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パワースポットを巡る #3 『井口大歳神社』

 こんにちは。写真家のMiNORU OBARAです(自己紹介はこちら)。記事をご覧いただきありがとうございます。本日は、パワースポットを巡るシリーズ、第3話です。

 パワースポットを巡るシリーズの執筆は、『ふみだすひろしま』というプロジェクトへの参加をきっかけに始めました。

『ふみだすひろしま』についての詳細はこちらをご覧ください。

 さて今回は、井口大歳神社(いのくちおおとしじんじゃ)のご紹介です。その名の通り、広島県広島市の井口という町に鎮座しています。

 主祭神は、大歳神(オオトシノカミ)。この神様は須佐之男命(スサノオモノコト)のお子さんです。

 井口大歳神社には、他にも、須佐之男命(スサノオノミコト)が、さらには高御産巣日神(タカミムスヒ)の子であり波の向こうからやってきたと云われる少名毘古那神(スクナビコナノカミ)も祀られています。

 スサノオノミコトが海原の神様ですから、この神社さん、海に縁があるのかもしれませんね。

 それもそのはず、建立のきっかけは神武天皇。井口大歳神社は、神武天皇が井口に立ち寄られた際に船をつないだ場所を社地として1024年(万寿元年)に創建されたと伝えられています。

 境内には大きな椋の木がそびえ立ち、その雄大さにはひときわ目を惹かれます。

 実は、この大樹にもある神様が祀られています。そのお話を少し・・・。

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 みなさまは、太陽の神さまである天照大御神(アマテラスオオミカミ)が、天岩戸(あまのいわと)と呼ばれる洞窟に閉じこもり、世界が真っ暗になったというお話をご存知でしょうか?
 『天岩戸隠れ』と呼ばれる古事記の中でも有名な神話ですね。

 日本を始めた神様と伝えられているのが、イザナキノミコト(伊邪那岐命)とイザナミノミコト(伊邪那美命)。
 そのイザナキノミコトが、筑紫日向(つくしひむか)の橘の小門(おど)の阿波岐原(あわぎはら)で禊を行った際に生まれたのが、スサノオノミコト(須佐之男命)、ツクヨミノミコト(月読命)、そしてアマテラスオオミカミ(天照大御神)の三貴神。
 天照大御神は日本で最も位の高い神様とも云われていますね。(最高神は高御産巣日神(タカミムスヒ)という説もあり。)

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 さて、イザナキは、天照大御神に天国を、スサノオノミコトに海原を、ツクヨミノミコトに夜の世界を、それぞれ治めるように命じました。

 しかし、暴れん坊のスサノオノミコト、海原だけでは満足できず、天国に乗り込んできます。その素行の悪さはエスカレートするばかり。スサノオノミコトの傍若無人な狼藉行為にすっかり困り果ててしまった天照大御神は洞窟に閉じこもり、その入り口を大岩で塞いでしまいました。

 そうして、世界は太陽を失い、暗闇に包まれてしまったのです。

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「これは困ったものだ。」

 神様たちは天照大御神に洞窟から出てきてもらおうと、あの手この手で気を惹こうとしますが、何をやっても上手くいきません。

 そこで立ち上がったのが、アメノウズメノミコト(天宇受賣命)です。

 アメノウズメノミコトは、閉ざされた洞窟の前で妖艶な舞を踊ります。そのあまりの妖艶さに、八百万の神たちは歓声をあげます。

 さて、それを訝しく思ったのは、天照大御神。洞窟の外から聞こえてくる神様たちの歓声のことが気にかかり、洞窟を塞いだ大岩を少しだけ動かして、その隙間からその理由を問います。

「あなたよりも尊い神様がおいでになったので、喜びの舞を踊っているのです。」

 アメノウズメノミコトがそう答えると同時に、洞窟の入り口にいた他の神様が、天照大御神にを差し出します。

 差し出された鏡に映っているのが自分であると気づかない天照大御神は、それをもっとよく見ようと、洞窟の入り口から少しだけ身を乗り出します

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 そこで、待ってましたとばかりに登場するのが、天手力男神(アメノタヂカラオノカミ)。

 天手力男神は、洞窟から少しだけ身を乗り出した天照大御神の手を掴み、洞窟から引っ張り出してしまったのです。

 こうして、世界はめでたく太陽の光を取り戻しました。

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 さて、このお話のクライマックスで天照大御神を洞窟から引っ張り出した神様、天手力男神(アメノタヂカラオノカミ)こそが、井口大歳神社の椋の木に祀られている神様です。

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 井口大歳神社は、小高い丘の、入り組んだ坂道の途中に鎮座しています。境内の北側には多少の駐車スペースもありますが、離合すら困難な細道にあるため、のんびり歩いての参拝をお勧めします。

 また、秋には神楽も奉納されます。この神楽で打ち上げられる大花火は、昔から伝わる伝統の呼び物なのだそうです。

 秋にはその圧巻の様子をご紹介しますね。何しろ井口大歳神社さん、うちの事務所の徒歩圏内なので。

 本日も文末までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 それではまた次の記事でお会いしましょう!

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*参照書籍:【 面白くて眠れなくなる『古事記』】PHP研究所

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