがある。カイゼンを地道に行って少しでも余裕が出るようにする、そして時間が出来たら先のことを考える。
要は、カイゼンが"人間にしかできない人間らしい仕事”ができることに繋がる。
3.カイゼンとは何をしたらいいのか
さあ、最後にカイゼンって何をしたらいいのか、どこから目をつけていけばいいのかを書く。
カイゼンする点は以下の四点に着目する。
①これまでの慣習を見直す
②ムダな作業を無くす
③滞留・停滞・在庫に目を付け、可能な限り無くす
④工夫を考える、コスパの良い新しい機械があれば導入する
手を付けやすいであろう②に関して詳細に書いていく。
ムダを見つけるためにはどこに着目すれば良いのか?
それは正常と異常の区別をつける事から始める。正常とは物が溜まっていないとか、人が走ってないとか、休憩に行けているとか、そんな普通の職場(自分が働いていて心地の良い職場)を正常と考える。一方で異常とは、正常が維持されていない状態であり、異常が起きている場合に要因を探ることでムダを見つける事が出来る。だから、まずは正常って何だっけと考えるところから始めると良いかもしれない。
あと、本の中ではカイゼンの前提として多能化も挙げられている。多能化と言っても職場の全ての仕事を出来るようにするという訳ではなく、自分の仕事と似通った仕事も出来るようにするという意味で多能化人材をトヨタでは育成している。
なぜ多能化人材を育成しているかと言うと、忙しい職場を無くすためである。どうしても時期によっては忙しい部署が出てきてしまい、前述の異常な状態が発生してしまう。その場合に、残業してでも働けというのではなく、他部署からヘルプをすぐに回せるようにするためである。それに対応できるようになるためには、やはり人材が複数の能力を持っていることが前提となるため多能化人材を育成しているのである。
興味本位でこの本を読んでみたけど、さらにトヨタという会社が気になった。やっていることはすごく当たり前と言えば良いのか、シンプルと言えば良いのか分からないけれど、この考えを徹底していることがすごいんだと思う。カイゼンって当たり前やんとか、多能化って当たり前やんとか思うかもしれないけれど、実際にここまで理屈に基づいて実行出来ているからこそ、BIGな会社になっているんだと思う。
ちなみに本に書いてあったけど、Amazon創業者 ジェフ・ベゾスの座右の銘の一つが「Kaizen」らしい(笑)
明日から俺の座右の銘もこれにしよ
Let's kaizen!
お わ り
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