人間関係を理由とする転職はやめたほうがいい


この記事を見ている方の中には、「職場の人間関係がうまくいってないので転職をしようかな」と考えている人もいるのではないでしょうか。

ただその理由での転職はやめた方がいいです。

理由はシンプルで、どの職場でも人間関係の問題は必ずありますし、そもそもアドラー心理学のエッセンスを記した著書である「嫌われる勇気」にも書いてあるように、「全ての悩みは対人関係である」ので、職場を変えても解決しようがないからです。

筆者は転職を3回しているので4社での勤務経験がありますが、いずれの会社でも人間関係の問題は必ずありました。

気の合わない上司や同僚がいたり、 AさんとBさんの仲が悪くて、その対立に巻き込まれたり、くだらない社内政治など枚挙にいとまがありません。

もちろん、コンプライアンスに引っかかるようなハラスメント系は然るべき機関へ相談して、場合によっては離れる必要もあると思います。

それ以外の通常の人間関係の問題は転職では解決できません。また次の問題が発生するだけです。

大手企業に勤めているのであれば数年に一度は人事異動があるので、嫌な人間関係もリセットできる環境があるでしょう。

とはいえ、数年という期間は短くはないので、人間関係の悩みを軽減するための考え方を取り入れて、行動に移すのが良いアプローチだと筆者は考えています。

筆者は過去に人間関係に悩んだ日々を過ごしてきましたが、今はそれほどないです。理由はこれからお伝えする考え方を取り入れたからです。

それは古代ローマ時代のストア派の哲学者であるエピクテトスの考え方です。このおかげでだいぶ落ち着きました。

具体的には彼の考えがわかりやすく解説されている「人生の授業」という本を読み、自分の思考に取り入れました。

本書は活字だけでなく、マンガの部分もあるので、読みやすいです。

そんな彼の残した言葉を一部抜粋しておきます。この考えを取り入れて行動できたら、かなり人間関係が楽になるなと筆者は感じました。

物事には「我々次第であるもの」と「我々次第でないもの」との両者がある。 前者は判断、意欲、欲望、意志など心の働きによるもの。後者は自分の体、財産・他人からの評判・地位・感触など我々の働きによらないもの。

エピクテトス 人生の授業


加えて、彼は「我々次第でないもの」を軽んじろとも言っています。

他人の言動・行動や自分に対する評判とか、あとはお金・財産も「我々次第でないもの」になります。これらは自分では変えられないものだから、軽んじろってことです。

私たちの仕事に置き換えると、上司や同僚からの評価自分の評判というのは、「我々次第でないもの」になるので、それよりは自分の意思・欲望・判断に重きを置きましょうっていうことですね。

あと彼が言っているのは、「人々を不安にするものは事柄それ自体ではなく その事柄に関する考え方である」です。

例えば、上司に小言や何か嫌味ったらしいことを言われたというのは事柄そのものです。

この事柄、自体に意味はありません。この事柄に対して、上司に嫌われているなとか、全然評価されてないな、自分ダメじゃんという風に考えてしまうことが不安に繋がるなっていうことです。

つまり事柄をどう捉えるか次第で不安にはならないし、むしろモチベーションに変えられるし、何も気にしなくなります。

「言うは易く行うは難し」ですが、この考え方を取り入れるだけでも、今後の事柄への捉え方が変わってくると思います。筆者は少しずつ変わってきました。

アドラー心理学でいう「課題の分離」の考えに近しいですね。

あなたに小言を言うか否か、嫌みったらしいことを言うか否かは上司の問題(課題)で、それに対してショックを受けるか流すか、逆にモチベーションに変えるかはあなたの問題(課題)です。

人間関係に悩むのは、嫌われたくないという欲求があるからです。そこでアドラー心理学では承認欲求を捨てろと言っています。

とはいえ捨てきれないのが人間の性かと。というのも、人間は社会的動物で一人では生きらないので、集団から疎外される=死を意味する時代が長かったから、本能的な機能として、承認欲求が残っているからですね。

全ての人間関係の悩みを無くすのは不可能だとしても、エピクテトスやアドラーの考え方を取り入れて、日々の人間関係に当てはめることで、少し人間関係の悩みは軽減すると思います。

私自身、これらの考え方を取り入れたことで、それまでは上司・同僚・顧客に対しての評価をかなり気にしていて、全然自分の思うような言動・行動ができなかったのですが、今はあまり気にせず、やりたいようにやっています。

エピクテトスの考えを知ることができる「人生の授業」という本と、ド定番ですが、アドラー心理学のエッセンスが詰まっている「嫌われる勇気」はめっちゃオススメです。

本当に人間関係で悩むなーっていう人よりはだいぶ悩みは少ないかなって思うので、ぜひ参考にしてくれたら嬉しいです。





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